【新型コロナ海外まとめ】韓国「K-防疫」モデル国際標準へ、17機関から資料提供要請相次ぐ:中国のワクチン開発頭角現す、イギリスでは渡航制限を強化

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日本では経済活動再開の動きが活発になる一方で、6月14日には東京都の新型コロナウィルスの感染者数について、5月5日以降の高水準となる47人が新たに確認されるなど、予断を許さない状況が続いています。

海外でも、感染の拡大が止められない状況下で、経済活動を再開せざるを得ず、防疫管理と経済のバランスにおいて難しいかじ取りを余儀なくされる地域が少なくありません。

この記事では、6月8日から6月12日ごろまでの世界各国の動きについてまとめてご紹介します。

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【アジア】韓国が防疫管理を強化、中国のワクチン開発が頭角現す

アジア圏の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

韓国:首都圏での集団感染相次ぎ、防疫管理を強化

6月12日、韓国の新型コロナウィルス感染者は前日から56人増え、合計1万2,003人となりました。宗教団体や卓球場などで集団感染が相次いでおり、首都圏を中心に感染が拡大しています。

韓国政府は6月12日、集団感染に対応するため、6月14日を期限としていた首都圏の防疫強化措置について、新規感染者数が1桁に減るまで、無期限で延期することを決定しました。これにより、ソウルの国立古宮博物館や王陵などの施設のほか、学習塾やインターネットカフェなど感染リスクの高い施設の営業自粛勧告や、首都圏住民の外出自粛要請などの措置が継続されます。

クラブやカラオケなど、感染リスクの高い施設に対しては、6月10日よりQRコードを利用した入店者名簿の作成が義務付けられ、防疫管理が一段と強化されています。

【経済】

6月8日に公開された雇用統計により、5月の失業手当支給額が前年同月比33.9%増加し、過去最高を記録したことが分かりました。新型コロナウィルス感染拡大により失業者が増加したためで、同手当の受給者数も前年同月比34.8%増加し、こちらも過去最多となりました。

新型コロナウィルスの影響による収入減で、韓国の自営業者や会社員の間で副業への注目が高まっています。韓国の就職情報サイトがアルバイトの求職経験がある人を対象に行った調査によれば、約半数がすでに副業しているか検討しており、特に自営業者は約半数がすでに副業していると回答しました。

6月12日の韓国株式市場は、新型コロナウィルス感染拡大の第2波が懸念され、前日から2%超急落しました。

6月10日、韓国観光公社は、新型コロナウィルスの感染拡大による、国内旅行への影響に関する国民へのアンケート調査結果を発表しました。平均6.0回だった国内旅行回数は、新型コロナウィルス感染が本格化して移行、平均1.8回に減少しました。

6月11日、韓国政府は「K-防疫」モデルを国際標準にするためのロードマップを発表しました。K-防疫とは、新型コロナウィルス対応において国際的な信頼を得た韓国式の防疫のことで、検査・診断(Test)、疫学・追跡(Trace)、隔離・治療(Treat)からなる「3T」を体系化し、段階ごとに18種類に及ぶ国際標準案を、国際標準化機構(ISO)などに提案する方針です。 6月10日には、韓国の産業現場での新型コロナウィルス対策について、フランスやドイツ、インドなど海外の17機関から資料提供の要請が相次いでいたことが分かり、注目の高さがうかがえます。

防疫を徹底しながら消費を促進する動きも広まっています。感染拡大によって冷え込んだ消費を刺激するため、大規模セールである「大韓民国同行セール」が6月26日から7月12日まで開催される予定です。流通大手だけでなく伝統市場や小規模事業者も参加し、オンライン・オフライン両面でイベントが実施され、最大87%オフのセールが行われます。

【航空便】

6月8日、在韓中国大使館の報道官は、韓国と中国を結ぶ国際線に関して、7月から増便される可能性について言及しました。2月から4か月間、韓国と中国を結ぶ国際線の搭乗客の中に、新型コロナウィルス感染者が確認されなかったとして、現状が維持されれば、韓国発中国行きの航空便が現行の週1便から2便に増便される可能性があるとしています。

【学校再開について】

韓国では6月9日時点で、全国の幼稚園・小中高校の約2.5%にあたる、520の幼稚園と小中高校が登園・登校を中止または延期しました。うち98%にあたる502校が、新型コロナウィルスの集団感染が発生した首都圏に集中しています。

韓国教育部は5月29日、首都圏各地での集団感染発生を受けて、6月14日まで首都圏の幼稚園・小中学校の登園・登校人数を全体の3分の1以下に減らし、高校は3分の2以下を維持すると決定していました。6月12日、教育部はこれを6月30日まで延長すると各園・校に通達したことを明らかにしました。

