京都市観光協会(DMO KYOTO)は、新型コロナウイルス感染症の影響によって変化が続いていることを受け、新たな京都観光需要の回復に向けた事業展開のロードマップを改定しました。
今回発表された新たなロードマップでは、昨年取り組み項目の1つとして掲げていた「リピーター開発に関する研究」の一環として、持続可能な観光の実現につながる京都ならではの体験を5つの領域に分類しています。
また、「京都観光振興計画2025」との対応の整理や、新型コロナワクチンの普及状況に応じた事業展開を可能にすることで、行政・事業者・住民が協調した観光を推進するための方針として掲げていくということです。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)観光回復と持続可能な観光の開発を見据えたロードマップを改訂
京都市観光協会は2020年のロードマップ発表時に取り上げられていた内容を概観し、最新のロードマップへの変更点を示しています。
2020年版を踏襲しつつ、新たなターゲットも
2020年版のロードマップ作成にあたっては、延べ泊数を基準とした進捗管理が行われていました。同協会が毎月発表している「京都市観光協会データ月報」の調査対象宿泊施設における月間延宿泊数を基準に、観光回復までを5段階に分けて進捗を見ていました。
また、4つの「D」に基づいた事業展開として、コロナ対策のための社会的距離の適正化、デジタル技術活用、需要の分散化、国内外への京都についての情報伝達などを標榜していました。これは、今回の改訂版でも踏襲していくということです。
そして、持続可能な観光のための新たなターゲットも設定しています。
新たなターゲットとは、「無形の文化資源にまで価値を見出し、新しい体験に投資し、成長を楽しむことを重視する、国内外の旅行者」を指し、この中からさらに5つのジャンルに細分化しています。コロナ禍以前に発生した諸問題の再発を回避できるようにターゲット設定が行われているということです。

引用元:京都市観光協会プレスリリース
持続可能な観光実現へ、京都ならではの体験を5つの領域に分類
ロードマップの改訂にあたっては、取り組み項目の1つとして掲げていた「リピーター開発に関する研究」の一環として、持続可能な観光の実現につながる京都ならではの体験を5つの領域に分類しています。
分類するに当たり、観光事業者に加え、市民、学生、メディアなどから募集したアイデアを分析したということです。
領域は以下の5つに分けられました。
- 誰もが学びを得られる旅
- 心の豊かさを育む旅
- 次世代に対応した旅
- 京都の日常に触れる旅
- 文化財を五感で楽しむ旅
協会は、これらを新たな誘客ターゲットと組み合わせ、今後の新しい京都観光につながる体験コンテンツの開発方針として掲げていきます。そして、観光事業者がこれに対応していくための支援に重点を置いた事業を展開するという姿勢です。
改訂版ロードマップ発表、国内外それぞれに合わせたフェーズ設定
前述の体験コンテンツの開発方針を踏まえ、京都市観光協会はロードマップを改訂しました。
2020年は、観光回復へのフェーズを日本人と外国人共通のもので設けていましたが、改訂版ではフェーズを日本人市場と外国人市場に分けています。
各市場のフェーズ切り替わりの基準は昨年のロードマップを踏襲し、観光産業を維持していく上で必要な需要量(コロナ禍以前の水準である日本人延べ泊数25万泊/月、外国人延べ泊数20万泊/月)ということです。


なお、このロードマップは、令和3年7月時点の情勢を踏まえて作成されています。京都市観光協会は、今後の情勢変化や、京都市における観光振興計画の進捗状況に応じて見直す可能性もあるとしています。
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<参照>
京都市観光協会:新しい京都観光のアイデア募集を踏まえた事業展開(ロードマップ)の改訂について
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