次の人気商品は日本のスニーカーブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」と花月堂のジャンボめろんぱんが訪日タイ観光客に人気を博しています。
この記事では、スニーカーブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」と花月堂のジャンボめろんぱんが訪日タイ観光客にヒットした理由をご紹介します。
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
人気日本旅行番組「Majide Japan」で人気爆発の花月堂のジャンボめろんぱん
以前、訪日ラボでもお伝えした通り、台東区は浅草に店鋪を構える花月堂 雷門店の「ジャンボめろんぱん」が訪日タイ人観光客に絶大な人気を得ています。その人気ぶりは「ワイド!スクランブル(テレビ朝日系)」や「モーニングバード(テレビ朝日)」でも報じられるほどです。お店を訪れる外国人の6〜7割はタイ人が占めているとのこと。
花月堂のジャンボめろんぱんの訪日タイ人人気の理由は、タイの人気日本旅行番組「Majide Japan(Japan X)」の影響
なぜ、花月堂のジャンボめろんぱんがそんなに訪日タイ人の人気を集めているのでしょう?その理由は、タイ国内で放送されている人気番組「Majide Japan(現在は「Japan X」という番組名にリニューアル)」にあります。
この番組で数年前に紹介されたところ、訪日タイ人観光客が殺到。番組の人気リポーターのウムさんが「美味しい。外はサクサクで中はモチッとしてやわらかい」と絶賛し、これをきっかけにたくさんのタイ人が店を訪れました。
そして、実際に訪れジャンボめろんぱんを食べた訪日タイ人観光客が、SNSやPanTip(タイの有名掲示板サイト:詳細はこちら)で口コミで情報を拡散。今や浅草観光に来たら、まずは花月堂のジャンボめろんぱん!というほど訪日タイ人観光客にとって外せない観光スポットになりました。
「Majide Japan(Japan X)」とは
「Majide Japan(Japan X)」はタイ国内で放送されている日本専門の旅行番組です。タイ語表記は「มาจิเด๊ะ!Japan(Japan X)」。この番組は、京都といったメジャー観光スポットも紹介するものの、普段は日が当たらない、変わったところを紹介しているところに特徴があります。これまで取り上げたのは、千葉、茨城、熊本、山口など。
リポーターのウムさんが実際に日本各地を訪れ、そのエリアのローカルな旅情報をたっぷりと紹介してくれる番組です。ウムさんによれば「Majide Japan(Japan X)」では、番組で紹介した日本の観光スポットを、実際に視聴者が訪れた時に困らないように、分かりやすく、ありのままを伝えることをモットーにしているとのこと。タイ人が経験する可能性のあるトラブルやドタバタをそのまま伝えるのが人気の理由のようです。
王室御用達?オニツカタイガーのスニーカー
次の人気商品は日本のスニーカーブランド「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」。タイでは、若かりし頃のプミポン国王陛下がオニツカタイガーを履いていたことがSNSで拡散されたことによって、非常に人気のブランドとなっています。
オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)とは
オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)は、もともと現在の「アシックス(ASICS)」の前身となるブランドです。
1949年に鬼塚喜八郎が創業したスポーツシューズのブランドがオニツカタイガーであり、オリンピック日本代表のシューズなどを手がけ、世界的に人気のシューズブランドまで成長しました。オニツカ株式会社として上場を果たすものの、オリンピック景気の終焉で業績が悪化。1977年、他社との経営統合をし、会社名・ブランド名を現在の「アシックス(ASICS)」に改名しました。
その後、ヨーロッパにおけるレトロファッションの流行の後押しを受け、2002年にオニツカタイガーブランドが復活。映画「キル・ビル」の劇中で着用されたことからファッショナルなイメージが認知され、ブランドを復権していきました。
日本円にして1万円程度だが、タイ国内では高級ブランド
オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)のスニーカーは代表的なモデルで日本国内販売価格で1.3万円程度で、ファッションスニーカーとしては普遍的な価格帯です。しかし、タイ国内では関税や諸経費により、日本国内の販売価格におよそ30%ほど上乗せされて販売されています。タイバーツにしておよそ5,500バーツ、安価なモデルでも3500バーツほどです。
タイの大卒初任給は平均で15,000バーツ程度ですので、日本での大卒初任給と照らし合わせれば、安くて4万、代表的なモデルであれば7万円程度かかる感覚となり、なかなか手が出せない高級ブランドとなっております。
訪日タイ人観光客が日本でオニツカタイガーを買い求めるのは、本物と確証でき安いから
このように非常に高価なブランドのため、タイ国内ではオニツカタイガーの偽物が登場。およそ900バーツほどで市場に出回っています(タイ国内のオニツカタイガーの偽物注意喚起ページ)
以上のことから、訪日タイ人観光客が日本でオニツカタイガーを買い求めるのは、
- タイ国内で買うより30%ほど安く買える
- 確実に本物のオニツカタイガーを買える
という理由があるようです。
人気の秘密はプミポン国王陛下着用写真のSNS拡散
それでは、何故タイ人に日本のブランドであるオニツカタイガーがこんなに人気なのでしょうか?その秘密は若かりし頃のプミポン国王陛下がオニツカタイガーを着用していた写真がSNSで拡散されたことにあります。
タイでは国王は尊敬の対象であり、日本人の感覚では想像がつかないほどの人気があります(詳しくは訪日ラボのタイまとめ)。そのため、感覚としては芸能人着用ファッションアイテムが人気になるのと同様のブームといえるでしょう。これにより、タイ国内でのオニツカタイガーの人気度が急上昇し、不動の人気を勝ち取ったようです。
まとめ:訪日タイ人観光客のミーハーな特性はプロモーションに活用できる
今回2つの訪日タイ人観光客に人気の商品について分析してみました。訪日タイ人観光客のブームを分析してみると、
- メディアで紹介された商品や
- 有名人が使っている商品が
- SNS経由の口コミで爆発的に拡散
という特徴があり、ミーハーでSNS大好きなタイの国民性があらわれていると言えます。
タイではインフラと言っても過言ではないほどにFacebookが浸透しています。これらのことから、訪日タイ人観光客向けのプロモーションの王道は有名人を起用したプロモーションやメディアへの露出、そしてFacebookでの口コミ拡散だと言えます。
訪日タイ人向けオススメインバウンド対策の資料を無料でダウンロードする
「広告プロモーション(タイ向け)」の資料を無料でダウンロードする
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!