【連載:マーケティング用語・施策の基礎解説】 |
リーズナブルさと手軽さが人気のカプセルホテル。なかには女性専用フロアや充実したアメニティ、漫画やタブレット機器の貸し出し、多言語対応など、独自のおもてなしで他社との差別化を図っている施設も珍しくありません。
しかし競争が激化する中で、今後さらに集客は難しくなるでしょう。
この記事では、カプセルホテルの概要、多様なサービス、集客方法を解説します。
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カプセルホテルとは
カプセルホテルは、簡易的な間仕切りで睡眠スペースを確保することで、コストカットを実現する宿泊施設です。
以下では、カプセルホテルの概要、メリット、デメリットを解説します。
カプセルホテル概要
カプセルホテルは、宿泊者のために個室ではなく、簡易的な睡眠スペースを提供する宿泊施設です。
睡眠、入浴など、それぞれの機能を集約することで合理性を追求しており、スペースの有効活用やコストの削減につなげています。
個別の浴室がないかわりに大浴場が用意されており、宿泊者の寝室は上下左右に連なるカプセル型のスペースです。
ビジネスホテルに比べて宿泊可能人数が多いため、予約なしで宿泊できる場合が多い点も特徴です。
中には、自由にくつろげるラウンジやサウナ、女性専用フロア、タブレット機器、漫画の貸し出しなど、充実したサービスを提供するカプセルホテルもあります。
今後はいかに顧客に求められるサービスを提供し、競合施設との差別化を図れるかが、カプセルホテルの集客のカギとなるでしょう。
カプセルホテルを利用するメリット
最大のメリットはリーズナブルな価格です。
多くのカプセルホテルは、1泊につき約4,000円ほどの価格設定で、安いところでは約2,000円で宿泊できることもあります。ビジネスホテルに宿泊する場合に比べて、宿泊費を抑えられます。
また、予約なしで泊まれる可能性が高く、終電を逃した場合などにも重宝します。
深夜料金のタクシーに乗るよりも、カプセルホテルに宿泊した方が安く済むケースもあります。
カプセルホテルのデメリット
カプセルホテルのデメリットは、個室のあるホテルに比べて防犯性やプライバシーの面で劣る点です。
宿泊スペースのカプセルユニットには鍵がないため、貴重品や荷物の管理には常に気を配る必要があります。
また、上下左右のカプセルと隣り合っているため、物音が気になることがあるかもしれません。カプセルホテルでは布団一枚が敷ける程度の広さしか確保されていないため、狭いと感じる人もいるでしょう。
カプセルホテルの効果的な集客対策
カプセルホテルの多様化が進む現在、集客のために重要となるのは他社との差別化だけではありません。
口コミの獲得、外国人宿泊客のニーズへの対応など、さまざまな点から対策を組む必要があります。
以下では、カプセルホテルの集客対策を解説します。
口コミを増やす
口コミには主に2つのメリットがあります。1つは口コミを耳にした新規顧客の獲得が見込める点、もう1つはSEO対策の一環となる点です。
口コミを参考にして宿泊先を決める顧客は多く、口コミを増やすことで新規顧客の獲得が期待できます。
口コミを増やすためには、他社との差別化を図れる特長をつくることや、チェックアウト後にメッセージを送ることが有効です。
関連記事:カプセルホテルチェーン3ブランドの口コミを調査!インバウンドから高評価なのは?【ナインアワーズ / ファーストキャビン / 安心お宿】
リピーターを増やす
リピーターを増やすうえでポイントとなるのは顧客ニーズへの対応です。
また利用したいと思ってもらうことがリピーターの獲得につながるため、顧客満足度を高める必要があります。
そのためには、コンセプトやターゲットを細やかに設定して、ニーズに応じたサービスを提供すべきです。
また、顧客とのつながりを絶やさないことも大切です。
一度利用してもらった顧客に対してメールやDMなどを定期的に送り、思い出してもらうきっかけをつくることが重要です。
訪日外国人宿泊者を意識する
近年、カプセルホテルは他国にない独特の宿泊形態から訪日外国人に人気で、訪日外国人宿泊客の取り込みを積極的に行う事業者が増えています。。
日本で生まれた宿泊形態のカプセルホテルは、外国人にとって目新しいだけでなく、リーズナブルな価格設定や、わかりやすい料金体系で人気となっています。
インバウンド需要の高まりに伴い、外国人がカプセルホテルに滞在するケースも増えており、多言語対応をはじめとする外国人向けサービスが求められています。
そのようなインバウンド向けサービスを充実させることで、集客力の向上につながるでしょう。
関連記事:インバウンド接客の注意点や対策を解説!実際に使えるフレーズ15選も紹介
カプセルホテル集客のカギはリピーター増加・差別化・インバウンド対応
カプセルホテルは、リーズナブルな価格設定や予約の取りやすさが人気の宿泊施設です。
一部の施設では、女性専用フロアやフロアキーを導入しており、カプセルホテルのデメリットであったセキュリティやプライバシーの問題を解決しています。
また、貸出備品やアメニティの充実、外国語対応スタッフの配置など、独自のサービスで集客している施設もあります。
カプセルホテルの集客では、他社との差別化やインバウンド対応が重要となるでしょう。
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