世界全体でコロナ禍は、徐々にではあるものの回復基調にあります。
世界保健機関(WHO)は、世界人口の3分の2あまりが高水準の新型コロナウイルス中和抗体を保有しているとの見方を示しています。
また新型コロナウイルスの感染者数は世界中で減少傾向が見られています。その理由として専門家は、先進国を中心としたワクチン接種の進展や、地域によっては多数の人が感染し免疫を持つ人が多くなっていることなどを挙げています。
この記事では、5月1日から5月31日ごろまでの世界各国の動きについてまとめてご紹介します。
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- 【東アジア】日本、外国人観光客の受け入れ再開へ
- 日本 外国人観光客の受け入れ再開へ
- 韓国 仁川空港の国際線正常化へ
- 北朝鮮 国内のコロナ感染を初めて公式に確認
- 中国 上海市ロックダウン解除、団体旅行の規制も緩和
- 台湾 入国制限緩和も、外国人観光客の受け入れ再開は検討せず
- 香港 ワクチンパス第3段階実施、3回目未接種者は行動制限
- モンゴル 中国との航空便、北京・上海除き再開
- 【東南アジア】ASEAN加盟国間のワクチン接種証明書相互承認が合意
- シンガポール 出国時審査を生体認証でパスポート不要に
- ベトナム 入国制限緩和で海外からの訪問者増
- タイ 非常事態宣言延長も、ナイトクラブの規制は解除
- インドネシア 感染者減少で屋外でのマスク着用義務撤廃
- マレーシア マレーシア航空、コロナ禍前水準まで増便
- フィリピン 接種済み外国人、入国前の陰性証明不要に
- ラオス 入国規制を大幅に緩和
- 【南アジア】インドやカンボジアで入国規制緩和
- 【北・南米】米で感染が再拡大、カナダは国境措置延長
- アメリカ コロナワクチンの5歳未満接種開始へ
- カナダ 少なくとも6月30日まで国境措置を延長
- ペルー 新型コロナウイルス緊急事態宣言を29回目の延長
- メキシコ 「コロナはエンデミックへ移行」警戒信号発表せず
- チリ 特別移動許可証利用にワクチン4回目接種を義務付け
- ブラジル コロナ緊急事態宣言解除
- パラグアイ 衛生緊急事態宣言解除
- コロンビア ワクチン未接種でも陰性証明で入国可能に
- 【オセアニア】ニュージーランド、8月から国境全面再開
- 【ヨーロッパ】各国で入国規制やマスク着用義務などの緩和進む
- フランス 公共交通機関でのマスク着用義務解除
- ドイツ 6月から入国規制緩和
- オランダ 日本からの入国はワクチン接種証明と申告書のみ
- イタリア 日本からの入国手続き緩和、グリーンパス提示義務も原則撤廃
- EU 空港や機内でのマスク着用義務撤廃
- スペイン 入国条件を緩和、陰性証明書のみでも入国可能に
- スイス 期限切れモデルナワクチン62万回分超を廃棄
- ベルギー 入国管理やマスク着用義務を緩和
- ポーランド 入国手続きはコロナ禍以前の状態に
- ハンガリー 入国手続きに新型コロナ関連の書類提示は不要
- 【東欧】ロシア、新型コロナウイルスワクチン2種を製造中止
- 【中東】感染者減少、入国規制は相次ぎ撤廃
- 【アフリカ】各国で規制緩和進むも、南アでは感染再拡大
- 南アフリカ共和国 再び感染者数が急増
- ナイジェリア 感染者数減少、入国規制は大幅に緩和
- コートジボワール 感染者減少、マスク着用義務撤廃など規制緩和
- モロッコ 入国規制緩和、ワクチンパス提示でPCR証明不要に
- ガーナ 入国にはワクチン接種証明などが必要
- 【WHO】感染症の常設委員会を新設
目次
【東アジア】日本、外国人観光客の受け入れ再開へ
東アジアでは、日本が外国人観光客の受け入れ再開を進めており、韓国でも仁川空港の国際線が正常化するなど、国際的な往来が活発化しています。
日本 外国人観光客の受け入れ再開へ
斉藤国土交通大臣は5月17日、訪日観光再開に向けて、感染状況が比較的落ち着いているアメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールの4か国を対象に、5月中に試験的な少人数の訪日ツアーを実施する考えを表明しました。
