国立公園の充実化までもうすぐ? 訪日外国人観光客の誘致に向け、プロジェクト素案を策定中

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平成28年(2016年)3月30日に政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」により、国立公園観光資源としての水準を引き上げる「国立公園満喫プロジェクト」が実施されることになりました。2020年までに国立公園を訪れる外国人利用者数を年間430万人から約2.5倍の1000万人にまで引き上げることが目標とされています。

それから約8ヶ月が経っています(執筆現在)が、どのような取り組みが進められているのでしょうか。

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重点的にテコ入れされるのは8つの国立公園

明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」では「国立公園満喫プロジェクト」のもと、民間施設の誘致、アクティビティの充実化などを重点的に行う国立公園を定めることとされていました。なお、詳細はこちらの記事でご確認ください。

最初は5か所程度とされていましたが、地方自治体からの誘致合戦が起こり、最終的には以下の8か所が選定されました。

  • 阿蘇くじゅう国立公園(熊本県):大きなカルデラにそびえる阿蘇山、火山群、雄大な草原などが見られる
  • 阿寒国立公園(北海道):北海道で最も歴史ある国立公園。大部分が針葉樹林を中心とする天然林に覆われる
  • 十和田八幡平国立公園(青森県、岩手県、秋田県):十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田山を楽しめ、多様な生態系、湿原などを持つ
  • 日光国立公園(栃木県、群馬県、福島県):世界遺産に登録された神社仏閣、それを取り巻く自然景観
  • 伊勢志摩国立公園(三重県志摩半島):伊勢神宮、その背後に広がる自然豊かな森林環境、リアス海岸
  • 大山隠岐国立公園(鳥取県、岡山県、島根県):出雲国に伝わる「国引き神話」の舞台。火山、森林、草原など多様な自然を持つ
  • 霧島錦江湾国立公園(鹿児島県、宮崎県):日本で最初の国立公園。さまざまな自然環境を残し、桜島を望める
  • 慶良間諸島国立公園(沖縄県慶良間諸島、周辺海域):大半が海域で、サンゴ礁、ザトウクジラの繁殖海域などを有する

 

「阿寒国立公園ステップアッププログラム 2020」:2020年までに取り組む施策を提案

南北に広がる日本には多種多様な気候を持つ地域があります。全国各地から選定された8か所の国立公園は、当然ながら”個性派”揃いとなっています。そのため、2016年から2020年までの5年間に行う具体的な取り組みをまとめた「ステップアッププログラム 2020」は、各国立公園ごとに制作されています。画一的な方針を取るのではなく、それぞれの特徴を活かそうという狙いなのでしょう。

さて、それぞれの国立公園で、「ステップアッププログラム 2020」の策定に向けた会議が行なわれていますが、一足早く阿寒国立公園で素案が公開されました。その内容をざっくりご紹介しましょう。

利用者人数は99年をピークに減少傾向:施設の老朽化などが問題?

阿寒国立公園の利用者数は平成25年(2013年)時点で353万人。約800万人の利用者がいた1999年をピークに年々、減少しています。特に訪日外国人観光客は平成27年(2015年)時点で、6.3万人とふるっていません。

この原因はいくつか考えられますが、不十分な案内やサービス、アクセスの悪さ、「廃屋のよう利用者に負の印象を与える施設」による景観の悪化など、時代に合わせた刷新が図られていなかったようです。観光資源としてのポテンシャルはあるものの、観光しにくい場所になっていたわけですね。

阿寒国立公園が目標とする2020年の訪日外国人観光客数は、15万人。これは同公園が位置する北海道が掲げた訪日外国人観光客数の増加目標(2015年208万人 → 2020年500万人/約2.4倍)に準じています。

2020年までにツアープログラムの開発、アクセス面での改善など

素案では、「現在も噴気活動を続ける火山性の山々、それらを包むように広がる天然林、山麓には阿寒湖、摩周湖、屈斜路湖に代表される湖が点在する」阿寒国立公園の特色は、「『火山と森と湖』が織りなす雄大な景観」にあるとされています。先に取り上げた施設、利便性の改善も含め、以下のような施策が提案されています。

  • アクセス面での改善:平成29~30年(2017~2018年)に主要交通拠点である釧路空港、女満別空港、中標津空港に、多言語対応した案内板を設置。2020年には「阿寒摩周国立公園」(仮称)に名称を改め、各種標識の設置などを行う
  • ツアープログラムの開発:「マリモ観察ガイドツアー」「川湯温泉や硫黄山周辺での通年アクティビティー」など
  • 質の高い利用環境を提供するための施設整備:展望台の再整備、つつじヶ原探勝路の再整備など
  • ロングトレイル、サイクリングロードの設置

まとめ:「国立公演満喫プロジェクト」の本格始動はもうすぐ

平成28年(2016年)3月30日に政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」により、国立公園観光資源としての水準を引き上げる「国立公演満喫プロジェクト」が実施されることに。2020年までの計画を掲載した「ステップアッププログラム 2020」が各公園向けに制作されています。

各地の国立公園によるInstagramアカウントが開設されるなどの動きも見られますが、訪日外国人観光客増加に向けての施策が本格始動するのは、もう少し先のことになりそうです。

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2023年年間の訪日外客数は2,500万人を突破。外国人消費額は5兆円で、過去最高額となっています。また、2024年1月の訪日外客数が268万8100人となり、2019年1月(268万9339人)とほぼ同数となったと発表され、今後さらなる伸びが見込まれます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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