大阪城公園は敷地面積約106万平方メートル、その大部分が国の特別史跡に指定されています。
今では中国や韓国などアジア圏の多くの外国人観光客が訪れ、年間1,000万人を超える日本屈指の観光地となっています。
大阪城公園内にある大阪城天守閣は、昨年度255万人のお客様が訪れる人気スポットとなっており多くの外国人も来館されることから、多言語での対応が求められています。
大阪城パークマネジメント株式会社は、管理施設の一つである大阪城天守閣(以下、大阪城)における多言語対策として、USEN-NEXT GROUPの株式会社 USENが提供する外国語アナウンスアプリ「USENおもてなしキャスト アナウンスアプリ インフォ」(以下、おもてなしキャスト)を導入しています。
多言語対応でのお手伝いが必要な外国人のお客様への対策を進める大阪城の施設管理担当者へ、導入の経緯や導入後の感想についてインタビューしました。
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大阪城
日本三名城、日本100名城、日本の歴史公園100選など日本を代表する城郭「大阪城」は、1583年(天正11年)豊臣秀吉の手で築城され、多くの外国人が訪れる大阪を代表する人気スポットになっています。
昨年度は、年間255万人の入館者のうち外国人が約6割と、世界各地から沢山のお客様が来館されます。
導入前の課題
年間入館者数の増加に伴い、外国人のお客様に対する多言語対応スタッフによる拾得物のお呼び出しや、迷子のお呼び出しなどを丁寧に対処する時間的余裕も人員もなくなってきていました。
外国語放送(外国語アナウンス)アプリ導入の経緯
これまで大阪城天守閣では混雑緩和や熱中症に対する注意喚起、歩きスマホの注意喚起等、よく使用するものでフレーズが変わらないものについては、ICレコーダーに多言語の音源を録音し活用していました。
同時に色や形、大きさなどが異なる拾得物や、人の名前など個別の呼びかけが必要となるものについては、多言語対応スタッフに日本語で伝え、それを多言語にてアナウンスしてもらう方法をとっていました。そのため、伝達に時間がかかり、また多言語対応スタッフの手を煩わせてしまうという問題がありました。
また、ICレコーダーの音源では、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語すべてが流れるので、1回の放送がとても長くなるという難点がありました。
これらの問題を大きく改善してくれる機能が「おもてなしキャスト」には備わっていたことが導入の決め手になりました。
導入のポイント、使ってみて良かった点
利用の多くは忘れ物に関する放送です。他には迷子の案内や混雑に関する注意喚起が多いです。
平均すると1日あたり10回から多い時には20回近くおもてなしキャストを使ってアナウンスしています。
紛失物に記載された言語を元に、必要な言語(中国語で記載されていれば中国語)だけ放送することができるので、放送時間の短縮にもつながっています。
これまではお客様の対応から放送までを外国語スタッフが行っていましたが、アプリで再生できるため誰でも使えるようになり、作業効率の向上やお客様へのサービスレベルの向上につながっているとスタッフからも喜ばれています。
機能面では、過去の放送履歴から再生することができるのが大きいです。よく使っている項目が表示されるので、アプリ内でアナウンスを探す手間が省ける点が現場に即していると思います。
あとは豊富なアナウンステンプレートから、大阪城では放送する必要がないものはあらかじめ非表示にする機能もあり、誤操作が減るのでスタッフからは使い勝手が良いと聞いています。
今後追加したいフレーズ
忘れ物のフレーズにある「忘れ物」の項目に、衣料品や化粧品などだけでなく、コートやマフラーなど具体的なものが追加されるとさらに使いやすくなると思います。
あとは、迷子に関連して服装の情報を詳細に伝えられるように、ズボン、スカートなどの単語を含む具体的なアナウンスがあれば、よりお客様に伝わるのではないかと思います。
他には、一般的なお城や観光施設でも使われると思いますが、「改札」「本丸広場」「本丸」「天守閣」「櫓(やぐら)」などのフレーズがあるとさらに使いやすいものになると思います。
改善点
操作性は選んで放送するだけなので問題はないと思いますが、名前などの読み上げに関してはもう少しなめらかに発音されるといいと思うことがあります。
他には言語の選択肢に改善の余地を感じます。日本を観光するフランス語、スペイン語、ポルトガル語を母国語とする方も増えていると聞きます。英中韓以外の言語があると今後さらに使いやすくなるのではないかと思います。
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