吉野家HDが先日2020年2月期決算の発表をしました。
売上高、営業利益ともに前年同期比でプラスとなりました。純利益も前年同期の赤字から黒字となり、V字回復を果たすことができました。
このような見事なV字回復を果たした裏側には、新規顧客の獲得や、今までリーチできていなかった顧客層へ届くような商品展開を図ってきたことにあります。
また、吉野家HDは新型コロナウイルスの影響から外出自粛状態が続く今年の4月以降も「商機」と捉え、テイクアウトでの販売を強化する施策を展開しています。
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吉野家HD、2020年2月期決算にてV字回復を遂げる
牛丼チェーン吉野家を運営する吉野家HDが2020年2月期決算を発表しました。
売上高が2,162億円で前年売上高2,024億円から6.8%の増収、営業利益が39億円で前年営業利益1億円から39倍の大幅な増益となりました。前期純利益が60億円の赤字でしたが、今期は7億円の黒字とV字回復を果たしました。
V字回復となった要因
このような回復を成し遂げた理由としては、吉野家が近年課題としていた「客層の偏り」と「高齢化」に対しての施策が挙げられます。
その施策の1つに具の量が「大盛」の2倍である「超特盛」という新サイズの設定が挙げられます。この新しいサイズが食べ盛りの若者たちから支持を受け、新規顧客獲得へとつながりました。
こうしたサイズ展開を広げる施策以外にも、健康志向の高い客層や、リピーターにも新鮮に感じてもらえるための新メニュー開発を連続して行うことで、幅広い消費者層にも受け入れられるような動きをとっていました。
コロナも「商機」に変える意気込み
新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛を受け、吉野家は4月1日から22日までの期間限定ではあるものの、商品のテイクアウトを一律で15%オフというキャンペーンを行いました。
また、吉野家は2020年4月13日から4月19日までフードデリバリーサービス「Uber Eats」(ウーバーイーツ)や「出前館」の利用者を対象に送料を無料にするキャンペーンも行っていました。それぞれ対象店舗は限られていますが、こうした施策を投入することにより、店舗に入ることに抵抗のある女性や、今まで吉野野に行くことを選択肢に入れていなかった潜在顧客層の取り込みを今回のキャンペーンで狙う格好といえます。
他にも、吉野家は自宅での食事需要の増加に対応するため、3月27日から3月31日まで持ち帰りの牛丼を税抜き価格から74円引きで販売するといったキャンペーンも展開しています。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日常の食事をとる場所が変化しつつある今のタイミングで新たな顧客層を取り込み、吉野家の牛丼を「インフラ化」させていきたいという狙いがうかがえます。
苦境を強いられる飲食店。しかし「勝ち筋」はある
コロナウイルスの影響で打撃を受けている外食業界ですが、吉野家の3月既存店売上高前年比は98.2%を保っています。
吉野家は今だからこそ、女性客の獲得や今まで吉野家を選択肢にしてこなかった客層へのアピール、そしてテイクアウト強化のためのキャンペーンを行うことにより、新規顧客の獲得へつなげようとしています。
吉野家のようなテイクアウトを利用して新規顧客の獲得を狙うことは、外での食事が憚られる今だからこそできることであると考えられます。このように従来とは異なる手法を利用すれば、現在困難に直面する飲食店でも勝ち残る道は開けてくるでしょう。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
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初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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