国際会議に代表されるMICE(マイス)。そのMICEを誘致することの経済効果は非常に大きいと言われています。観光庁の調査では、日本全国の 2015年のMICEによる経済効果の総額は5905億円 となり、会議に参加した外国人1人当りの消費額は約26万4000円 で、一般的な訪日外国人1人あたりの旅行支出を 10万円程度上回る 結果となり、今後の日本のインバウンド市場の底上げに貢献するものとして期待が集まっています。
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- 改めてMICE(マイス)とは何か?
- MICE(マイス)のM(ミーティング)、I(インセンティブ)の状況:インバウンド市場オフシーズンを穴埋めする効果が!?
- MICE(マイス)のC(コンベンション)の状況:実はアジア地域では1位の開催件数、世界でも7位の規模
- MICE(マイス)のE(エキシビション/イベント)の状況:インバウンドでも集客力のある「モーターショー」の来場者数が頭一つ抜ける
- MICE(マイス)をめぐる動き
- 【「明日の日本を支える観光ビジョン」にMICE(マイス)誘致の促進が位置づけ】
- 【ユニークベニューベストプラクティス集の作成】
- 【「MICE(マイス)誘致アンバサダー」に8人を認定】
- 【地域特性を活かしたMICE(マイス)推進の調査実施】
- 【青森市を国際会議観光都市に認定】
- 【大型国際会議の誘致決定相次ぐ】
- 【「ジャパン・トラベル・ウィーク」の開催】
- 【東京都が「ビジネスイベンツ先進エリア」を決定】
- まとめ:今後もインバウンド市場におけるMICE(マイス)活用の重要性は高い
目次
改めてMICE(マイス)とは何か?
一般化した用語ではあるMICE(マイス)ですが、実際にはどういったものを指すのでしょうか?MICEはそれぞれ
-
M:Meeting(ミーティング)
- 企業等の会議
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I:Incentive Travel(インセンティブ・トラベル)
- 企業等の行う報奨・研修旅行
-
C:Convention(コンベンション)
- 国際機関・団体、学会等が行う国際会議
-
E:Exhibition/Event(エキシビション/イベント)
- 展示会・見本市、イベント
の略称となっており、こうしたものを総称して MICE と言っています。
MICE(マイス)のM(ミーティング)、I(インセンティブ)の状況:インバウンド市場オフシーズンを穴埋めする効果が!?
旅行年報2016によると、ミーティング、インセンティブ分野は、統計データも未整備であり、各分野の全体的な現況把握が困難とのことですが、インセンティブ旅行に関してはそれぞれの市場ごとにデータがあります。
東南アジアからのインセンティブ旅行は、タイ、マレーシア、インドネシアが活発 であり、タイからのインセンティブ旅行については、15年は、タイからの訪日旅行のオフシーズンである1月・2月から3月にかけて好調 で、日本の自動車メーカーのタイ販売子会社のインセンティブツアーなどが見られたとのことです。マレーシアからのインセンティブ旅行については、堅調な経済成長を背景に増加、インドネシアからのインセンティブ旅行も好調でした。
インバウンド・外国人観光客が多い時期がひと目でわかる「インバウンドカレンダー」:全国籍&アジア(中国、台湾、香港、韓国、タイ)編
インバウンド市場において需要がもっとも高まる7月、8月といった夏休み・バカンス期間を過ぎ、そろそろ10月の紅葉需要が喚起される時期となりました。インバウンドビジネスにおいて、どの国の訪日外国人観光客がどの月・タイミングで訪日外客数が増減するのか、いわばインバウンドカレンダーを押さえることは、戦略的に重要となります。今回は、国籍別に月別訪日外客数を、2013年〜2016年まで集計。訪日需要が高まるタイミングと、その背景にある理由や各国の長期休暇時期についてインバウンドカレンダーとしてまとめま...
