エンゲージメントとは?意味や重要性、高める方法について解説

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エンゲージメントとは、企業やブランドが顧客、従業員、取引先などと築く「深い信頼関係や結びつき」を指します。一方的なやり取りではなく、長期的な信頼をベースにした関係を目指すものです。

質の高いコンテンツの提供や個々のニーズに応じた対応(パーソナライズ)、双方向のコミュニケーションが、エンゲージメント向上の重要なポイントとなっています。

こうした取り組みを通じて、企業やブランドは顧客や従業員との信頼関係を強化し、結果としてブランドの価値を高めることが可能です。もちろんインバウンド集客も例外ではありません。

この記事では、エンゲージメントの概要やメリットについて触れるとともに、具体的な向上方法をご紹介します。

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エンゲージメントとは

エンゲージメントとは、企業やブランドが顧客や従業員などとの関係性を強化し、相手からの興味、関心、信頼、共感を深めることを指します。

エンゲージメントを高めることによって、企業やブランドは顧客からの信頼を得るだけでなく、長期的な信頼を育むことができます。

従業員エンゲージメントとは

エンゲージメントは「約束」や「契約」「誓約」などを意味する言葉です。ビジネスにおいては、従業員が会社に対して愛着や思い入れといった感情を抱いている状態をいいます。

顧客エンゲージメントとは

エンゲージメントは企業と従業員の関係だけでなく、企業と顧客とのつながりを示すこともあります。企業やブランドは顧客からの信頼を得ることで、愛着をもって商品やサービスを使い続けてくれます。

顧客エンゲージメントが高い顧客は、他社の商品に目を向けることなく自社商品を選び、さらにSNSなどで積極的にポジティブな情報を発信してくれるでしょう。

エンゲージメントの向上は、企業の売上や利益を伸ばすだけでなく、顧客の声を直接収集する機会を増やし、それを活かした商品の改良や新サービスの開発にも役立ちます。

エンゲージメントの重要性

エンゲージメントは、顧客や従業員との深い信頼関係を築くことで、企業やブランドに以下のような重要な効果をもたらします。

1. 人材の流出を防ぐ

エンゲージメントの重要性が高まる背景には、終身雇用や年功序列といった日本特有の制度が見直され、転職が一般化していることが挙げられます。

人口減少や少子高齢化が進むなか、人材確保は企業にとって重要課題となっており、会社と個人が共に成長できる関係性を築くことが必要です。エンゲージメントを高めることで関係性が強化され、人材流出を防ぎ、業績向上にもつながる可能性があります。

2. 従業員満足度と生産性の向上

エンゲージメントが高い従業員は、自らの仕事にやりがいを感じて企業への貢献意欲が高まります。これにより離職率が低下し、職場の雰囲気やチームの協力体制が向上します。

3. 顧客満足度の向上

SNSが一般化したことで顧客の接触できる情報はあまりにも多くなり、顧客が本当に求める商品やサービスの情報は埋もれてしまいやすくなります。

こうした中で、企業に対する愛着はブランドや商品を選んでもらうための動機づけとなります。

エンゲージメントの高い顧客はブランドへの信頼が強まり、リピート購入や口コミを通じて新たな顧客を引き寄せる効果があります。エンゲージメントを高めることは、その企業や企業の提供する商品やサービスの利用につなげるために欠かせないといえるでしょう。

4. 企業の成長とブランド価値の向上

顧客や従業員との良好な関係性は、企業の持続的な成長を支える基盤となります。

また、エンゲージメントが高まることで、ブランド価値や信頼性が強化され、他社との差別化が図りやすくなります。エンゲージメントの高い顧客や従業員は、企業の売上と利益に直接的な影響を与えるため、経営的にも重要な要素となります。

