売上高1兆円規模に!インバウンド成長領域のドラッグストアに激震…ココカラXマツキヨなぜ経営統合?

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利益率の高い医薬品を武器に、食品や日用品をコンビニやスーパーより安価で販売することでそのシェアを最近奪ってきています。

いまやその市場規模は10兆円に迫り、コンビニの2018年市場規模である11.8兆円超えも視野に入るほどの躍進ぶりを見せているドラッグストア業界で、大編成が行われています。


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ココカラファインとマツキヨが経営統合

ドラッグストア大手のココカラファインが、マツモトキヨシホールディングスとの経営統合に向けた協議を開始する覚書を締結したと8月16日に発表しました。

ココカラがマツモトキヨシホールディングスに対して独占交渉権を与え、結論を出すめどを2020年1月末までとしました。

スギホールディングスからもラブコール

業界の再編が活発な中、ココカラファインがマツモトキヨシホールディングスと資本業務提携をした4月には、同社は同時にスギホールディングスからも経営統合の打診を受けていました。

ココカラファインでは特別委員会を設置し、比較・検討を行った結果、14日の取締役会にてマツモトキヨシホールディングスとの経営統合に向けて動くことを決めています。

決め手となったポイントは、店舗作業の効率性やプライベートブランド商品の開発などで、互いのリソースやインフラ、ノウハウなどの経営資源を大きな相乗効果を持って更なる発展を目指すことができると判断した点のようです。

インバウンド領域の取り組みは?

マツモトキヨシホールディングスでは、免税売上高は全体の売り上げ5,759億円のうち12%を超えています。店舗を訪れる訪日外国人客のうち半数は中国人ということもあり、同国向けのマーケティングに力を入れています。

一方で、ココカラファインでは、ドラッグ物販売上に占める免税売上の構成比が6.4%にまで増加しました。これは免税対応している店舗が増加したことや大型店化したことが貢献したとみられています。同時に、ココカラファインのインバウンド売り上げの中心となっている関西で、昨年9月の関西国際空港の機能停止があったことが影響し伸び悩んだ面があると見られています。

マツモトキヨシホールディングスが全国で運営する約1,600店のうち免税対応店舗は650店です。中国人観光客の利用促進を狙い、モバイル決済アリペイを導入しました。これにより利便性を高めてさらなる集客につなげる予定です。

【事例アリ】Alipay(アリペイ・支付宝)

中国や欧米を中心にキャッシュレス化が進んでいます。キャッシュレスにも様々な形態がありますが、近年は中国のモバイル決済が注目を集めています。中国のキャッシュレス化は、プラスチックのクレジットカードを用いた決済ではなく、スマートフォンアプリに表示するQRコードやバーコードによるモバイル決済「Alipay」「WeChat Pay」の普及により、非常に発展しています。中国ではこうしたモバイル決済がユーザーに支持され、キャッシュレス比率は現在およそ60%にまで達するとの調査結果もあります。日本のキャ...

また、2019年7月には、成田国際空港の出国手続き後エリアに出店しています。この店舗の集客については、訪日台湾人向けメディアの「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を活用したプロモーションを行うなど、インバウンド需要の取り込みを積極化しています。

インバウンドの戦略とは

訪日外国人観光客の数は年々増加しています。コト消費への関心の高まりやリピーターの地方観光の需要も増えています。北海道はじめとする日本のパウダースノーは中国人に人気で、徐々に知名度を上げており、その母数の多さから過去の「爆買い」の勢いを彷彿とさせる一大マーケットを軽視しつつあります。中国人に限らず訪日外国人を対象として、交通機関や観光地の店舗等、インバウンド対策に力を入れている場所も増えてきました。こうした訪日外国人観光客を集客し事業の売上げを伸ばしたい場合には、データや統計、ニーズを分析し...

 

一方のココカラファインでは、騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイ)」を全店で導入しています。

これによってリピート客の取り込みも可能となっています。

WeChatPayとは?導入方法と使い方・できること・事例5つ【インバウンド集客】

モバイル決済が主流となる中国で近年普及が進んでいるWeChatPay(微信支付:ウィーチャットペイ)。訪日中国人向けのインバウンド対策として、導入を検討している企業や店舗も多いのではないでしょうか?しかし、「WeChatPayの導入・運用費用がどれぐらいかかるのか分からない」「どれほどのインバウンド効果を得られるのか把握しておきたい」という方も多いはず。今回は、訪日中国人観光客からの需要が高い、WeChatPayの導入方法と成功事例について詳しくみていきます。関連記事Alipay(アリペイ...

 

多言語対応としては、「見える通訳」を導入し、探している商品がないかの声がけなどで活用されています。

今後どうなる?

大手ドラッグストア企業の2019年度業績では、売上高上位10社のうち第10位のカワチ薬品(栃木県)を除く9社が増収となっています。トップのツルハHDが7,824.44億円、マツモトキヨシホールディングスは第5位で5,759.9億円、7位のココカラファインは4,005.59億円です。

今回の経営統合が実現すれば、売上高1兆円が視野に入り、同社の売上高が業界1位となることは間違いないでしょう。

訪日外国人、特にアジア圏からの観光客からすでに支持されている業界とあり、見てきたように両者ともインバウンド対策へも力を入れて取り組んでいます。 今後はインバウンドにおいても国内においても、ココカラファインとマツモトキヨシホールディングスが統合した、「ココカラキヨシ」の一強状態になることも予想されます。

ドラッグストアという小売の世界だけでなく、インバウンド業界全体にポジティブな影響を与えることも期待でき、引き続き同社の動きには注視していくべきでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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