9月5日、パラリンピックの閉会式が終了しました。コロナ禍が収まっているとはいいがたい状況のなか、数々の工夫が行われた上で東京オリンピック・パラリンピックは全てのプログラムを終えました。
一方日本国内は、コロナ禍によって1年以上移動制限を余儀なくされ、観光業界の回復の見通しはいまだ不透明なままです。
そうした中でもワクチン接種を起点とした制限緩和の模索をはじめ、反転攻勢への準備は一歩一歩進められていることも事実です。国内の観光関連事業者は、まず国内観光の復興からその機会を窺っているのではないでしょうか。
訪日ラボでは各社の国内観光及び、その先にあるインバウンド事業に対する意識を探るため、読者・メールマガジンユーザーの皆様を対象に意識調査を実施しました。
<調査結果>
- 調査対象:訪日ラボWebサイト読者・訪日ラボメールマガジンユーザー
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2021年8月10日〜2021年8月18日
- 回答者数:123名
- 設問数:18問(回答内容によって異なります)
※なお、本調査結果の「都市部」と「地方」を分けた回答について、「都市部」は総務省の「大都市部」の定義に基づき、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の6都府県としています。また、企業の所在地を「その他・海外」とした回答は含みません。
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GoTo再開希望80%越え。観光事業者の悲痛の声明らかに
「政府の経済復興支援策であるGoToトラベルやGoToイートなどの各種施策(以下、GoTo)について、いつかは再開を希望しますか?」の質問に対して、「希望する」「どちらかというと希望する」を合わせると80.5%という結果になりました。
上記の結果について回答者の属性を「都市部」と「地方」に分けたところ、地方の回答は「希望する」が51.9%に対して都市部の回答は65.7%であり、都市部の事業者の方がGoTo トラベル事業をはじめとする施策の再開を積極的に望んでいることがわかります。
その一方で、以下のように慎重な意見があることも事実です。
地方の観光産業は悲惨な状況です。早急な対応が必要です。GoToはとりあえずシステムがありますので、まずはこれを稼働させ、煩雑な請求事務等は適宜改善していけばいいと思います。
ただ、再開の時期は集団免疫を獲得し、コロナが完全に収束した時期にしていただきたい。中途半端なことをすると、絶対、第6波に襲われ、今以上に悲惨な状況になります。
GoToの再開を希望している方の意見では、
旅行に行っていいものかどうか思案してる人の後押しをしてほしいから。
再び感染が拡がり、すでに観光を再開させている他国から、さらに後れをとると考えるため。
生活が苦しい状況下で、少しでも経済活性化につながるのであれば良い。
という意見が見られ、なんとかこの苦しい状況に活路を見出したいという事業者の思いがうかがえます。
希望者のうち7割が“年内“に観光復興施策を希望
「GoTo」の再開を希望する回答者を対象に「GoToが再開する場合、再開時期はいつごろが望ましいですか?」と質問したところ、「いますぐにでも」〜「冬シーズン・年末年始(2021年12月〜1月ごろから)」を希望すると回答した人は70.8%に上りました。
GoTo再開を見据え、実際の準備状況は?
今後GoToが再開した場合にそなえて、準備はできていますか?」という設問に対しては、「準備できていない」と回答した方が66.1%を占めました。
観光需要を活性化させるためになんらかの起爆剤を必要としているものの、それに向けた十分な体制を整えられていない事業者も多くいることがわかります。
「準備している」と回答した方は、「GoTo対応フローの整備・マニュアル化・対応組織の拡充」「情報整理・情報発信」「非対面・非接種」などの準備を進めているということです。
また、「準備していない(できていない)」と回答した方について、その理由は「時期がわからないから」「何をしていいかわからない」「いつ始まるかわからないことと、制度が複雑であり、また今後運用の仕方が変わる可能性が大いに考えられるから。」という意見が寄せられています。
前回のGoTo、見えた課題は「口コミ対策」「リアルタイムの情報更新」
「前回のGoToで直面した課題はなんでしょうか?」という問いに対しては、「GoTo期間延長・中止に伴う情報修正間に合わず」が29.6%、「口コミ管理に手が回らず」が23.2%回答していることがわかりました。
制度の急な変更や感染状況の変化による唐突な期間の延長や中止にともない、事業者の現場は対応に追われていたことがわかります。
地図アプリ上で表示されている営業時間が間違っていた場合、現地のお店に向かったユーザーは落胆してしまうことでしょう。
また、GoToの期間終了や中止の情報が反映されていなかった場合、それを目当てに予約先を調べていたユーザーは混乱し、トラブルの原因にもなります。
そして言わずもがな、ユーザーから寄せられた口コミは貴重な経営改善へのヒントであり、きちんと集約して分析することで効果的なPDCAが回せます。
弊社では地図アプリや口コミサイトをまとめて管理できるDXサービス「口コミコム」を展開しており、既に10,000店舗以上に利用されています。
地図アプリや口コミサイトの管理コストに課題を感じている方、口コミを効率よく経営改善に活かしたいとお考えの方は、以下の記事もおすすめです。
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政府に求める3大要求は「消費喚起策」「支援金」「移動制限解除」
「今後のあなたのビジネスや地域の状況を考慮した場合、政府にはどのような支援を求めますか?(複数回答可)」という問いについての結果を紹介します。
回答は割合が多い順に「GoTo含む、消費者への消費意欲喚起策」43.7%、「観光事業者への一時支援金」40.3%、「緊急事態宣言などの解除(特に移動や営業時間制限の解除)」38.7%という結果になりました。
こうした積極的な観光業界復興への施策を求める声が大きい中、
「ワクチンを接種したかどうか」ではなく、「誰もがもう旅行に行っても良い」と言う世論をどう形成するかだと思う。事業者が非難を受けるような時期にキャンペーンを実施するべきではない。
上記のように、現在の世論が旅行に行くことがはばかられるムードであることを踏まえ、旅行者に歓迎される形で観光再開をスタートさせたいという意見も寄せられていました。
社内のインバウンド推進ムード、昨年9月の調査より上昇
国内観光復興における意識についての問いが続きましたが、その先にあるインバウンド推進への機運はどう変化しているでしょうか。
「社内全体的に、インバウンド推進ムードですか?それとも消極的なムードですか?」という問いに対しては、前回2020年9月調査時の回答と比較して、「非常に積極的なムード」が32.5%→38.0%、「まあまあ積極的なムード」が40.0%→44.6%という結果になり、前回からインバウンド推進ムードが上がっていることがわかりました。
これは、前回の調査時点と比較して現在はワクチン開発や接種が進行しており、海外ではすでに観光を本格的にスタートしているところも続々と生まれています。
そうした状況を受け、日本のゲートが開く時が少しずつ近づいていることへの期待の表れが反映されているとも考えられます。
インバウンド復活求める声は変わらず高水準
「あなたのビジネスや地域の状況を考慮した場合、外国人観光客(インバウンド)の客足は戻ってきて欲しいですか?」という問いに対しては、「戻ってきてほしい」が81.0%という結果になりました。これは2020年9月の調査時点の結果84.3%とほぼ同じ水準です。
インバウンド推進ムードと同様、事業者はコロナ禍収束にむけてインバウンド需要回復に期待していることがわかります。
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