緊急企画『ポストコロナのインバウンド戦略』では、コロナ禍において、業界の「中の人」に聞くサバイバル術として最前線に立つ方々に特別寄稿いただきます。今回はインバウンドにおける食の多様化を推進するフードダイバーシティ株式会社 共同創業者の横山真也氏に寄稿いただきました。
私たちの生活が変容しています。人を避け、会話を避け、あらゆる接触機会を避けています。列に並ぶ時、お釣りを受け取る時、エレベーターに乗る時。そばにいる人は感染していないだろうか。この距離であれば安全だろうかと警戒しています。大して潔癖症でない私ですら、今ではエスカレーターのベルトに触れたくありませんし、エアタオルも使いませんし、どこへ行っても備え付けのアルコール消毒液を探すようになりました。
自宅のドアノブやエアコンのスイッチに触れることまで気にする人も出てきています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、人々の先行きが見えない不安と他人への疑心暗鬼を増幅させています。
こうした状況の中で、インバウンド事業者はどんな変容を求められるのでしょうか。そして食に関わる我々事業者は何をすればよいのでしょうか。
消費者は外気や人との接触に敏感になっています。口にする食べものに至ってはさらに厳しい目が向けられています。日本語がわからない訪日客であればなおさらでしょう。
「これまでのようにはいかない」多くの事業者がそう感じていると思います。そこで本稿では、ポストコロナ時代を見据えた食の戦略を考察します。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)ポストコロナ時代はベジシフトが顕著に
世界の新型コロナウイルス感染症者数の3割を占める米国。その米国でトランプ政権へ対応策を指南しているのは国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長です。
感染症の権威である同氏は先日「世界中の生鮮食品市場は今すぐ閉鎖すべきだ」と語りました。新型コロナウイルスの発生原因はまだ特定されていませんが、豚インフルエンザ(H1N1)や鳥インフルエンザ(H5N1)といったウイルスは、過去いずれも食肉処理現場から発生したことから生鮮食品市場に警鐘を鳴らしたのです。
これに応じて気勢を上げているのは環境保護を求める人たちです。かねてより畜産業による環境汚染を非難してきた彼らは新型コロナウイルス発生の遠因は環境破壊だと主張しています。
今年だけでもオーストラリアの森林火災、ドバイの洪水、ロシアの異常な暖冬と、今までにはなかったような気候変動がありました。日本でも昨年は九州北部の豪雨、台風15号、その直後の19号と、自然災害が続きました。
ウイルス発生と自然災害がどう関係しているのかはまだ不明ですが、食と環境問題は切り離して語れない状況になっています。
![▲[世界人口と、カロリーベースの動植物性食品の比率]:筆者作成 ▲[世界人口と、カロリーベースの動植物性食品の比率]:筆者作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/6250/main_a047003988601b7dcbdd0c22a83a296f.png?auto=format)
チャートは人類が採用する食生活に応じた世界人口の最大値を示しています。例えば、動物由来カロリー100%で植物由来カロリー0%の食生活をした場合、世界は21億人まで養えます。
同じく動物由来82%で植物由来18%であれば41億人です。現在の世界人口は約70億人で、先進国は動物性食品を摂りすぎていることが確認できます。
ちなみに世界人口が106億人に達するのは2100年頃と予測(※国連広報センターによる)されています。この頃には実に94%が植物由来カロリーで動物由来はわずか6%と予測されています。
つまり、動物性由来食品を減らして植物性由来食品を増やさないと、世界人口を養えないということです。
このデータはつまり、プラントベースド(植物性由来)食品市場の拡大を示唆しています。その世界市場は2025年には4兆円を超え、2019年からの年平均成長率は13%超の急拡大が予測されています。
それを裏付けるように、英国のチーズメーカーであるモッツァレラ社の調査では同国の肉食者の45%が「今後肉食を減らすつもりだ」と回答しています。この傾向は日本のインバウンドにどう影響するのでしょうか。
日本でも求められるベジシフト
日本でベジタリアン(菜食主義者)食品というとサラダや野菜スティックを思い浮かべる方が多いと思います。確かに間違いではありませんが、世界のそれは大きく異なっています。
ハンバーガーのパティ、ソーセージ、ミートボール、ツナ、エビ、卵までプラントベースド食品が発売されており、それらを食材に使った料理も続出していて実にバラエティ豊かなものになっています。
したがって、多くの日本人が抱いている「ベジタリアンはサラダしか食べない」というイメージは大間違いで、商機を逃がしていると考えるべきです。現に英国の経済誌エコノミストが「2019年はヴィーガン(完全菜食主義者)の年になる」と事前に予測したのにはそうした背景があったからです。そしてそれは今考えると的中したといえるでしょう。
この続きから読める内容
- ポストコロナの時代は、昔ながらの日本の地方都市に商機あり
- 著者:横山真也
- 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
- 【インバウンド情報まとめ 2026年1月後編】インバウンドの市場規模を他産業と比較する / 2025年の訪日外客数、過去最高の4,268万人 ほか
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