また日本政府は5月20日の会見で、水際対策について6月1日から入国者の上限を2万人に拡大し、検疫体制を緩和することを発表しました。
さらに5月26日には岸田首相が、6月10日から外国人観光客の受け入れを再開する方針を表明しました。
いっぽうJETROの調査によれば、4月の日本の対中国貿易は、封鎖措置の影響も受けて、輸出、輸入とも2ケタ減となりました。
韓国 仁川空港の国際線正常化へ
韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)首相は6月3日、韓国入国時に適用している新型コロナワクチン未接種者の7日間の隔離義務について、6月8日から解除すると発表しました。
さらに同日から、仁川国際空港の航空規制も全て解除され、国際線の運航が正常化します。
また韓国法務部は5月19日、2020年4月13日以降暫定的に中断していた、外国人観光客などが対象の短期訪問(C-3)ビザの発給について、6月1日から再開すると発表しています。
在日韓国大使館は、5月24日に日本人に対する一般観光ビザ(C-3-9)の受付について、5月29日には日本人に対する観光就業(ワーキングホリデー)ビザ(H-1)の受付について、それぞれ6月1日から再開すると発表しました。
なお韓国大統領府は5月13日、前日に国内のコロナ流行を初めて確認したことを受けて、北朝鮮に新型コロナウイルスワクチンや医療品を支援する方針を発表し、16日には二国間の実務者協議を提案したことを明らかにしました。
北朝鮮 国内のコロナ感染を初めて公式に確認
北朝鮮は5月12日、国内で新型コロナウイルス感染を初めて公式に確認したことを発表しました。
平壌でオミクロン変異株の感染が確認されたとしており、専門家はコロナ禍と干ばつで同国の食料不足が一段と深刻化すると懸念しています。
金正恩朝鮮労働党総書記は「建国以来の大動乱」だとして、感染拡大防止に総力を挙げて取り組むよう呼びかけています。
なお共同通信は、5月29日に平壌の移動制限が緩和されたと報じており、北朝鮮メディアは感染状況が安定したとしています。
中国 上海市ロックダウン解除、団体旅行の規制も緩和
中国の上海市では6月1日、2か月におよんだロックダウンが解除され、2,500万人の市民のほとんどが自由な外出ができるようになりました。
また同国の文化観光省は5月31日、新型コロナウイルス感染者が確認された地域における団体旅行に関する規制を緩和しました。
金融財政当局も5月26日に、航空会社への補助金支給や中小企業向けの融資促進などの支援措置を打ち出しています。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は5月20日、コロナ禍で打撃を受けた企業の株式と債券の発行手続きを簡素化すると発表しました。
なお四川省成都市で6月27日に開幕予定だった第31回世界ユニバーシアード夏季大会は、国際大学スポーツ連盟(FISU)が5月6日に、2023年に開催を延期すると発表しています。
台湾 入国制限緩和も、外国人観光客の受け入れ再開は検討せず
中央感染症指揮センターは5月31日、一部地域から到着した旅客を対象として実施していた、空港での新型コロナウイルスの迅速PCR検査を6月1日から一時停止すると発表しました。
入国時に唾液の検体採取を済ませれば、検査結果を待たずに空港を離れることができるようになります。
いっぽう同センターの荘人祥報道官は6月3日、外国人観光客の受け入れ再開は現時点では検討していないと明らかにしました。
なお指揮センターは6月中にも、入国後の検疫日数の短縮など、水際対策の緩和を発表する方針です。
香港 ワクチンパス第3段階実施、3回目未接種者は行動制限
香港では5月31日から「ワクチンパス」の第3段階が始まり、原則3回接種を終えていない場合は指定施設の利用ができなくなります。
