宿泊客が宿泊施設の仕事を手伝う代わりに、無料で宿泊が出来るフリーアコモデーション(※通称フリアコ)ですが、日本においても徐々に知られて来ていますが、就労資格の無い外国人を働かせてしまうと、入国管理法違反となってしまいます。実際に今年10月には東京、大阪、京都、北海道などでホステルを経営するカオサングループの運営会社の社長、責任者ら3名と外国人2名が逮捕されています。 実際にフリアコを合法で行う事は可能なのでしょうか?
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外国人の在留資格がすべて
外国人が日本で労働を行うにはそれに応じた在留資格が必要で、在留資格は現在27種類あります。海外と同じ感覚でフリーアコモデーション利用者=旅行者として考えると、彼らの持つビザは観光ビザとして知られる短気観光ビザですので、当然就労は違法行為となります。また、一般的な就労ビザは、外交ビザ、芸術ビザ、報道ビザ、高度専門職ビザ、医療ビザなど、何らかの分野での専門家として日本での就労が許可されるものですので、フリーアコモデーションで旅行者にしてもらう仕事としてイメージしがちな施設の清掃、フロント業務などで、就労許可が発給されることは無いと言えるでしょう。
その中で唯一可能性があるものが、「二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度」であるワーキングホリデー制度です。これはワーキング・ホリデー制度の利用者は、滞在期間中の旅行、滞在資金などを補うための付随的な就労が認めらていることによるものです。
日本は昭和55年(1980年)にオーストラリアとの間でワーキング・ホリデー制度を開始していますが、現在はオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、オーストリアの合計16カ国、地域との間でワーキングホリデー制度を実施しています。なお、こうした国、地域のワーキングホリデー制度の利用者をフリーアコモデーションで住み込みをさせる場合、こうした国、地域の旅行者は14日以内に市区町村の窓口においてその旨を届け出る必要があります。
ビザを申請する場合
非常に手間のかかる方法であまり現実的ではありませんが、フリーアコモデーションの利用者に就労ビザを申請するという方法もないわけではありません。27種類の在留資格の中には、通訳、マーケティング業務従事者などに発給される「技術・人文知識・国際業務」ビザも存在します。外国人にしてもらう仕事を掃除、受付などではなく、他の旅行者との通訳、外国から宿泊客を呼び寄せるマーケティングという内容にすれば、「技術・人文知識・国際業務」ビザで申請は出来るでしょう。しかし申請には業務知識に関しての証明(大学などの卒業証明、日本語能力の証明など)が求められますし、この人でなければならないという明確な理由が必要です。
日本に限らず、基本的にビザというものは、「自国内で募集をかけたが該当する候補者がいないため、外国からその能力を持つ人を呼び寄せ、その人のための在留資格として申請するもの」ですので、そもそもフリーアコモデーションの利用者がこれに該当するのか?というのは疑問が残るところです。
違反するとどうなるのか?
不法就労に関する罰則は厳しく、不法就労した外国人だけでなく,不法就労させた事業主も処罰の対象となります。例えば何も考えずに、観光ビザを持つ旅行者をフリーアコモデーションで働かせた場合、入国管理局から就労許可を得ていないのに働いた、働かせたことになります。また、何らかの就労許可を得ている外国人をフリーアコモデーションで働かせた場合、入国管理局から認められた範囲を超えて働いた、働かせた事で違法となります。
外国人に不法就労させたり,不法就労をあっせんした場合、施設側は「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役・300万円以下の罰金となります。また、不法就労させたり,不法就労をあっせんした外国人事業主の場合、退去強制の対処となります。また、不法就労していた外国人は強制送還の対象となります。
まとめ
フリーアコモデーションを日本で合法に行う事が出来るのか?という問に対する回答としては、 「ワーキングホリデー制度利用者であれば問題ないが、それ以外は極めて難しい」 と言えるでしょう。ビザを申請するという方法も無きにしもあらずですが、ビザを申請するほどの専門知識を持つ外国人は、フリーアコモデーション利用者ではなく扱い上は完全に従業員であると言えます。不法就労をさせてしまうと事業主側の罰則も極めて重いものですので、フリーアコモデーションを検討している事業主の方は、十分に気をつけたほうが良いでしょう。
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インバウンド対策で外国人雇用するときの5つの注意点・留意点 外国人雇用関連法令・制度のほか国民性などに注意
先日10月12日、北海道は札幌で訪日外国人観光客に関する変わったニュースがありました。北海道新聞によれば、札幌のホステルが、訪日外国人観光客を無料で泊まらせることを条件に、宿泊施設内で清掃などをしてもらったとのこと。しかしながら、この訪日外国人観光客は「短期滞在」の在留資格で、就労資格は無い外国人であり、また宿泊料無料の条件である宿泊施設の清掃は就労にあたるとして、このホステルの社長など3名が社長ら3名も不法就労助長罪の疑いで現行犯逮捕されることになりました。ニュースとしては事実のみの記述...
<参考>
- 入国管理局:外国人を雇用する事業主の皆様へ 不法就労防止にご協力下さい
- 入国管理局:在留資格一覧表
- 外務省:ワーキング・ホリデー制度
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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