大阪城公園は敷地面積約106万平方メートル、その大部分が国の特別史跡に指定されています。
今では中国や韓国などアジア圏の多くの外国人観光客が訪れ、年間1,000万人を超える日本屈指の観光地となっています。
大阪城公園内にある大阪城天守閣は、昨年度255万人のお客様が訪れる人気スポットとなっており多くの外国人も来館されることから、多言語での対応が求められています。
![▲[大阪城天守閣©大阪城天守閣]:大阪城パークマネジメント株式会社提供 ▲[大阪城天守閣©大阪城天守閣]:大阪城パークマネジメント株式会社提供](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5504/main_Usen_castle.png?auto=format)
大阪城パークマネジメント株式会社は、管理施設の一つである大阪城天守閣(以下、大阪城)における多言語対策として、USEN-NEXT GROUPの株式会社 USENが提供する外国語アナウンスアプリ「USENおもてなしキャスト アナウンスアプリ インフォ」(以下、おもてなしキャスト)を導入しています。
多言語対応でのお手伝いが必要な外国人のお客様への対策を進める大阪城の施設管理担当者へ、導入の経緯や導入後の感想についてインタビューしました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
大阪城
日本三名城、日本100名城、日本の歴史公園100選など日本を代表する城郭「大阪城」は、1583年(天正11年)豊臣秀吉の手で築城され、多くの外国人が訪れる大阪を代表する人気スポットになっています。
昨年度は、年間255万人の入館者のうち外国人が約6割と、世界各地から沢山のお客様が来館されます。
導入前の課題
年間入館者数の増加に伴い、外国人のお客様に対する多言語対応スタッフによる拾得物のお呼び出しや、迷子のお呼び出しなどを丁寧に対処する時間的余裕も人員もなくなってきていました。
外国語放送(外国語アナウンス)アプリ導入の経緯
これまで大阪城天守閣では混雑緩和や熱中症に対する注意喚起、歩きスマホの注意喚起等、よく使用するものでフレーズが変わらないものについては、ICレコーダーに多言語の音源を録音し活用していました。
同時に色や形、大きさなどが異なる拾得物や、人の名前など個別の呼びかけが必要となるものについては、多言語対応スタッフに日本語で伝え、それを多言語にてアナウンスしてもらう方法をとっていました。そのため、伝達に時間がかかり、また多言語対応スタッフの手を煩わせてしまうという問題がありました。
また、ICレコーダーの音源では、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語すべてが流れるので、1回の放送がとても長くなるという難点がありました。
これらの問題を大きく改善してくれる機能が「おもてなしキャスト」には備わっていたことが導入の決め手になりました。
![▲[大阪城パークマネジメント株式会社 上田様]:USEN SOUND Lab.編集部撮影 ▲[大阪城パークマネジメント株式会社 上田様]:USEN SOUND Lab.編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5503/main_Usen_uedasama.png?auto=format)
導入のポイント、使ってみて良かった点
利用の多くは忘れ物に関する放送です。他には迷子の案内や混雑に関する注意喚起が多いです。
平均すると1日あたり10回から多い時には20回近くおもてなしキャストを使ってアナウンスしています。
紛失物に記載された言語を元に、必要な言語(中国語で記載されていれば中国語)だけ放送することができるので、放送時間の短縮にもつながっています。
これまではお客様の対応から放送までを外国語スタッフが行っていましたが、アプリで再生できるため誰でも使えるようになり、作業効率の向上やお客様へのサービスレベルの向上につながっているとスタッフからも喜ばれています。
機能面では、過去の放送履歴から再生することができるのが大きいです。よく使っている項目が表示されるので、アプリ内でアナウンスを探す手間が省ける点が現場に即していると思います。
あとは豊富なアナウンステンプレートから、大阪城では放送する必要がないものはあらかじめ非表示にする機能もあり、誤操作が減るのでスタッフからは使い勝手が良いと聞いています。
今後追加したいフレーズ
忘れ物のフレーズにある「忘れ物」の項目に、衣料品や化粧品などだけでなく、コートやマフラーなど具体的なものが追加されるとさらに使いやすくなると思います。
あとは、迷子に関連して服装の情報を詳細に伝えられるように、ズボン、スカートなどの単語を含む具体的なアナウンスがあれば、よりお客様に伝わるのではないかと思います。
他には、一般的なお城や観光施設でも使われると思いますが、「改札」「本丸広場」「本丸」「天守閣」「櫓(やぐら)」などのフレーズがあるとさらに使いやすいものになると思います。
改善点
操作性は選んで放送するだけなので問題はないと思いますが、名前などの読み上げに関してはもう少しなめらかに発音されるといいと思うことがあります。
他には言語の選択肢に改善の余地を感じます。日本を観光するフランス語、スペイン語、ポルトガル語を母国語とする方も増えていると聞きます。英中韓以外の言語があると今後さらに使いやすくなるのではないかと思います。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!