さらに香港政府は5月29日、香港入境者に対する検疫関連措置を変更すると発表し、到着後5日目と12日目に義務付けられていたPCR検査は、新たに9日目の検査実施が追加されました。
いっぽう入境前48時間以内のPCR検査陰性証明書の発行機関証明書類は提示不要となり、3歳以下と香港国際空港トランジット利用者の入境前PCR検査も不要となりました。
モンゴル 中国との航空便、北京・上海除き再開
モンゴル政府は5月25日、北京と上海を除く中国との定期航空便について、6月1日から段階的に再開することを閣議決定しました。
同国では中国との航空便が2020年2月14日から停止されており、約2年4か月ぶりの再開となっています。
【東南アジア】ASEAN加盟国間のワクチン接種証明書相互承認が合意
東南アジアでは、5月14日にASEAN保健相会合がインドネシア・バリ島で開催されました。
ASEAN加盟国間における新型コロナウイルスワクチンの接種証明書の相互承認が合意され、ASEAN域内の人の往来の円滑化が進むことが期待されています。
シンガポール 出国時審査を生体認証でパスポート不要に
シンガポールのテオ上級相兼国家安全保障調整相は5月17日、外国人を含むすべての旅行者について、2022年後半にもチャンギ国際空港での同国からの出国時の審査を生体認証(バイオメトリクス)のみで行う計画を明らかにしました。
パスポートや搭乗券の提示が不要になることで、手続きが容易となり、ポストパンデミック期において安全かつ健康に配慮した渡航が可能になるとしています。
ベトナム 入国制限緩和で海外からの訪問者増
ベトナム統計総局によれば、4月の海外からベトナムへの訪問者数(推定)が、前月の2倍以上となる10万1,373人にのぼりました。
同国は2022年1月から入国制限を徐々に緩和し、3月15日には入国後の隔離措置を撤廃しました。
コロナ禍以前の水準(月間150万人)には及ばないものの、観光客や出張者が戻り始めています。
タイ 非常事態宣言延長も、ナイトクラブの規制は解除
タイ政府は5月24日、非常事態宣言を2か月間延長することを決定しました。
ただし同国政府は5月20日に、ナイトクラブやカラオケ店に対して、6月から通常営業時間の再開を認める方針を示しています。
またタイは6月1日から、ワクチンを未接種の入国者の隔離義務も撤廃し、到着時に検査を受けるか、出発前の陰性証明の提示が必要となります。
インドネシア 感染者減少で屋外でのマスク着用義務撤廃
インドネシアでは5月17日、新型コロナウイルス感染者数の減少を受けて、屋外でのマスク着用義務を翌18日から撤廃すると発表されました。
ただし屋内と公共輸送機関での着用義務は継続し、高齢者や、基礎疾患や咳の症状のある人は着用を推奨するとしています。
また5月18日には、これまで同国入国時に求められていた出発前のPCR検査による陰性証明書の提示が不要となりました。
マレーシア マレーシア航空、コロナ禍前水準まで増便
マレーシア航空は、インド便の便数について、2022年内にコロナ禍以前の水準に戻す意向を示しました。
新路線の追加や、使用機材のアップグレードも検討するとしています。
フィリピン 接種済み外国人、入国前の陰性証明不要に
フィリピン政府は5月27日、新型コロナウイルスワクチンを接種済みの外国人などを対象として、同国入国前の陰性証明を不要にすることを明らかにしました。
5月30日から適用される予定となっています。
ラオス 入国規制を大幅に緩和
ラオス政府は5月9日から、海外からの入国者に対する水際措置を大幅に緩和しました。
これまで義務化されていた、専用サイト「Lao Green Pass」を通じたQRコードの取得のほか、医療保険の加入や、出発前と入国後のRT-PCR検査は廃止されました。
日本国籍保有者は、観光・ビジネス目的いずれにおいても、15日以内の滞在の場合はビザの取得が免除されます。
【南アジア】インドやカンボジアで入国規制緩和
南アジアでは、インドやカンボジアで入国規制が緩和されています。
インド 第3波収束後、入国規制は緩和
インドでは、2021年12月から2022年2月にかけて到来した、オミクロン変異株を中心とした感染第3波が収束して以降、入国規制は大幅に緩和されています。