エンゲージメントを高めるメリット

ここでは、エンゲージメントを向上させることで得られる具体的なメリットや結果をご紹介します。

1. 離職率を下げる

エンゲージメントが低い社員に比べて高い社員のほうが離職率が低いことがわかっており、エンゲージメントを高めることで離職率の低下が期待できます。

とくに人手不足が課題となっている業界では、従業員の帰属意識を高め、会社と強い信頼関係を結び、人材の流出を防ぐことが必要不可欠となっています。

2. チャレンジ精神が高まる

会社に愛着がわくことで、会社の目指す方向やビジネス方針にも愛着や信頼を抱けるようになります。その結果、業務のなかで大きな課題や問題に直面しても、それを乗り越えたいと思うモチベーションや実際に乗り越えていく力を得られます。

ただ上司や先輩から受けた指示や命令に従うだけでは、仕事への意義が見いだせないため、課題に直面してもなかなか乗り越えようと思えません。

しかしエンゲージメントが高いと、自身の業績が会社への貢献につながるという意識をもっているため、大きな課題や問題も乗り越えようというチャレンジ精神を高めることができます。

3. 顧客側にも良い影響

エンゲージメントの向上は会社や従業員だけでなく、サービスや商品を利用する顧客側にもメリットがあります。

エンゲージメントが高まると、従業員は自然と会社に貢献したいという気持ちを持つようになります。その結果、仕事に対するモチベーションが上がることでサービスの質が上がり、結果的に顧客の満足度向上につながります。

エンゲージメントを高める方法

エンゲージメントを高めることで従業員と会社の双方にメリットがあることは明らかです。しかし、具体的な方法が分からなければ、エンゲージメントの向上は難しいでしょう。

ここでは、従業員エンゲージメントと顧客エンゲージメントを高める具体的な方法を、それぞれ紹介します。

1. 従業員向け|目標を明確にする

エンゲージメントを高めるためには会社の目標を明確化することが重要です。

会社のビジョンや社会への提供価値が明確になることで、従業員は自身が取り組んでいる業務が会社や社会にどのように影響を与えているのか、どのような価値を提供しているのかが実感できるからです。

社外だけでなく社内においても会社の取り組みや成果を発信していくことが不可欠です。

また、取り組みだけでなく、会社のビジョンや社会へどのような価値提供を行っているかについてもしっかりと伝えていかなければなりません。一方的につたえるだけでなく、従業員自身が会社のビジョンに対してどのように思っているのかヒアリングする機会を作ることも効果的です。

2. 従業員向け|エンゲージメント調査を行う

エンゲージメントは可視化するのが難しい概念です。いくらエンゲージメント向上のための取り組みを実施しても、実際にそれらが高まっているのかを知ることができなければ、取り組みの改善や継続を図ることもできません。

定期的にエンゲージメントに関する調査を実施して数値として可視化することで、その結果に対する取り組みを立てられるようになります。また、この調査は定期的に実施することが重要です。

調査の結果が蓄積されていくことで、エンゲージメントだけでなく、取り組みの進み具合や従業員の意識の変化、会社の現状を追い続けられます。

3. 従業員向け|積極的にコミュニケーションをとる

エンゲージメント向上のためには、積極的なコミュニケーションを図ることも大切です。積極的にコミュニケーションをとるためには、まず考えを自由に話せる雰囲気や環境をつくることが必要です。

そういった環境や雰囲気作りは日頃からの積み重ねが重要で、一朝一夕では構築できません。日常的にチームでのコミュニケーションを活性化させ、目標をチームで統一させる場を設けることが効果的です。

また一方通行ではなく、話を聞く側の姿勢にも気を付けなけれなばりません。顧客との間であれば、SNSなどでコミュニケーションをとれる環境を作るのも一案です。

4. 顧客向け|ユーザー参加型のコンテンツを提供する

ユーザー参加型のコンテンツがもたらす最大のメリットは、信頼性を向上できる点です。顧客が自らの意思でコンテンツに参加するため、別の顧客に提供される情報は顧客自身が発信したものになります。

そのため、企業にとって一方的に有益な情報が流れないことから、顧客は信用性の高い情報として認識します。

また、ユーザー参加型のコンテンツは、商品やサービスを認知してもらうだけでなく、その製品やサービスの世界観やブランドコンセプト、企業理念なども包括的に知ってもらえるというメリットも存在します。