なお休校していたソウル日本人学校は、6月15日に入学式・入園式が行われ、6月16日から登校が開始されます。

中国:オーストラリアへの旅行自粛を呼びかけ、バイオ企業は国境を越えた提携も

6月7日、中国政府は、新型コロナウィルスの感染対策や情報公開をめぐる、これまでの対応をまとめた白書を発表しました。この中で、新型コロナウィルスと特定される前から、感染状況をWHOや各国に報告しており、隠ぺいはなかったと改めて強調しました。新型コロナウィルスへの対応をめぐってアメリカなどからの批判が強まる中、中国の対応に問題はなかったと国際社会にアピールする狙いがあるとみられます。

一方、アメリカのボストン大学とハーバード大学の研究によれば、2019年8月には新型コロナウィルスの流行が始まっていた可能性があることが分かりました。比較的新しい分野である「デジタル伝染病学」に基づき、中国の武漢市内の病院の訪問者数、新型コロナウィルスの症状に関する同市からのインターネット検索数の急増などから分析したものです。 研究チームは、新型コロナウィルスが中国南部で自然発生し、武漢市で集団感染が発生した際にはすでに広まっていたという仮説を裏付けるものだと指摘しています。

【オーストラリアへの旅行自粛を呼びかけ】

中国は、オーストラリアで中国人に対する差別が相次いでいるとして、中国人にオーストラリアへの旅行自粛を呼びかけています。中国の文化観光省が6月5日に、ホームページ上でオーストラリアに行かないよう通知を公表したほか、6月8日には中国外務省がオーストラリア政府に対し、「中国人の安全と権利を守るために適切な措置をとるように求める」と表明していました。

オーストラリア政府は新型コロナウィルスの発生源や感染経路などに関して、第三者による独立した調査を求めて中国の反発を受けており、中国人を差別しているとの非難については「根拠がない」と強く反発しています。ただしオーストラリアでは中国人を含む外国人の入国を原則禁止としているため、中国人が旅行を自粛しても、オーストラリア経済の影響は限定的とみられます。

【ワクチン開発の動き】

世界的に新型コロナウィルスのワクチン開発競争が激化していますが、中国のバイオ技術企業も注目を集め始めています。天津を本拠とする康希諾生物では、保有する3つのワクチン候補のうち、中国軍との提携で開発した1つが、4月に世界で初めて臨床試験のフェーズ2に移行しました。

5月にはカナダ国立研究機構が同社とワクチン開発で協力することを発表しました。中国と他国との関係が悪化する一方で、バイオ技術分野では国境を越えた提携が加速しています。

【ツイッター】

6月11日、ツイッター社は中国政府寄りのアカウント17万件を削除したことを発表しました。これらのアカウントでは、香港の抗議デモや新型コロナウィルスなどのテーマに関して、誤解を招くような投稿が行われており、中国政府に有利な主張を拡散していたとされています。これらの投稿が、世論誘導をめぐるツイッター社の規定に違反したため、削除されたということです。

香港:永久居民への1万香港ドル給付の申請受付を予定

6月8日、香港の陳財政長官は、18歳以上の永久居民が対象となる1万香港ドルの給付に関して、6月21日から申請を受付け、最速で7月8日に受け取ることが可能だと発表しました。

新型コロナウィルスにより経済的な影響を受けている永久居民を支援するためのもので、永久居民は香港生まれの人に加えて、7年以上連続して香港に住み、香港経済に貢献した外国人も取得する権利を持ちます。

申請方法はオンラインと書面の2種類で、申請期間は2021年12月31日までと余裕を持たせています。

一方で、香港では2019年6月から本格化した逃亡犯条例改正案に伴うデモによる観光客の減少に加え、新型コロナウィルスの影響によって観光業が壊滅的な状況となっています。

6月14日、佐敦(Jordan)にある老舗ホテル「新楽酒店(Shamrock Hotel)」が閉鎖することが明らかになりました。同ホテル内にあった広東料理の店は、ブルース・リーなどの多くの有名人が訪れていたことで知られていました。ホテルの跡地には、クリニックが集まるビルに建て替える計画が持ち上がっているとされています。

台湾:訪台外国人にPCR検査の陰性証明を要求する方針示す

6月8日、新型コロナウィルス対策を指揮する台湾の陳衛生相は、将来的に外国人の受け入れを再開する際、訪台する外国人に対しPCR検査の陰性証明を要求する方針を発表しました。必要に応じて訪台外国人に対し、定期的なウイルス検査や、公共の場への出入り禁止、朝晩の検温といった自主的な健康管理を求める考えも示しています。