インドへ入国する渡航者は、出発72時間以内に実施したPCR検査の陰性証明書を、事前にオンライン申告することが必要です。
カンボジア 入国規制緩和で外国人渡航者倍増
2022年3月のカンボジアの観光統計レポートによれば、同国を2022年第1四半期(1~3月)に訪れた外国人渡航者の数は、前年同期比2.3倍となる15万9,546人にのぼりました。
政府による新型コロナウイルス対策の入国規制の緩和や、国内の感染状況改善が要因で、国内に滞在する外国人やカンボジア国民による国内旅行者も増加傾向にあります。
【北・南米】米で感染が再拡大、カナダは国境措置延長
北・南米地域では、アメリカで感染が再拡大しており、カナダは少なくとも6月末まで国境措置を延長しています。
アメリカ コロナワクチンの5歳未満接種開始へ
米国の新型コロナウイルス新規感染者数は、3月下旬に3万人まで減少して以降、5月に入ってから1日平均9万7,000人近くにも上り、感染が拡大傾向にあります。
GM(ゼネラル・モーターズ)、フォード・モーター、ステランティスの自動車大手3社は5月15日、感染が拡大しているミシガン州南東部で、従業員のマスク着用義務を再開すると発表しました。
CDC(米疾病対策センター)は5月18日、米国内で再び感染者数が増加していることを受けて、50歳未満もワクチンの4回目接種の対象にすることを検討していると表明しました。
また米ホワイトハウスは6月2日、5歳未満へのコロナワクチン接種が数週間で承認されれば、早ければ6月21日にも接種を開始できるとの見方を示しました。
なおNSC(米国家安全保障会議)の報道官は5月12日、現時点で新型コロナウイルスワクチンを北朝鮮と共有する計画はないとの認識を示しました。
カナダ 少なくとも6月30日まで国境措置を延長
カナダの保健省と公衆衛生庁は5月31日、同国への渡航者に対する現行の国境措置について、少なくとも2022年6月30日まで延長すると発表しました。
同国では旅行需要は急拡大しているものの、国境措置は継続しており、外国人渡航者はこれまで通り、入国時にワクチン接種完了済みであることを証明する必要があります。
ペルー 新型コロナウイルス緊急事態宣言を29回目の延長
ペルー首相府(PCM)は5月26日、月末に期限を迎える新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、6月30日まで延長する大統領令を公布しました。
直近の感染者数の微増を受けたものですが、同国ではワクチン接種率が上昇し、マスク着用の任意化も進んでいます。
メキシコ 「コロナはエンデミックへ移行」警戒信号発表せず
メキシコ連邦保健省は4月26日、新型コロナウイルスについて、パンデミックではなくエンデミックに移行したとして、5月2日以降の各州の感染警戒信号については発表しませんでした。
数週間内の病床利用率の低さや、高いワクチン接種率の高さ(成人人口の90%)、新規死者数の少なさなどを受けたものだとしています。
また同国ではこれまで14歳以上がワクチン接種対象となっていましたが、5月からは12歳以上の子供へのワクチン接種が開始されます。
チリ 特別移動許可証利用にワクチン4回目接種を義務付け
チリの保健省は5月10日、新型コロナウイルスワクチン接種者に発行される特別移動許可証について、6月1日から追加接種の2回目(通算4回目)の接種を義務付けると発表しました。
対象は18歳以上で、すでに同許可証を得ている人も、追加接種(3回目)後6か月が経過した場合は、同許可証が無効化されることになりました。
感染者数が再度増加していることや、4回目接種のペースが落ちていることなどを受けて、保健省は接種ペースを再び加速させたい狙いがあります。
ブラジル コロナ緊急事態宣言解除
ブラジルの保健相は4月22日、新型コロナウィルス感染症対策として実施されていた国家重要公衆衛生緊急事態宣言(ESPIN)の解除を決定したことを発表しました。
