【最新版】訪日外国人消費動向調査|2018年の旅行消費総額・国別構成比・消費額内訳・一人当たり支出・2019年1~3月の傾向・満足度

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2018年の訪日外国人旅行者数は約3,119万人と、過去最高の観光客数を記録しました。訪日外国人の日本での消費額については、2019年3月29日に観光庁が速報を発表しています。

この記事では訪日外国人の消費傾向と国・地域ごとの消費額について、速報のデータをもとに詳しく解説します。

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2018年の消費動向を詳しく解説

まず、2018年の訪日外国人旅行者の消費動向について、国や費目に分けて詳しく解説します。

確報によると、2018年暦年の訪日外国人の旅行消費額は合計4兆5,189億円(速報値からプラス125億円)、1人当たりの旅行消費額は153,029円(速報値からプラス435円)となりました。なお、クルーズ客の1人当たり旅行消費額は44,227円で、全体よりもかなり低いことがわかります。

消費額が多い国はアジアが優勢

▲[国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額と構成比]:観光庁訪日外国人消費動向調査
▲[国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額と構成比]:観光庁訪日外国人消費動向調査

参考:http://www.mlit.go.jp/common/001283138.pdf

2018年の訪日外国人の旅行消費総額を国別に見てみると、以下のようになりました。

1位 中国 1兆5,450億円(34.2%)
2位 韓国 5,881億円(13.0%)
3位 台湾 5,817億円(12.9%)
4位 香港 3,358億円(7.4%)
5位 米国 2,893億円(6.4%)

これら上位5か国・地域で、訪日外国人旅行消費総額の73.9%を占めています。

また、併せて訪日旅行者総数の上位5か国・地域を見てみると、

1位 中国 838万人(26.9%)
2位 韓国 753万人(24.2%)
3位 台湾 475万人(15.3%)
4位 香港 220万人(7.1%)
5位 米国 152万人(4.9%)

となっており、これら上位5か国・地域で、訪日旅行者総数の78.4%を占めています。

消費額と旅行者数における国・地域の順位がそれぞれ変わらないことから、訪れる観光客が多いほど消費額も多くなる傾向があると言えます。

また、消費額ランキング1位の訪日中国人は2位の訪日韓国人に比べて2倍程の金額を消費しており、インバウンド市場としては訪日中国人向けのサービスを強化することが更なる消費に繋がるとも言えるでしょう。

なお、訪日外国人の旅行消費総額のうち、85%程がアジアの国々によって占められていますが、これは地理的な問題が影響しているものと思われます。

東アジアのインバウンド攻略は「メディア」から!東アジア(中国、台湾・香港、韓国)向けインバウンドメディア特集!

3月29日に、観光庁が発表した「訪日観光客消費動向調査2018年」によると、東アジア(中国、台湾、香港、韓国)の訪日外国人旅行消費額は3兆406億円(全体の67.5%)、訪日観光客数は約2,066万人(全体の71.6%)と東アジアから多くの観光客が訪日しています。東アジアの中国、台湾、香港、韓国の市場の拡大に合わせて、各国の訪日観光客向けメディアに注目が集まっています。各国のメディアを検討する際、以下のおすすめメディアを参考にしてみてください。本記事では、中国(簡体字)、台湾・香港(繁体字...

消費額の内訳1位は買い物

2018年の訪日外国人の旅行消費総額を費目別に見ると、最も多かったのは買い物(34.9%)でした。次いで宿泊費(29.2%)飲食費(21.6%)となっています。

2017年暦年と比較すると、宿泊費と飲食費が1%以上増加し、買い物代が2.3%減少しました。

わずかな変化ではありますが、少しずつ爆買いが落ち着き、いわゆる「コト消費」へと傾きつつある傾向とも読み取れます。

一人当たりの支出は?

2018年の訪日外国人一般客の1人当たり旅行支出は平均153,029円でした。

国・地域別に見てみると、最も高かったのはオーストラリア(24万2,000円)、次いでスペイン(23万7,000円)中国(22万5,000円)イタリア(22万3,000円)フランス(21万5,000円)という順番になりました。

また、費目別では買い物が平均5万1,000円、宿泊費が平均4万6,000円、飲食費が平均3万4,000円となりました。

国別支出総額では堂々の1位を獲得し、爆買いで大量に消費する印象が強い中国よりも、国別支出総額上位ではなかったオーストラリアやスペイン、イタリア、フランスなどのヨーロッパ各地がランクインしています。オーストラリアはヨーロッパよりも地理的には日本には近いですが、ヨーロッパからの旅行と同じくたまの日本旅行をしっかり楽しみたいと考えているのかもしれません。

2019年と2018年の1月〜3月の消費動向を分析、変化は?