台湾は3月19日から外国人の入境を原則的に禁止していますが、6月7日から、感染拡大防止対策の各種規制を大幅に緩和しています。

陳衛生相は、マスク着用による感染リスク低下の研究データを紹介し、国境を開放するまでにマスク着用が生活習慣化していれば、大規模な市中感染は防げるとの見方を示しました。一方で国内でマスク着用不要とした場合は、ワクチンができるまでは鎖国状態を続ける必要があるとしました。

インド:ロックダウン緩和後、感染者が急増

インドでは約3ヵ月に及ぶ厳しいロックダウンが6月から緩和されると同時に、感染者が急増しています。

6月8日にショッピングモールや礼拝所、オフィスが再開されましたが、それに先立って、店舗や市場、公共交通機関も全て再開されていました。

6月10日、インドのムンバイでは、新型コロナウィルスの感染者数が5万1,000人に達し、中国の武漢市を上回りました。インドでは6月11日時点で、感染者数が27万6千人を超えていますが、うち約9万人が、州都ムンバイの西部マハーラーシュトラ州で確認されています。

インドの首都デリーでも感染者が急増しており、当局の予測によれば、7月末までにさらに50万人以上が感染するとされています。

インドネシア:6月中に経済活動を段階的に再開、学校再開は見送り

6月4日、ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事は、6月5日から6月末まで、大規模社会制限の移行期間フェーズ1に移行すると発表しました。

期間中に段階的に経済活動の再開を進めるもので、6月8日からオフィス、工場、倉庫は従業員数の半数を上限に出社可能に、レストランは最大収容人数の半数を上限に店内飲食が可能となりました。

ショッピングモールについても6月15日から制限付きで再開可能となった一方で、学校はフェーズ2に当たるとして6月中の再開は見送られました。なおフェーズ1は6月末をめどして、感染拡大状況に応じて延長するとされています。

ベトナム:韓国企業の社員とその家族の入国を例外的に許可

6月9日、ハノイ韓人商工人連合会は、ベトナム政府が韓国企業の社員とその家族863人の入国を例外的に認めたことを伝えました。

ベトナム政府は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、外国人の入国を規制しています。

ベトナム政府は3月からサムスンやLGなど韓国の大企業から、中小・中堅企業の社員、現地の学校に在籍する韓国人留学生など約3,500人の入国を例外的に許可してきましたが、今回初めて外国企業の社員の家族に対して例外的な入国を認めた形です。

6月9日に早急な入国が求められていた社員193人が入国したのに続き、6月12日には180社の社員とその家族301人が、チャーター機でベトナム北部のクアンニン省に到着しました。

例外入国を認められた人は事前に新型コロナウィルス検査陰性の確認書類を提出しており、クアンニン省のホテルで2週間の隔離期間を経た後、それぞれの事業所や居住地に移動する予定です。

【北・南米】米株式市場急落、ブラジルは感染拡大も商業施設再開

北米から南米の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

アメリカ:感染第2波の懸念高まり、株式市場急落

【ニュージャージー州】

6月9日、ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事は、屋外の集会は100人まで、屋内での集会は建物の収容人数の25%か50人のより少ない方の人数まで許可する、と発表しました。

またニュージャージー州では、アミューズメントパーク、ウォーターパーク、アーケードを除く、すべての屋外のレクリエーション、エンターテイメント事業は、6月22日から再開が許可されます。

さらに知事は、「非プロテスト」、「非宗教的」な活動に関しては、6月22日には250人、7月3日には500人まで上限を引き上げる予定だと述べました。

【ニューヨーク市】

6月8日、新型コロナウィルスの感染拡大が深刻なニューヨーク市では、デブラシオ市長がニューヨークケア(NYC Care)プログラムを4か月前倒しでマンハッタンとクイーンズにも拡大すると発表しました。

このプログラムは、健康保険に加入できない人たちにも低コストな医療を提供しようとするもので、ブロンクス、ブルックリン、スタテン島ではすでに実施されています。

【株式市場】

6月11日のニューヨーク株式市場は急落し、ダウ平均株価は、過去4番目に大きい値下がり幅となる1,861ドルの下落を記録しました。

直近の株価上昇の反動に加え、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が前日の6月10日の会見で、景気の先行きに懸念を示したことがきっかけで、新型コロナウィルスの感染再拡大と景気悪化の懸念が強まったとみられます。

アメリカでは感染のピークは過ぎたとして経済活動が再開されている一方で、新型コロナウィルスの感染者数は増加傾向にあるため、感染の第2波によるアメリカ経済への長期的な影響を懸念する見方が強まっています。

