商品の売上を伸ばしてサービスの利用を拡大するには、販促（販売促進）が欠かせません。効果的なプロモーションを展開するためには、具体的な施策や方法、成功事例についての知識が大きな武器となります。
インバウンド需要が急増する中、観光や飲食の事業者にとって、訪日外国人をターゲットにした販促（販売促進）は大きなチャンスである一方、どのようにアプローチすべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか？
この記事では、販売促進が必要とされる理由や集客に効果のある販売促進の方法、さらに企業や店舗において実際に導入されている販売促進の事例を紹介します。
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販促とは
販促とは「販売促進」を略した言葉で、消費者の購買意欲を高め、購入を促すためのさまざまな取り組みを指します。
英語では「Sales Promotion（セールスプロモーション）」と呼ばれますが、単なる宣伝活動だけを意味するわけではありません。販売促進には、宣伝だけでなく、ポイントカードの導入や実演販売など、商品やサービスの魅力を伝え、購入したいと思わせる多様な手法が含まれます。
販促が必要な理由
口コミサイトやSNSが普及した現在、顧客は簡単に商品や店舗の情報を事前に調べられるようになりました。そのため、店舗の宣伝方法やSNSの活用が、集客や売上に大きな影響を与える時代になっています。
また、一時的な集客だけでなく、リピーターを増やすことで、販売促進のコストを抑えつつ安定した売上を実現することが可能です。短期的な集客だけでなく、長期的な顧客との信頼関係を築くことを意識して取り組むことが、販促の成功のカギとなります。
販促とマーケティング・宣伝・営業との違い
販売促進は、しばしば他の活動と混同されることがありますが、実際には明確な役割があります。ここでは、販売促進がマーケティング・宣伝・営業とどう異なるのかを具体的に解説します。
販促と「マーケティング」の違い
マーケティングは、商品やサービスの企画、開発から販売、顧客満足に至るまでの包括的な活動を指します。
一方、販売促進はマーケティング活動の一部で、とくに売上向上を目的とした具体的な施策に焦点を当てています。販売促進はマーケティング施策のひとつと位置づけられるでしょう。
関連記事：集客とマーケティングの違いは？売上アップにつながる効果的な3つの方法を解説
販促と「宣伝」の違い
販売促進と宣伝は似ているようで目的や方法が異なります。宣伝は、テレビやSNSなどのメディアを使って商品を広く知ってもらい、ブランドの価値を高める長期的な活動です。
一方、販売促進は、割引やキャンペーンなどで短期間での売上アップを狙い、消費者に具体的な購入行動を促すことを目的としています。
販促と「営業」の違い
営業活動は顧客と直接やり取りし、商品を説明したり契約を結んだりすることがおもな目的です。一方、販売促進は営業をサポートする役割を持ち、顧客の購買意欲を高めたり興味を引き出したりすることを目指します。
営業が一人ひとりの顧客に対応するのに対し、販売促進は多くの顧客に広くアプローチする点が特徴です。
販促の施策・方法
販促にはいくつもの施策や方法があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。PCやスマホの普及によるインターネットの過渡期を経て、近年ではオンラインでの販売促進が主流となりました。
ここでは、販売促進をアナログ型、デジタル型と大別して12の販売促進方法を解説します。
アナログ型の販促方法5選
アナログ型の販促方法は店舗周辺や、店舗の属する地域内でのローカルな販売促進において大きな効果があります。またデジタルの販促に比べ、特定のターゲット層を狙って販促しやすいというメリットがあります。
1. DM（ダイレクトメール）
DMでは、商品やサービスを利用したことのある顧客に対して定期的に案内できます。DMでクーポンなどを配布することによりリピート率を上げることができ、リピーターの獲得に有効といわれています。
個別対応が可能で、ターゲットに直接アプローチでき、メッセージのカスタマイズが容易なこともメリットです。一方で、印刷費や郵送費などのコストが高く、開封されず廃棄されるリスクもあるのがデメリットです。
2. ポスティング ・街頭でのビラ・クーポン配布
ポスティングや街頭でのビラ、クーポン配布では、商品やサービス利用の有無にかかわらず認知度を上げられます。 また、配布する場所やポスティングを行う地域など、地域要因からある程度ターゲット層を絞れます。
そのため、地域密着型で特定エリアの集客に効果的であるといえます。一方で、ターゲットの絞り込みが難しく、多くが目を通されずに捨てられる可能性もあります。
3. 看板
看板はアナログながらも効果のある販売促進方法のひとつです。
しかし街中に存在する看板の数は多く、掲示する場所や個性的なデザインなどで目を引く工夫が必要です。
4. 地域の新聞
地域の新聞も地域住民へのリーチできるため、地域密着型で特定エリアの集客におすすめの販促方法です。しかし単身者や10〜20代の若者などは新聞を購読している割合が少ないなど、ターゲット層が偏ることに注意しましょう。
5. フリーペーパーへの広告出稿
