本日2016年7月20日、観光庁より訪日外国人消費動向調査「平成28年4月〜6月期」が発表されました。4月からの4半期は1〜3月期に引き続き9000億を維持したものの、訪日外国人観光客の個人消費額は減少傾向にあるようです。それでは、詳細を見ていきましょう。
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4月〜6月期インバウンド消費額は9,533億円
今四半期の4月〜6月のインバウンド消費額9,533億円でした。前年同期は8,893億円ですので、7.2%増加しています。また、訪日外国人旅行者数は596万人であり、前年同期の501万人に比べ19.0%増加しています。
前四半期(1月〜3月)のインバウンド消費額は9,305億円でしたので、前期に引き続き9,000億を維持しています。しかしながら、1人あたりの旅行支出は減少傾向にあり、訪日外国人数の増加により維持している状況です。それでは1人あたりの旅行支出について見ていきましょう。
1人あたり旅行支出は約16万で減少傾向
今期の訪日外国人観光客1人当たりの旅行支出は159,930円で、前年同期の177,546円に比べ9.9%減少しています。
前四半期(1月〜3月)の訪日外国人1人あたり旅行支出は161,746円でしたので、前年比、前四半期と比較して減少傾向にあるようです。
国籍・地域別では、ベトナムが23万8千円(前年同期比13.7%増)、オーストラリアが23万4千円(同4.5%減)と個人支出が高い傾向にあります。オーストラリアは前四半期においても増加傾向にありました(28万5,060円/前年同期比15.1%増加)。
中国は22万円となり、前年同期(28万5千円)に比べ22.9%減少し、爆買いブームの衰退、モノからコトへのトレンドシフトが見て取れます。また、円高の影響も訪日中国人観光客の1人あたりの支出額へ影響しているものと思われます。
爆買いブームの衰退や円高の影響については以下の記事でも触れています。
国別インバウンド消費額は中国、台湾が減少傾向
国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額を見ていくと、相変わらず中国が3,530億円、構成比37.0%と最も大きい状況です。
しかしながら、前年同期の3,582億円、構成比40.3%より減少していることが見て取れます。続く台湾も台湾1,427億円、構成比15.0%も前年同期比で減退傾向にあります。
米国、タイが、1人あたり支出&訪日外国人数増加で台頭しつつある
逆に成長株として顕著なのが米国とタイです。両国は1人あたり旅行支出・訪日外国人旅行者数ともに上昇傾向にあります。
米国の旅行支出は、前年同期比4.9%上昇の190,344円、訪日外国人旅行者数は前年比21.2%上昇で351,551人となっており、またタイも旅行支出が4.6%アップで141,299円、訪日外国人旅行者数も8.9%アップで263,792人となっており、両軸での底上げとなっています。
そのため、国別のインバウンド消費額ではタイが前年比46億アップの373億円、米国は142億円アップで669億円となり、今後の成長に期待できそうな傾向にあります。
費目別の訪日外国人旅行消費額では、買い物台が減少傾向
費目別に旅行消費額の構成比をみると、買物代が最も多く37.8%(3,603億円)です。しかしながら、前年同期(43.4%/3,856億円)と比較すると比率・額ともに減少傾向にあることが分かります。
これは現状インバウンド消費全体を支えている訪日中国人観光客の買い物代の割合が減少したことによる影響が大きいものと思われます。その他は、前年同期に比べ宿泊料金や飲食代、交通費の構成比が拡大しています。
訪日ロシア人の1人あたりの買い物台が中国に続いて2位
訪日外国人1人あたり旅行支出を見てみると、買物代は、もちろん中国が12万4千円と1位。意外なのはロシアが続いて9万8千円と2位につけていることです。
その他、宿泊料金を見てみると、ドイツが11万3千円と最も高く、次いでスペイン、オーストラリア、英国の順となっています。
まとめ:訪日外国人旅行者数は増えているものの、1人あたり旅行支出が減少傾向
現状、4半期9000億を維持しているものの、インバウンド消費を支えている中国、台湾の1人あたり旅行支出に減少傾向が見られます。
やはり為替レートでの円高の影響が見られるようです。かたや、訪日外国人旅行者数は全国籍を見通して増加傾向にあり、1人あたりの旅行支出減少を補っている形になっているようです。
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