コンテンツに参加したユーザーは企業や製品、商品に対して好意的な印象を持ち、ユーザーからの主体的なアクションを誘導することにつながります。

5. 顧客向け|丁寧な接客を心がける

エンゲージメントを高める施策を考慮するとき、オンラインのマーケティングが注目されがちです。しかし、エンゲージメントは顧客からの主体的なアクションとして表出するものであり、オンラインでの施策にこだわる必要はないといえます。

店舗における接客などを通して、店舗や企業への好感度、愛着度合いを高めることも十分にエンゲージメント向上に資する施策です。

スタッフが顧客と接するときの態度や姿勢、言葉遣いなどを通じて、顧客に好印象を与えることが重要です。店舗全体の雰囲気づくりや、スタッフの接客品質を統一させることも必要になるでしょう。

6. 顧客向け|受け取り手を想像したメルマガを配信する

メルマガ(メールマガジン)配信もエンゲージメントを高める施策のひとつに数えられます。

メルマガ配信は一般的に店舗や企業側からクーポンやイベント情報をお知らせする手段として用いられます。しかし、ただ情報を流すだけではエンゲージメント向上を図るには不十分です。

メルマガを受け取る各顧客の属性やニーズ、利用履歴をもとに最適な情報を提供することで、顧客からのアクションを引き出すことが求められます。

近年注目されているSNSのエンゲージメントとは?

エンゲージメントはSNSを利用したマーケティングや宣伝活動でも用いられ、顧客との関係性を把握する上で貴重な指標となります。

ここでは、SNSにおけるエンゲージメントの重要性やエンゲージメントを向上させる方法について紹介します。

1. SNSにおけるエンゲージメントが大切な理由とは

SNSにおけるエンゲージメントは、一面的には企業の投稿に対する顧客からの「いいね!」や「シェア数」から確認できるもので、顧客が企業に抱く愛着について示す言葉です。

SNSを介して顧客が企業に対して起こしたアクションを数値化し、どれだけ交流が生まれているかを把握する指標になります。

2. エンゲージメントを意識して投稿に磨きをかける

SNSのエンゲージメントの向上を目指す際には、顧客からの共感を得ることを意識します。

投稿ごとに顧客からつけられるいいね数やシェア数、画像クリック数などを収集して解析することで、どのような投稿がユーザーの関心や共感を集めているのかを把握できます。この分析を繰り返し、投稿内容に反映していくことが重要です。

エンゲージメントを高める方法はSNSごとに異なるため、各SNSの特徴やユーザー層に基づいた投稿内容を検討する必要があるでしょう。

エンゲージメントにも質が存在します。悪い意味で注目を集めるいわゆる「炎上」によってエンゲージメントを高めてしまうのは避けるべきでしょう。

3. ユーザーとの交流を深める

エンゲージメントを高めるには顧客とのコミュニケーションを増やすことは必要不可欠です。

たとえば、ユーザーに商品やサービスのアンケートに回答してもらう方法があります。ユーザーとの双方向のやり取りを促進させ、エンゲージメントの向上が期待できる施策といえるでしょう。

また、いいねが付きやすかったり、シェアされやすかったりするコンテンツを設計し、リアクションが得やすい時間帯を狙って定期的に投稿するなどの工夫も必要となるでしょう。

エンゲージメントの向上が業績にもつながる

従業員や顧客と企業が対等の関係で、互いに個人や会社の成長に貢献しあう関係」を表すエンゲージメントは、変化の激しい現代のビジネスにおいて重要な考え方になりました。

エンゲージメントの向上が優秀な人材の流出だけでなく、従業員の仕事へのモチベーションの向上にもつながることで、顧客の満足度の向上や業績の向上も期待できます。

従業員が自然と会社への愛着を持つことを期待するだけでは、エンゲージメントは向上しません。

企業側が会社の今後の方針や社会に提供している価値をしっかりと従業員に共有し、そこへ従業員自身が行っている業務の価値を重ね合わせることでモチベーションや愛着、信頼の向上へとつながります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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