ブラジル:サンパウロの死者数が最多を記録するも、商業施設は再開

6月9日、ブラジルの最大都市サンパウロでは、新型コロナウィルスによる死者数が、一日当たりでこれまでで最多となる334人を記録し、死者数の合計が9,522人に達したと発表されました。

6月10日には小売店、6月11日にはショッピングモールの営業が再開され、多くの市民が詰めかけるなど、経済活動の再開が進められる一方で、感染者の拡大は深刻な状況が続いています。

【オセアニア】ニュージーランドで全面解除

オセアニアの新型コロナウイルスに関する動向について紹介します。

ニュージーランド:国内規制は全面解除も、非居住者の入国は禁止

6月9日、ニュージーランドのアーダーン首相は、同日から新型コロナウィルス対策規制を全面的に解除すると発表しました。

同国では過去17日間にわたって、新規の感染者が確認されていませんでした。警戒水準は「レベル1」に引き下げられ、学校や職場は再開が可能となり、集会や国内移動に対する規制も撤廃されます。

ただし非居住者の入国禁止や、ソーシャルディスタンスの奨励は引き続き継続され、居住者が海外から帰国した場合は、2週間の隔離が義務付けられます。

【ヨーロッパ】イギリス、海外からの渡航者に自主隔離要請

ヨーロッパの新型コロナウイルスに関する動向について紹介します。

イギリス:海外からの渡航者に自主隔離を要請

イギリスでは生活必需品以外を扱う商店や屋外動物園、サファリパーク、ドライブインシアターは、6月15日から営業を再開できる予定です。一方、レストラン、パブ、バー、美容室、理容室、ネイルサロンなどは引き続き休業となり、これらの業種については、政府は早くとも7月4日以降の再開を目指しているとされています。

また、6月11日、ボリス・ジョンソン首相は、イングランドの単身者及び18歳未満の子供がいる一人親を対象に、別の1世帯の家での滞在を認めると発表しました。

自宅と別の1世帯で形成する空間は「サポートバブル(支援の安全圏)」と呼ばれ、6月13日以降はサポートバブル内での宿泊も可能とされています。

【渡航者への自主隔離要請】

一方、海外からの渡航者については厳しい対応が続いています。6月8日、全ての渡航者に14日間の自主隔離を要請する政策が施行されました。違反した場合には最大1,000ポンド(約14万円)の罰金が科せられるなど、入国を拒否される場合があります。

アイルランド、チャンネル諸島、マン島からの渡航者を除くすべての渡航者は、外国から帰国したイギリス国民も含めて、イギリス到着時に自粛隔離する場所の申告が求められます。住所の申告ができない場合は、政府が隔離先を用意するものの、宿泊費は渡航者負担となります。

隔離期間を設けることで渡航者が減ることを懸念し、旅行業界はこれに強く反発しています。

【輸入品検査緩和】

6月11日、イギリス政府は2021年から導入する、EU加盟国からの輸入品検査の基準を緩和する方針を発表しました。新型コロナウィルスの影響により、産業界の圧力を受けて全品検査を断念したということです。

イギリスでは2021年1月からEUからの輸入品検査を実施する方針であるも、イギリス官僚も新型コロナウィルスの産業への影響の大きさを考慮し、企業が変化に対応するためには、より実務的な柔軟なアプローチが必要との見方を示しているとされています。

GDP

6月12日、イギリスの国家統計局は、4月の国内総生産(GDP)成長率が、前月比20.4%のマイナスになったと発表しました。イギリス史上最大とされる大幅な落ち込みは、3月末から行われたロックダウンの影響を大きく受けたものですが、5月から規制が徐々に解除されているため、4月が落ち込みの底になるとの見方も出ています。

スペイン:緊急事態宣言解除後もマスク着用は義務、違反すると罰金も

スペインでは6月21日に緊急事態宣言が解除される予定ですが、解除後も引き続きマスクの着用が義務付けられます。

6月9日にスペイン内閣が承認した、緊急事態宣言直後に実施される健康安全対策令では、新型コロナウィルスを「緊急で強制的な法定伝染病」と宣言し、感染拡大を防止するため、予防や封じ込めのための必要性を強調しています。

スペインの17の地域は、緊急事態に備えて、マドリッドに引き続き健康に関する情報を報告し続ける必要があります。また、新型コロナウィルスの感染の疑いがある人全員に対して、PCR検査が実施されなければなりません。スペインでは症状が出てから診断までに要する期間が、平均して2日と大幅に短縮されたとしています。

