【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】 |
Apple Mapsとは、Appleが提供する地図アプリです。iPhoneをはじめとしたiOS端末では「マップ」という名称で、標準搭載されています。
Apple MapsにはGoogle マップのようにルート検索以外にもさまざまな機能を有しており、店舗集客においても重要な要素になります。
本記事では、Apple Mapsの特徴や機能、集客に活用するメリットについて解説します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
Apple Mapsとは?
Apple Mapsは、iPhoneなどiOS端末に搭載されているマップのことを指します。
リリースされた当初では地名の誤植などさまざまな不具合が確認されたものの、アップデートを重ね、利便性の高い地図アプリとして成長を遂げています。
ここでは、Apple Mapsについての基本情報を詳しく解説します。
Apple Mapsの特徴
Apple Mapの特徴として挙げられるのが、Apple製品との連携です。
ユーザーの検索履歴やよく使う項目の登録などの情報が、Apple WatchやiPadといったほかのデバイスからも確認することができます。
Apple Watchでマップを利用すると、曲がるタイミングで手首をタップして案内する機能などもあります。
また、Apple Mapsには、Google マップのストリートビューのような「Look around」機能や、3Dビューで上空から一部都市を眺めることができる「Flyover」機能などの機能も搭載されています。
Apple Mapsに店舗を登録できる「Apple Maps Connect」とは
Apple Maps Connectとは、Apple Mapsに店舗やビジネス情報を無料で掲載する手続きができるページです。Google マップで言うと、Googleビジネスプロフィール(Google マイビジネス)がこれにあたります。登録するには、Apple IDが必要です。サインインし、名称、住所などの店舗の基本情報を入力、審査を経て登録できます。
Googleマップとの違いは?
Google マップはGoogleが提供している地図情報サービスで、地図アプリとしてApple Mapsと似たような機能を有していますが、Apple Mapsと異なるものもいくつか見られます。
たとえば口コミです。Google マップでは店舗情報に対して5段階の評価と口コミを投稿でき、Google マップ上での店舗情報に表示されます。
Apple Mapsでは、Apple Mapsに投稿された口コミだけでなく、グルメサイトなどの口コミサイトからも引用されます。
Apple Mapsでの評価と写真は、同じAppleアカウントでサインインしている全デバイスに表示されます。ただし、この「評価と写真」機能は、すべての国や地域で提供されているわけではなく、利用可能かどうかは地域によって異なります。
また、Googleビジネスプロフィールではキャンペーン情報などを発信できる「投稿」機能がありますが、Apple Maps Connectでは実装されていません。
関連記事:Googleビジネスプロフィールの投稿機能を活用して集客する方法|効果・メリット・注意点も解説
Apple Mapsの基本的な使い方・機能
ここでは、Apple Mapsの基本的な使い方を紹介します。
1. 場所・ルートの検索
Apple Mapsを使って場所を検索するには、虫眼鏡のアイコンがある「マップで検索」に目的地を入力します。
たとえば、渋谷で検索した場合、以下のような画面が表示されます。
ルート検索は「経路」をタップすると、現在地から目的地までのルート案内が開始されます。


「出発」ボタンをタップするとルート案内が開始されます。

2. よく使う項目・ガイドの保存
Apple Mapsでは、自宅や勤務先など、よく利用する項目を地図上に登録できる機能があります。たとえば、自宅を登録しておくと、自宅から目的地の場所までのルート検索ができるようになります。
自宅や勤務先以外にも「+」ボタンでよく使う項目をカスタマイズすることも可能です。
「マイガイド」は旅行先の目的地など、地図上の場所を保存・整理できる機能です。
複数の場所を保存したガイドをほかのユーザーと共有することもできます。

3. お店の情報の表示
Apple Mapsでは、営業時間や住所、Webサイトといったビジネス情報を登録できます。基本情報のほかにも、無料Wi-Fi、子供歓迎、大人数可能、クレジットカード利用可といった店舗タイプも設定できます。
こうした情報はユーザーが事前に店舗について調べる際の重要な判断要素となるため、タイプの設定や情報の更新には注意が必要です。

Apple Mapsの評価には、Apple Maps上に直接評価するパターンと、口コミサイトからの評価が掲載されるパターンの2種類があります。
掲載される口コミには、食べログ、トリップアドバイザー、Yelp、Foursquare、じゃらん、Booking.comなどがあります。
関連記事
AppleMapsに口コミ情報を提供している6つのサイトまとめ

5. レビュー・写真投稿
レビューではカテゴリ別に「いいね」「よくないね」の2段階で評価できます。
たとえば、飲食店の評価項目には「全体」「料理・ドリンク」「カスタマーサービス」などがあります。
先述の通り、この機能は投稿者自身のみが閲覧できるものとして追加されましたが、店舗によってはこのレビューが表示されている場合があるようです。
Appleからの公式発表はないものの、今後、Apple Maps独自の口コミ機能が整備されていくことが予想されます。


6. Apple Maps版ストリートビュー「Look around」
Apple Mapsには、Googleのストリートビューのような「Look around」機能があります。
マップ画面の右上に表示されている双眼鏡のボタンをタップすると、指定した地点の周辺の景色を確認できます。


7. 3Dマップ機能「Flyover」
Apple Mapsの「Flyover」は、上空から都市を眺めることができる機能です。
iPhoneを持ちながら見たい方向に動かしたり、傾けたりすることで、都市の様子を眺められます。
日本では東京、函館、大阪、那覇などが登録されており、上空から観光名所を巡る都市のツアーも楽しめます。


8. iOS15版でARナビが登場、詳細な交通情報も
2021年9月27日に発表されたアップデートでは、ルート検索の際に、AR技術を活用して画面上に矢印が表示される機能が追加されました。
そのほかにも、3Dビューで建物の様子が確認できる機能や、車道が重なり合っているインターチェンジの3D表示化、バス専用といった詳細な車線の情報などの詳細も追加されています。
さらには、交通機関とのリアルタイムでの更新もされており、ルート案内の際、降車が近づくとApple Watchから通知される機能も新たに加わっています。


こうした機能は、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークなど、一部都市で利用できます。
<参照>Apple Newsroom:Apple Maps introduces new ways to explore major cities in 3D
Apple Mapsを集客に活用するメリット
Apple Mapsのメリットには、iPhoneユーザーに対する集客が挙げられます。StatCounterが発表する資料によると、日本のスマートフォン市場でiOSデバイスが占める割合は約60.18%(2025年3月時点)といわれています。
iPhoneにはマップが必ず搭載されており、音声検索の「shiri」でもApple Mapsの情報が提案されるなど、iPhoneユーザーから多くの利用者が見込めます。
<参照>StatCounter:Mobile Operating System Market Share Japan
機能が充実しつつあるApple Maps、Googleマップとの併用も
Apple Mapsでは、度重なるアップデートがされており、3DマップやARマップといった利便性の高いさまざまな機能が加わっています。
その利用者の多さからiPhoneユーザーに向けた店舗集客としても活用されます。
Apple Mapsでは他の口コミサイトの口コミが表示されるため、連携している口コミサイト上での口コミを増やすことも重要です。
Googleマップの整備に合わせて、Apple Mapsにも登録するなど、ユーザーの検索行動を網羅することで、より多くのユーザーに対するアプローチが可能になるでしょう。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>iPhoneユーザガイド:iPhoneの「マップ」で場所を評価したり写真を追加したりする。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月前編】最新の「観光白書」公開!インバウンドに関わる政策の変更点を徹底解説 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→最新の「観光白書」公開!インバウンドに関わる政策の変更点を徹底解説 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!