フリーペーパーへの広告出稿も、多くの人の目にとまる可能性が高い販促方法です。
広告を掲載するフリーペーパーがどこに置かれるのか確認し、手に取る人々が自社や自店におけるターゲット層と合致しているかを確認するとよいでしょう。
デジタル型の販促方法7選
デジタル型の販促方法はアナログ型に比べ、インターネットを通じて行うことで多数に向けた発信が可能というメリットがあります。
1. ホームページ作成＆SEO対策
ホームページ作成は販促はもちろん、オンラインで集客を図る上での基本ツールです。 併せてSEOを意識した施策を行うことで検索画面で上位に表示されれば、ホームページがユーザーの目にとまる可能性を上げられます。
長期的な集客効果が期待できる一方で、継続的なコンテンツ更新や技術的な知識が必要です。また、効果が出るまでに期間がかかる可能性も考慮する必要があります。
2. SNS運用
多くの人がSNSを活用している現代において、SNS運用とくに効果的な販促方法です。
Facebookでは店舗のイベント情報、InstagramではSNS映えする画像や動画といったように、それぞれのSNSの特徴に合わせた投稿を行うことで、より拡散力のあるツールとなります。
拡散性が高く口コミ効果を生みやすい、低コストで若年層へアプローチできるのもメリットです。しかし、運用の継続性が求められ、炎上リスクが伴う点には注意が必要です。
3. メールマガジン
メールマガジンは低コストで大量配信が可能で、リピーター育成に効果があります。一方で、開封率が低くなりがちな点がデメリットといえます。
ユーザー側にメリットがないと流し読みされてしまうことも多いため、期間限定クーポンやメルマガ会員限定の割引デーなど目を通したくなるような内容を入れておくと効果的です。
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4. ポイントカード
ポイントカードはとくにリピーターの獲得に有効です。一見アナログのようにも見えますが、近年はスマートフォンのアプリにアカウントを登録してポイントを貯めている人も少なくありません。
紙媒体のポイントカードは増えるのを億劫に感じる人もいるため、アプリバージョンも用意しスマホやタブレットに対応させるとよいでしょう。ただし、アプリでの導入はコストがかかる場合があります。
5. プレスリリースの発表
メディアやネットニュースなどでプレスリリースを発表することも販促方法のひとつです。
信頼性の高い情報発信が可能で、自社や自店で取り扱う商品、サービスに話題性があれば、大手メディアに掲載してもらうこともできるかもしれません。
6. リスティング広告
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーの検索キーワードに合った広告を検索結果画面に表示するものです。 自社や自店で取り扱う商品、サービスに関心度の高いであろうユーザーのみをターゲットとして広告を表示可能です。
即効性が高く、成果をすぐに確認できるのもメリットです。一方で、コストがかかり、広告停止後は効果がすぐに消えてしまいます。
7. アフィリエイト
アフィリエイトは、自身のWebサイトやブログに商品やサービスの広告を貼り、それがユーザーの消費行動に結びついた場合にのみ広告費が発生するというものです。「成果報酬型広告」とも呼ばれます。
アフィリエイトではアフィリエイターの力量によって結果の大小が左右されますが、ムダなコストが発生する心配が少ないのがメリットです。
販促をする際のポイント
販促を実践するには、営業形態や顧客層を考え、店舗に合った方法を選ぶ必要があります。ここでは、効果的に販売促進を実践するためのポイントを紹介します。
1. あらかじめ年間計画・予算・ターゲットを決める
まず、年間の販促計画を立てる必要があります。年末年始の忘年会・新年会シーズンや夏場のビアガーデンなどのイベントに合わせ、販売促進を活発に行うことで、集客アップが期待できます。イベントの直前にあわてて準備するのではなく、前もって計画的に行うことが大切です。
同時に予算も決めておくことで、店舗の営業にあった範囲で販売促進を行うことができます。
また、多様な消費者ニーズをどれも満たそうとするのではなく、あえてターゲットを絞ることで集客力が高まる可能性があります。そのためには、地域のニーズや既存客の属性などを事前に調べ、慎重にターゲットを選定するようにしましょう。
2. 効果を確かめる
ただ実践するだけでなく、定期的に検証することで、より効果的な販促活動につながる可能性があります。
クーポンの添付やポイントカードに来店日を記載することで、販促による来店かどうかを確かめることが可能です。アンケートを実施し、来店のきっかけを尋ねることも効果的かもしれません。
自社に適した販促施策を
販促にはさまざまな施策がありますが、どんな施策がより集客力を持つかは業種や業態、提供する商品やサービス、ターゲット層によって異なります。
そのため、影響力の大きなメディアを利用した販売促進や過去の成功事例を真似た販売促進が必ず結果につながるということはありません。
自社や自店に適した販売促進を行うことで集客を目指すことが重要です。
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