パブリックスペースでは引き続きマスクの着用が義務付けられ、違反した場合には最高で100ユーロの罰金が科される可能性があります。これについてスペイン首相は6月7日、6歳以上の国民すべてに適用されると述べました。

イタリア:対応の遅れをめぐる集団告訴を受け、検察が首相を事情聴取

6月12日、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は、政府の新型コロナウィルスの感染対応に不備があったとして、イタリアの検察から事情聴取を受けました。

政府の対応の遅れが甚大な被害につながったとして、新型コロナウィルスにより死亡した患者の遺族50人が、6月10日に告訴状を提出していたことを受けたものです。

遺族らは、イタリア北部ロンバルディア州の2つの町、アルツァーノとネンブロについて、感染のアウトブレイクが確認された直後にレッドゾーンに指定して封鎖すべきだったにもかかわらず、政府の対応が遅れたことが被害拡大につながったと主張しています。

イタリア国内での、新型コロナウィルスをめぐっての集団告訴はこれが初めてです。一方コンテ首相は、事情聴取前に「全く心配していない」とコメントしています。

ギリシャ:イタリアからも旅行者の受け入れを開始

6月9日、ギリシャのニコス・デンディアス外相は、6月15日からイタリア人旅行者を徐々に受け入れると発表しました。この段階的な緩和は6月末までに完了させるとして、多くのイタリア人が休暇で訪れることを望んでいると話しました。

ギリシャが当初決めていた、6月15日から受け入れを再開する29か国にはイタリアは含まれておらず、新たにイタリアからの受け入れについても決定した形です。

許可された国からの旅行客は、到着時にランダムでコロナウィルスの検査が実施される可能性があります。旅行者の出発空港が欧州航空安全機関(EASA)の定めるリストに載っている場合は、強制的な検査と検疫を受ける必要があります。

ギリシャ外務省のウェブサイトによれば、イタリアのいくつかの空港はEASAのリストに掲載されています。

ハンガリー:韓国と協力策を電話協議

6月8日、ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相は、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と電話会談を行い、新型コロナウィルス対応のための協力策について協議しました。

シーヤールトー外務貿易省は、昨年韓国がハンガリーへの最大の投資国になったとして、両国関係における韓国の投資の重要性を強調しました。一方、康長官は、新型コロナウィルス対応をめぐってハンガリー政府が韓国国民の帰国を支援し、企業関係者のハンガリーへの入国を例外的に全面許可したことに謝意を示しました。

【中東】イラクでロックダウン延長

中東の新型コロナウイルスに関する動向について紹介します。

イラク:感染者増加に歯止めかからず、ロックダウン延長

6月6日、イラクのカディミ首相は、現在のロックダウンを6月13日まで延長し、その翌日からは午後9時から午前5時までの夜間のみの外出禁止とすることを発表しました。

イラクでは2020年4月上旬のラマダン月に合わせ外出規制が緩和されたものの、新型コロナウィルスの感染者が増加し、ラマダン明けの5月下旬から改めて24時間外出禁止となっていました。

イラクでは5月にカディミ新政権が発足しましたが、外出可能期間に各地で政権への抗議活動が起きていたことも、流行再拡大の一因になったとみられています。

1日当たりの新規感染者数は1,000人を超えており、厳しい状況が続いています。また規制緩和はデモ再燃につながる恐れもあり、カディミ首相は難しい対応を迫られています。

【その他】欧州のロックダウンを評価

その他の新型コロナウイルスに関する動向について紹介します。

欧州ロックダウンを評価

6月8日、学術誌「ネイチャー」で、新型コロナウィルスをめぐって欧州で実施されたロックダウンにより、300万人以上の人命が救われたとする研究結果が発表されました。

イギリスのインペリアル・コレッジ・ロンドンの研究チームは、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスの欧州11か国における、5月初旬までの移動制限による影響を評価し、対策がなかった場合、5月4日までに320万人が死亡していたと推計しました。

別の研究でも、世界的なロックダウンが 「かつてないほど短期間でより多くの人命を救った」と評価されています。

世界銀行が職員の緊急医療先に韓国を指定

6月9日、韓国の企画財政部は、世界銀行が東アジア・大洋州地域に勤務する職員の診療が現地で困難な場合に、緊急治療を任せる国として、新たに韓国を指定したと明らかにしました。

韓国の医療水準やアクセス、安全などの社会インフラを総合的に考慮して判断されたもので、東アジア・大洋州地域に勤務する世界銀行職員とその家族、出張者は、緊急医療が必要となった場合、韓国で治療を受けることができるようになります。

<参考>

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日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60343260U0A610C2CZ8000/

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今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】

【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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