1月17日、訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)と訪日外国人消費動向調査が発表されました。
統計によると、2023年の訪日外客数は2,500万人を突破。訪日外国人旅行消費額は5.3兆円と過去最高を記録するなど、長らく低迷していたインバウンド需要はコロナ禍前を上回る勢いで急回復しています。
本記事では、それらの最新データを交えながら、ベトナム市場のインバウンド動向について解説します。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)2023年の訪日ベトナム人数は57万3,900人。2019年からの伸び率は5番目に高い
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計によると、2023年の訪日ベトナム人数は57万3,900人で、2019年の49万5,051人から約16%増加しました。2019年からの増加率では、メキシコ、韓国、シンガポール、アメリカに次いで5番目です。
月ごとの推移を見ると、いずれの月も2019年と同等かそれ以上をキープしています。ベトナムの訪日需要は完全に回復したといえるでしょう。

全体で見てもベトナムは、留学や技能実習制度などにより訪日客の多い市場でしたが、過去10年を比較しても2023年の訪日ベトナム人数は大きく伸びています。

ホーチミン〜成田線の増便など、直行便数が2019年の水準を上回ったことが、訪日ベトナム人数の増加に大きな影響を与えたと考えられます。
2023年の訪日ベトナム人の消費額は1,211億円。消費額も過去最高水準に
観光庁が実施した訪日外国人消費動向調査によると、2023年全体における訪日ベトナム人の消費額は1,211億円で、2019年と比べて38.3%増えました。消費額も訪日客数と同じく、直近10年間で最高を記録しています。

ベトナムは国別の消費額で9番目に位置しています。2019年と順位に変わりはないものの、訪日外国人旅行消費額の全体に占める割合を1.8%から2.3%に伸ばしました。
3か月ごとの推移を見てもいずれの時期も2019年を上回るなど、日本のインバウンド市場においてベトナムの存在感が大きくなっていることは明らかです。

消費額を費目別に見ると、買物代が393億円、宿泊費が366億円、飲食費が273億円、交通費が128億円、娯楽等サービス費が51億円となっています。全体の割合としては、2019年と比較して買物代や飲食費が若干減り、宿泊費と交通費、娯楽等サービス費の割合が増えました。

2023年における訪日ベトナム人一人あたりの旅行支出は21万999円でした。2019年比で19.2%増えているものの、アジア諸国のなかでは最も低い額で、かつ全体平均が21万2,193円であることを考えると決して大きい数字ではありません。
留学や技能実習など、観光以外の目的で日本を訪れる人が多いことが要因のひとつとなっていそうです。
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<参照>
JNTO:訪日外客数(2023年12月および年間推計値)
観光庁:訪日外国人消費動向調査
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