感染率や死亡率などが改善したことや、国民のワクチン接種率が高水準に達したことなどが理由で、5月22日から施行される予定です。
パラグアイ 衛生緊急事態宣言解除
パラグアイ政府は4月18日、国家衛生緊急事態宣言を解除しました。
国内の感染者数が減少傾向にあることを受けたもので、マスク着用義務も撤廃しました。
さらに4月19日以降の入国制限措置も緩和され、新型コロナウイルスワクチン接種証明の提示のみで入国が可能となっています。
コロンビア ワクチン未接種でも陰性証明で入国可能に
コロンビアの保健省は4月29日、水際措置の緩和を発表しました。
同国ではこれまで、一度も新型コロナウイルスワクチンを接種していない非居住者は入国が認められていませんでした。
しかし5月1日以降は、ワクチンを未接種でも、PCR検査などの陰性証明があればコロンビアに入国できるようになりました。
【オセアニア】ニュージーランド、8月から国境全面再開
オセアニアでは、新型コロナウイルス規制についてオーストラリアでは大きな変化はなかった一方で、ニュージーランドでは8月から国境が全面再開されます。
ニュージーランド 8月から国境全面再開
ニュージーランドのアーダーン首相は5月11日に、8月1日からすべての国の渡航者に対して入国を許可することを発表しました。
10月に予定していた国境の全面再開が前倒しされたかたちです。
さらに国内での労働者不足に対処するため、就労ビザの対象職種も拡大し、7月4日より申請の受付を開始する予定です。
【ヨーロッパ】各国で入国規制やマスク着用義務などの緩和進む
ヨーロッパでは、フランスで公共交通機関でのマスク着用義務が解除され、ドイツも6月から入国規制が緩和されるなど、規制の緩和が進んでいます。
フランス 公共交通機関でのマスク着用義務解除
フランスのベラン保健相は5月11日、公共交通機関でのマスク着用義務を同月16日に解除すると発表しました。
同国では新型コロナウイルスワクチン接種証明の提示や屋内でのマスク着用はすでに廃止されており、国内の重症者数は減少傾向にあるため危機の水準が下がったと判断しました。
ただし着用の推奨は継続し、病院や高齢者施設での着用義務は解除しません。
ドイツ 6月から入国規制緩和
ドイツ連邦政府は5月25日、入国規制を6月1日から緩和することを決定しました。
感染者の減少や、主流となっているオミクロン株が比較的重症率が低いことなどをふまえて、ワクチン接種と既往・陰性証明の義務が撤廃されます。
また同国の予防接種常設委員会(STIKO)は5月24日、健康な5~11歳の子供に対する新型コロナウイルスワクチン接種は1回で十分との見解を示しました。
オランダ 日本からの入国はワクチン接種証明と申告書のみ
日本からオランダへ入国するにあたっては、5月6日現在で、新型コロナウイルスワクチンの接種証明書と、ワクチン接種に関する申告書の提示のみ必要となっています。
入国時の検査や入国後の自主隔離は求められず、入国後の行動も制限されませんが、検査で陽性となった場合は5日間の自主隔離が必要となります。
イタリア 日本からの入国手続き緩和、グリーンパス提示義務も原則撤廃
イタリアでは4月28日付の官報で、日本からの入国手続きが5月からさらに緩和され、グリーンパスの提示義務も原則として撤廃されました。
なお5月1日から6月15日まで、防護マスクの一種であるFFP2マスクの着用義務は延長されることも発表されています。
EU 空港や機内でのマスク着用義務撤廃
米モデルナは6月2日、新型コロナウイルスワクチンの欧州向け納入ついて、第2四半期の予定から年内または来月初へと数か月遅らせることをEUと合意したと明らかにしました。
EUが秋に追加接種キャンペーンを想定している一方で、足元のワクチン需要は減退しており、今回の合意は加盟国の現行の需要と整合させるのに役立つものとみられます。
またEUの専門機関であるEASA(欧州航空安全機関)は5月11日、EDCD(欧州疾病予防管理センター)と共同で、5月16日から空港や機内でのマスク着用義務の撤廃を勧告する指針を公表しました。
