タピオカドリンクが流行と言われてからしばらくが経ちました。タピオカドリンクを手に歩く女子高生は、もはや東京の風物詩となりつつあります。
こうしたタピオカドリンクを提供している店舗にも、有名どころの貢茶(ゴンチャ)、鹿角巷(ジ・アレイ)、一芳(イーファン)と様々なブランドがあります。都内の人気ドリンクスタンドでは6時間待ちの長蛇の列ができたとの報道もあり、この光景を目にした外国人からは驚きの声が上がっています。
大人気タピオカの発祥の地と言われる台湾での現在のタピオカ文化と、日本のタピオカブームに対する現地の反応を調べてみました。
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タピオカドリンク発祥の地は台湾
中国語でタピオカは「珍珠(ジェンジュー)」、ミルクティーは「奶茶(ナイチャ)」、タピオカミルクティーは「珍珠奶茶(ジェンジューナイチャ)」です。
あるデータによれば、2018年時点で台湾全土には18,142軒ものドリンクスタンドが存在するといいます。台湾には冒頭に挙げたようなチェーン店だけではなく、個人で屋台を設置して開業するドリンクスタンドも数多く見られます。
台湾のドリンクスタンドが提供する商品の種類は非常に豊富で、お茶の種類や牛乳の種類、甘さ、更にはタピオカの種類まで自分好みのものを選んでオーダーするのが通常です。価格は1杯30~60TWD(1ニュー台湾ドル=約3.4円、約100円~200円)程度で、夏が長い台湾では冷たいものが好まれることもあり多くの地元の人に親しまれています。
台湾でのタピオカドリンクの売り上げは年間500億台湾ドル(約1,732億円)にも及び、1杯50元と仮定するとおよそ10億杯ものタピオカドリンクが1年間に消費されていることになります。
春水堂、幹林茶棧から世界に広まったタピオカ
最初にタピオカドリンクを作ったのは「春水堂(チュンシュイタン)」「翰林茶館(ハンリンティー)」のいずれかとする説が現在有力であり、どちらも1980年代中期には既にそれぞれの店舗でタピオカミルクティーを販売していました。
1990年代に入ると休閒小站(イージーウェイ)や快可立(クイックリー)、現在でも有名な50嵐(ウーシーラン)など様々なドリンクスタンドが頭角を現し、学校の近くや繁華街など人の集まる所に小さなお店を開いたり、ナイトマーケットの屋台でタピオカドリンクを販売する業者も出現し、タピオカドリンクは台湾人にとって身近なものになってきました。
この頃、一部のドリンクスタンドは香港へと進出しました。同じ頃に実は日本でも「第1次タピオカブーム」が巻き起こり、台湾系ドリンクスタンドが日本に進出したことによりタピオカドリンクも飲まれるようになりました。
2008年頃にも2度目のタピオカブームが起こり、昨今注目を集めているタピオカミルクティの流行は3度目のブームと言えます。
日本以外でも香港やマカオ、中国、韓国、マレーシア、アメリカなど多くの国にタピオカドリンクは輸出され、各国の若者にも親しまれています。
台湾人「日本人はタピオカに並びすぎ」
日本では数時間待ちという現象すら起きているタピオカドリンクの店舗ですが、台湾では数多くのドリンクスタンドがあるため、ブランドにこだわらなければ並ぶ必要はありません。
先日、名古屋での有名タピオカドリンク店のオープンがあり、徐々に長くなった列はついに6時間待ちを記録しました。1杯のタピオカドリンクのために忍耐強く何時間も待つ日本人に普段タピオカドリンクを飲みなれている台湾人は驚きを隠せない様子で、現地のニュースにまでされています。
また、台湾人が情報収集ツールとして活用するFacebookでは、日本関連のトピックで意見を交わしあうグループも多くあります。
この中でもタピオカドリンクに並ぶ日本人について、たくさんのユーザーがコメントを残しています。
「ありえない」「たった1杯のためにそこまで並ぶなんて」「その時間で飛行機に乗って台湾に来れば良いのに」といった驚きの声が並び、タピオカドリンクが気軽に買える台湾から見てみると、日本人のタピオカドリンクへ執着がかなり異様に映ったことがわかります。
タピオカ文化発祥の地の住人として、日本でのタピオカブームに喜びを感じる台湾人もいるようです。
まだ続くタピオカの日本進出、今後の展望は?
有名店への注目はさることながら、様々なタピオカドリンクのお店が都内を中心に出店しています。引き続き、茶之魔手(お茶と魔法の手)といった台湾で人気のタピオカブランドが日本出店を予定しているとの情報もあります。一頃よりブームは落ち着くことが考えられるものの、こうした日本初のブランドに足を運ぶタピオカファンの姿が見られる可能性は十分にあるでしょう。
こうした日本でのブームをSNSはじめとするインターネットサービスが伝え、日本に対し台湾人が抱くイメージがますます良好になっていくことも考えられます。インターネット上で情報の広まる仕組みや、情報の見せ方がユーザーに与える印象を左右するという点は、インバウンド集客においても当然理解すべき事項です。今回のタピオカの事例も、現地インターネットユーザーに人気のSNSや現地ユーザーの感覚について、理解を深めることのできる一例となるでしょう。
<参考>
財經新報:http://finance.technews.tw/2018/07/28/taiwan-is-handmade-drinks-kingdom/
聯合新聞:https://udn.com/news/story/6810/3929089
娛看日本:https://www.facebook.com/seeseejapan
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