2019年4月17日には、同年1月〜3月期の訪日外国人消費動向速報が観光庁から発表されています。

続いて、2019年1月〜3月期の訪日外国人消費動向には、2018年の同時期と比べてどのような変化が読み取れるのかを詳しく見ていきます。

インバウンド消費が過去最高記録!観光庁「訪日外国人消費動向調査」からわかるトレンドについて解説

2018年のインバウンド消費額は、過去最高を記録しました。しかしながら、以前に比べ消費額には伸び悩みが見られました。今回は、観光庁より発表された国・地域別総消費額や一人当たり消費額のデータから、訪日外国人の消費傾向を分析します。その上で、今までのアジア圏を主なターゲットとした誘致に対し、さらなるインバウンド消費増大を目指すための新たな指針を紐解いていきます。また、この記事では「モノ消費」から「コト消費」という訪日外国人の消費トレンドの変化について近年のデータを参考に検証し、今後の消費傾向を...

土産品の購入内訳を紹介

▲[買物代の費目別購入率および購入者単価(主要国籍・地域別、観光・レジャー目的)]:観光庁訪日外国人消費動向調査
▲[買物代の費目別購入率および購入者単価(主要国籍・地域別、観光・レジャー目的)]:観光庁訪日外国人消費動向調査

参考:http://www.mlit.go.jp/common/001299614.pdf

観光・レジャー目的の購入率について、上位5品目を見ていきます。

2019年

1位 菓子類 75.2%
2位 化粧品・香水 46.1%
3位 医薬品 40.3%
4位 衣類 38.9%
5位 その他食料品・飲料・たばこ 37.3%

2018年

1位 菓子類 72.8%
2位 化粧品・香水 46.4%
3位 医薬品 42.2%
4位 衣類 36.4%
5位 その他食料品・飲料・たばこ 36.2%

以上2つの表から分かる通り、上位5品目の順位は変わりませんでした。日本の菓子類、化粧品・香水、医薬品は世界でも品質の高いものとして評判を得ていることから、しばらくは人気に陰りが見えることはなさそうです。

また、それぞれの品目について購入後に満足した理由を見てみると、菓子類では「美味しい」だけではなく「お土産に良い・頼まれた」という回答が多く見られました。

化粧品・香水と衣類では「品質が良い」という回答が最も多いものの、化粧品・香水では「価格が手頃・自国より安い」「日本製」という回答が多く、衣類では「デザインが良い・かわいい」という回答が多く見られました。

訪日前に期待していたこと

訪日外国人が訪日前に期待していたことについて、上位5つを見ていきます。

1位 日本食を食べること 70.3%
2位 ショッピング 53.1%
3位 自然・景勝地観光 45.0%
4位 繁華街の街歩き 43.3%
5位 温泉入浴 31.8%

こちらは2018年と比べて大きな変化はありませんでした。

訪日前に期待することの1位は?台湾最大級オンライン旅行サイトに訪日外国人観光客向け飲食店情報を提供

目次訪日前に日本に期待している1位は「日本食を食べること」各国の主要メディアと連携してインバウンド集客訪日前に日本に期待している1位は「日本食を食べること」2019年6月4日、日本美食株式会社(以下、日本美食)は、訪日外国人観光客向けの飲食事前予約サービスを販売している台湾最大級オンライン旅行サイト「KKday」に、国内飲食店情報の提供を開始したと発表しました。観光庁の調査によると、外国人旅行者が訪日前に期待することの1位が「日本食を食べること」で、訪日旅行支出の20%を飲食費が占めている...

満足度は上昇傾向

訪日外国人旅行者の満足度を見てみると、2018年は「大変満足」が53.8%「満足」が39.6%でした。2019年は「大変満足」が54.2%「満足」が40.8%と、僅かではあるもののそれぞれ上昇したことが確認できます。

国・地域別では、フィリピン、英国、フランス、スペイン、ロシア、米国、カナダ、オーストラリアの各国で「大変満足」の割合が8割を超えています。2019年はイタリアも「大変満足」の割合が8割を超えましたが、カナダは8割には届きませんでした。

日本への再訪意向を見てみると、2018年「必ず来たい」が59.9%、「来たい」が34.0%でした。2019年「必ず来たい」が62.1%、「来たい」が32.5%とそれぞれ上昇しており、また日本に来たいと考える訪日外国人が増えたことが分かります。

国・地域別で「必ず来たい」の割合が高かった所を見てみると、2018年英国(85.3%)、スペイン(82.2%)、オーストラリア(78.3%)、フィリピン(77.7%)の順でした。2019年英国(82.6%)、タイ(77.1%)、オーストラリア(76.3%)、シンガポール(75.4%)と、アジア各国の割合が高くなっています。

データを参考にして自社のインバウンド対策を実行

2019年の訪日外国人消費動向にて満足度と再訪意向がそれぞれ上昇しているのは、業界全体で取り組んできたインバウンド対策が功を奏していることの現れだとも言えます。

また、次回日本を訪れた時にしたいことでは、上から順に「日本食を食べること」「温泉入浴」「ショッピング」「自然・景勝地観光」が挙げられており、日本らしさを感じられるような日本旅行を楽しみたいと考えている訪日外国人が多く存在するようです。

これらのデータを自社のインバウンド対策の参考にすれば、より効果的にインバウンド需要を売り上げに反映させられるはずです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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