2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される東京都は、日本経済の中心地。インバウンドビジネスでも活躍を見せていると同時に、成田空港、羽田空港からのアクセスが良いため、近隣地域にとっては訪日外国人観光客の大きな流入口のような役割を果たしています。
東京都は平成29年(2017年)1月、さらなるインバウンド市場の活性化などを視野に入れた「PRIME 観光都市・東京~東京都観光産業振興実行プラン2017~」を発表しました。日本観光の屋台骨を支える同自治体の動向は、周辺の自治体にも影響することが明らかです。いったいどのような方針を立てているのでしょうか。
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2020年に訪日外国人観光客の6割以上を獲得!?
昨平成28年(2016年)、政府は「明日の日本を支える観光ビジョン」を発表し、2020年における訪日外国人観光客の目標数を2倍の4000万人に引き上げました。同年にはかつての目標値2000万人を突破しており、訪日旅行分野は順調にパイを拡大しています。
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こうした動きを受け、「PRIME 観光都市・東京~東京都観光産業振興実行プラン2017~」でも目標値の修正が行なわれました。詳細は以下の通りとなっています。
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2020年の目標値(インバウンド)
- 訪日外国人観光客数:2,500万人(2020年)、3,000万人(2024年)
- 訪日外国人リピーター数:1,500万人(2020年)、1,800万人(2024年)
- 訪日外国人消費額:2兆7,000億円
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2020年の目標値(国内)
- 訪都国内旅行者数:6億人
- 訪都国内旅行者消費額:6兆円
注目すべきは、かなり大きな数値が設定されている訪日外国人観光客数でしょう。政府目標である4000万人(2020年)のうち、約6割にあたる2500万人を東京で確保する計算になっています。また、2030年の政府目標は6000万人なのですが、この半数を2024年時点で獲得することを目指すとしています。
これに比べると、2020年の訪日外国人消費額は、2兆7,000億円は政府目標8兆円の約3割とかなり控えめです。「成田空港、羽田空港から訪日外国人観光客が入ってくることは間違いないものの、その後は他県へと移動するため短期間しか滞在しないだろう」といった想定をしているのかもしれません。
東京都の観光振興だけでなく、各地のゲートウェイとしての役割も
この数値目標達成に向けて取り組む「東京の観光産業振興に向けた6つの戦略」は以下の通り。これらは平成29年度に実施される予定です。
- 消費拡大に向けた観光経営
- 集客力が高く良質な観光資源の開発
- 観光プロモーションの新たな展開
- MICE誘致の新たな展開
- 訪日外国人観光客の受入環境の向上
- 日本各地と連携した観光振興
日本全体として見ると、影響が大きいのは「日本各地と連携した観光振興」。近隣地域ではなく「日本各地」としている点から、「訪日外国人観光客のゲートウェイ」としての自負が見て取れるのではないでしょうか。
以下、特徴的な施策の内容を抜粋してご紹介します。
消費拡大に向けた観光経営
「消費拡大に向けた観光経営」として掲げているのは、Wi-Fi環境の整備、案内表示の多言語化、訪日外国人観光客に関するデータの民間への提供といった事業で、インバウンドビジネスに取り組む事業者を裏から支えるような内容です。
右肩上がりに上昇を続ける訪日外国人観光客数の増加で、宿泊施設が不足しているのは東京都でも同様ですが、旅館などはまだ受け入れる余地があるとのこと。このブランド化、情報発信といった施策を行い、訪日外国人観光客が利用しやすくする方針です。
MICE誘致の新たな展開
MICE(マイス)とは多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。誘致することで消費額の拡大だけでなく、国内外での技術的交流も見込めると考えられており、近年、国際的な競争が激化しています。
東京都はさらなる誘致を目指し、官民一体となった「東京都MICE連携推進協議会(仮称)」を設立する方針を示しています。また、誘致には地域独特の体験ができる建造物や空間「ユニークベニュー」が必要だと言われており、新規に活用できる施設の改修などを進めていく予定です。
日本各地と連携した観光振興
東京にいながらにして日本各地の魅力を理解できるよう、物産展、アンテナショップなどを活用したプロモーションを実施する予定。飛行機を使って東京近辺の空港から各地に移動するような、スピーディーな導線の構築を想定しているようです。
まとめ:インバウンドビジネスを支える屋台骨
東京都は、日本各地に訪日外国人観光客の流れを作ることなどを目指す「PRIME 観光都市・東京~東京都観光産業振興実行プラン2017~」を発表しました。2020年には政府目標の約6割にのぼる訪日外国人観光客数2,500万人を獲得するとしている一方で、各地のプロモーションを行い、近辺の空港から訪日外国人観光客に遊びに行ってもらう施策などを発表しています。
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