ワクチン接種の進展や感染による獲得免疫、それに伴う欧州各国での公共交通機関利用時の規制撤廃といった状況を考慮したものだとしています。
スペイン 入国条件を緩和、陰性証明書のみでも入国可能に
スペイン政府は、5月21日から日本を含むEUとEFTA(アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)以外からの入国制限を緩和しました。
EU・EFTA域内からの入国者と同様に、ワクチン接種証明書や回復証明書に加え、陰性証明書も入国時の証明として認められるようになりました。
スイス 期限切れモデルナワクチン62万回分超を廃棄
スイス連邦移民局は5月2日、入国制限措置を同日以降に全て撤廃すると発表し、同国への入国にあたりワクチン接種証明などの提示は不要となりました。
またスイス連邦公衆衛生局は5月27日、米バイオ医薬品モデルナの新型コロナウイルスワクチンについて、期限切れの62万回分以上を廃棄すると発表しました。
ワクチン需要が急減したためで、スイスの人口約870万人に対し、今年分として計3,400万回分を確保していました。
同国では、人口の7割超が少なくとも1回ワクチンを接種済みとなっています。
ベルギー 入国管理やマスク着用義務を緩和
ベルギー連邦政府は5月20日に、出入国管理やマスク着用義務を同月23日から緩和すると発表しました。
新型コロナウイルス新規感染者数と新規入院患者数が減少傾向にあるとして、ワクチン接種証明の提示や検査・隔離も原則撤廃されます。
ポーランド 入国手続きはコロナ禍以前の状態に
ポーランドへの入国は、同国が3月28日に新型コロナウイルスに関する制限を解除したことで、日本を含む全ての国・地域からの入国が可能となっています。
さらに検疫も廃止されたため、ワクチン接種証明書や陰性証明書の提示も不要となっており、同国への入国手続きはコロナ禍以前の状態に戻っています。
ハンガリー 入国手続きに新型コロナ関連の書類提示は不要
ハンガリーの入国手続きは、3月7日に施行された政令により、ワクチン接種証明書や、入国72時間前までに受検したPCR検査の陰性証明書の提示が不要となっています。
またマスク着用義務や、雇用主による従業員へのワクチン接種義務の権利なども解除されています。
【東欧】ロシア、新型コロナウイルスワクチン2種を製造中止
東欧では、ロシアが一部の新型コロナウイルスワクチンの生産を中止することが分かりました。
ロシア 新型コロナワクチン、2種類を製造中止
5月20日にモスクワで開催された医療・保険関係会議で、ロシアで製造される新型コロナワクチンのうち、ペプチドワクチンのエピワクコロナと、不活化ワクチンのコビワクが生産中止になったことが分かりました。
ロシア国内での需要減少が理由で、特に地方部からは、世界初の新型コロナウイルスワクチンとして同国で登録されたスプートニクV以外の発注が途絶えているとしています。
【中東】感染者減少、入国規制は相次ぎ撤廃
中東各国では、ワクチンのブースター接種などが進み、5月時点で新型コロナウイルス感染者数は減少傾向にあります。
これを受けて湾岸協力会議(GCC)諸国は入国規制を相次いで緩和しています。
バーレーンとクウェートが入国者に対する規制を全廃したほか、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、オマーンでも、所定回数のワクチンを接種していれば、PCRや隔離なしで入国が可能となっています。
トルコ 屋内外でのマスク着用義務、公共交通機関と医療機関を除き解除
トルコの内務省は4月27日、屋内外でのマスク着用義務について、公共交通機関と医療機関を除き解除すると発表しました。
さらに1日当たりの感染者数が1,000人を下回った場合、公共交通機関と医療機関でのマスク着用義務も撤廃するとしています。
2月上旬に10万人程度だった同国での1日当たりの感染者数は、4月下旬には約2,500人まで減少しています。
サウジアラビア コロナ対策アプリに不具合発生
サウジアラビアでは、4月2日~29日のラマダン期間と、その翌週のイード休暇(4月30日~5月4日)で人々の交流が盛んとなり、感染者数が微増となっています。
