観光庁は2025年3月、宿泊施設の経営改善・高付加価値化に向けた「旅館向け インバウンド受入ポイント集」を公表しました。
同資料は、観光庁が行うメディアファム事業の中で得られた外国人記者からの旅行体験フィードバックと、それらに基づいた対応推奨案をまとめたものです。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)日本食が喜ばれると思いがちだが…
食事では、「コーヒーや洋朝食などのオプションがあると安心感がある。」「2泊目に洋朝食を選べたのは◯」などの声がありました。日本食も人気ではあるものの、訪日客が普段食べている洋食を選べることが、安心感につながるといいます。
また、食事の量が多いという声もあり、量を抑える代わりに「おかわり自由」「追加可能」の導入も推奨されています。
「旅館のシステムに驚く」の声、説明不足が課題に
サービスや部屋・設えにおいては以下のような声が挙がりました。
- 旅館のシステムに驚く
- 着物の着方や靴を脱ぐ場所がわからない
- 英語での説明や案内、説明書きなどがあまりない
これらの声を受けて、インバウンド観光客が受け取りやすい情報発信や、説明・案内不足解消の重要性が指摘されています。
温泉においても、訪日客がルールやマナーがあることを感じ取っているケースが見受けられた一方で、「温泉の入り方がわからない」「入り方のインストラクションがあると良い」という声も。
解決策として、ルールやマナーの図解案内、モニターでの案内動画などの導入が提案されています。
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独自の文化体験や「箸チャレンジ」が人気
文化については、「提灯作り体験は海外の人々にも人気が出そう」「金継ぎ体験は人気がある」など、地域独自の文化体験への参加を望む声が挙がりました。
また、訪日客があまり慣れていない箸を使用する「箸チャレンジ」も文化体験の1つとして好まれる傾向に。
これらの文化体験コンテンツは、旅館が提供できるものであることに加え、旅館のお土産や地域ブランディングとしても活用できると紹介されています。
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インバウンド向け情報発信は「期待値調整」が重要
さらに同資料では、旅館での対応に加えて、インバウンド観光客向けの情報発信に関する対応推奨案も紹介されています。
まず、旅館から発信する情報はシンプルなものが好まれる傾向がある一方で、同時に情報が不足している可能性が指摘されています。実際に以下のような声が挙がっています。
- 英語の公式HPは必須。予約サイトが英語対応していても、情報が少なすぎる場合が多い
- OTAだけでは信頼性を得られない可能性がある
英語での情報発信は旅行のブランド力向上に繋がり、インバウンド観光客から選ばれる上で重要な役割を果たすと紹介されています。
加えて、「旅館の期待値を正しく調整する必要がある。サービスをインバウンド用に変えてほしいわけではない」という声も。
いわゆる「盛り過ぎた」写真ではなく、旅館と周辺環境や文化などを合わせたストーリーを正確に発信することが集客に繋がるとしています。
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