同国では4月1日に、コロナ対策アプリ「タワッカルナ(Tawakkalna)・アプリ」の仕様が変更され、同国への赴任者や出張者の間で、システムトラブルが複数確認されています。
UAE(アラブ首長国連邦) ワクチン2回接種で入国可能、積極的に海外客受け入れ
UAEの入国にあたっては、2022年2月26日以降はPCR検査の陰性証明書の提出は不要となっており、新型コロナワクチン2回接種の証明書提示のみが要件となっています。
ドバイ国際空港は7年連続で国際線旅客数1位となるなど、世界のハブ空港の立ち位置を維持しており、UAEは経済回復に向け、海外客を積極的に呼び込む方針を続けています。
【アフリカ】各国で規制緩和進むも、南アでは感染再拡大
WHOのアフリカ地域事務局長、マチディソ・モティ氏は6月2日の記者会見で、アフリカの今年のコロナ死者は、ワクチン接種や感染予防策の向上、感染による自然免疫獲得により、昨年比で94%近く減るとの試算を示しました。
いっぽう、南アフリカ共和国では感染者数が再び急増しています。
南アフリカ共和国 再び感染者数が急増
4月下旬以降、南アフリカ共和国では再び新規感染者数が急増しています。
同国は感染者数と死者数ともに大陸最悪で、5月26日に発表された同国の調査では、ワクチン接種を躊躇する人は副反応や効果に対する懸念を主な理由にしていることが明らかになりました。
5月4日時点で、同国に入国するには、出発前72時間以内のPCR検査陰性証明書またはワクチン接種証明書の提示が必要となっていますが、入国後の隔離や行動制限はありません。
ナイジェリア 感染者数減少、入国規制は大幅に緩和
ナイジェリアでは4月4日以降、入国規制が大幅に緩和され、ワクチン接種証明書を提示すれば、入国時の各種検査・隔離は不要となっています。
同国政府によれば、4月28日時点の新規陽性者数は1日当たり31人で、4月以降、低水準で推移しています。
コートジボワール 感染者減少、マスク着用義務撤廃など規制緩和
コートジボワールでは5月5日、1日当たりの感染者数が2022年2月平均の28人から、4月には7人の水準まで減少したことが明らかになりました。
このような状況を受けて同国では規制が大幅に緩和され、3月7日からはワクチン接種証明書の提示によりPCR陰性証明書が免除され、入国時の隔離も不要となっています。
さらに3月24日からは、密閉された場所や多数の人が集まる時を除き、マスクの着用義務が撤廃されました。
モロッコ 入国規制緩和、ワクチンパス提示でPCR証明不要に
モロッコ政府は5月18日、入国規制の緩和を発表し、入国時にワクチンパスを提示すれば、事前PCR陰性証明書の用意は不要となりました。
なお同国政府は、「衛生緊急事態」については5月末まで延長しています。
ガーナ 入国にはワクチン接種証明などが必要
ガーナでは3月28日以降、各種規制が大幅に緩和されており、入国にあたっては新型コロナワクチン接種証明や、政府発行のQRコードなどが必要となっています。
ただし同国には日本からの直行便は飛んでおらず第三国を経由することになるため、経由地によっては乗り継ぎの際にもワクチン接種証明などが必要になる場合があります。
【WHO】感染症の常設委員会を新設
WHOは5月28日の総会で、米国が提案した感染症対応迅速化に向けた国際保健規則(IHR)の改正案を採択しました。
またWHOの年次執行理事会は5月30日、新型コロナウイルス感染症のように事務局長が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)を宣言した際に、WHOがすばやく対応するための常設委員会設置を、理事34人の全員一致で承認しました。
WHOの公式会議は数か月ごとに開催されますが、新委員会は緊急事態が宣言されるとすぐに開かれ、感染拡大抑制のための追加資金や公衆衛生措置、必要な推奨事項などを呼びかけるとしています。
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