MICE(マイス)のC(コンベンション)の状況:実はアジア地域では1位の開催件数、世界でも7位の規模
旅行年報2016によると、コンベンションに関して、分野別では、「科学・技術・自然」が最も多く、次に「医学」と続いています。規模は、「100~199人」が最も多く、次いで「100人未満」のコンベンションが多くなっています。
都市別の開催件数は東京(23区)が最も多く、2位が福岡市となっており、この上位2位は長らく不動の地位を築いています。開催件数ではパシフィコ横浜がトップとなります。
国際的に見ると2014年に世界で開催された国際会議数は世界全体で 12,076件(前年比571件増) でした。このうち日本での開催数は 355件(前年比18件増)で、日本としては過去最高の件数 となりました。世界の中での順位としては、昨年同様にアジア・オセアニア・中東地域で1位、世界で7位となっています。
MICE(マイス)のE(エキシビション/イベント)の状況:インバウンドでも集客力のある「モーターショー」の来場者数が頭一つ抜ける
2015年に日本で開催された展示会の件数は 689件(前年比0.6%、4件増) 。出展者数は 119,747社・団体(前年比14.6%増、15,215社増) でした。
2015年に開催された展示会で最も来場者数が多かったのは 「第44回東京モーターショー2015」(会場:東京ビッグサイト)の812,500人、次いで「東京オートサロン2015 with NAPAC」(会場:幕張メッセ)の309,649人 となりました。なお、最も出展者数が多かったのは一昨年、昨年に続き「FOODEX JAPAN2015(第40回国際食品・飲料展)」(会場:幕張メッセ)の2,977社・団体(2014年2,808社・団体)となっています。
MICE(マイス)をめぐる動き
【「明日の日本を支える観光ビジョン」にMICE(マイス)誘致の促進が位置づけ】
16年3月に閣議決定された「明日の日本を支える観光ビジョン」において、MICE(マイス)については10の改革の1つ「あたらしい市場を開拓し、長期滞在と消費拡大を同時に実現」の中に位置づけられています。
明日の日本を支える観光ビジョンとは?わかりにくい政府や観光庁の取り組みの構造をまとめました
政府は観光先進国への新たな国づくりに向け、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議を行い「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。しかしその取り組みについてわかりづらくなっています。そこでこの記事では、政府の取り組みの全体像についてわかりやすく解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次観光立国に向けた政府の取り組み、団体などの相関図インバウンドに関わ...
【ユニークベニューベストプラクティス集の作成】
観光庁では、ユニークベニュー(=会議・レセプションを開催することで特別感や地域特性を演出できる歴史的建造物や公的空間等)の開発・利用を促進するため、施設関係者、利用事業者、自治体関係者等からなる「ユニークベニュー利用促進協議会」(13年8月設置)において検討を重ねており、15年7月には、ユニークベニューの開発・利用促進のための制度の運用上の課題などを整理し、利用者施設管理者等の参考となる好事例集「ユニークベニュー ベストプラクティス集-地域ならではの施設の新たな可能性に向けて-」が取りまとめられています。
【「MICE(マイス)誘致アンバサダー」に8人を認定】
JNTOは15年8月、大学教授など8人の方々を「MICE(マイス)誘致アンバサダー」として認定。これは日本の国際会議件数の増加や日本国内における国際会議開催の意義に対する理解度の向上、並びに海外における日本のプレゼンス向上を目的としたものです。
【地域特性を活かしたMICE(マイス)推進の調査実施】
観光庁は15年度に「地域の特性を活かしたMICEの推進に係る調査事業」を実施。「日本の地域の多様性を活かしたMICE推進のあり方の検討」「大学のカンファレンスサービス機能、及び大学・自治体等の連携のあり方の検討」「グローバルMICE(マイス)強化都市(15年6月選定の札幌市、仙台市、千葉県千葉市、広島市、北九州市)への情報提供」の3項目に関する調査検討が実施されています。
【青森市を国際会議観光都市に認定】
観光庁は15年7月、青森市を国際会議等の誘致の促進および開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律(コンベンション法)に基づき、53都市目の「国際会議観光都市」として認定。青森市は国際会議等の誘致に関する情報提供や海外における国際会議観光都市の宣伝などの誘致・開催支援を受けながら、公益社団法人青森コンベンション協会をはじめコンベンション施設、宿泊施設、交通事業者など観光・経済・商工団体等との連携を強化していきます。
【大型国際会議の誘致決定相次ぐ】
15年6月に、MICE(マイス)アンバサダーによる国際会議誘致案件2件の日本開催が決定しました。両会議とも日本初開催の大型国際会議であるとともに、「MICEアンバサダープログラム」開始以降、MICEアンバサダーによる初の日本誘致成功案件となります。誘致に成功したのは「国際影響評価学会世界大会(16年5月・名古屋開催)」「第25回世界博物館大会(19年9月・京都開催)」の2件となります。
【「ジャパン・トラベル・ウィーク」の開催】
世界最大規模の国際観光イベント「ジャパン・トラベル・ウィーク」が、15年9月25日~10月1日の日程で、14年に引き続き開催されました。これは「ツーリズムEXPOジャパン」とインバウンド旅行商談会である「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート」、さらに東京丸の内で青森のねぶたを巡行させる「JAPAN NIGHT」を同時開催することで、イベントの相乗効果を狙ったものとなります。
【東京都が「ビジネスイベンツ先進エリア」を決定】
東京都は14年10月、会議・展示、宿泊施設などのMICE(マイス)施設が集積するエリアで、関連する主体が一体となって受入環境整備に取り組む団体などを「東京ビジネスイベンツ先進エリア」として指定。2017年7月にはこのエリアに日本橋・八重洲エリア、品川・田町・芝・高輪・白金・港南エリア、八王子エリアが決定しています。誘致費用の助成のほか、窓口整備や誘致イベント開催などを後押しするとしています。こうした取り組みで、東京都は2024年の都内での国際会議の開催数を16年比で5割増の330件に伸ばす計画を立てています。
まとめ:今後もインバウンド市場におけるMICE(マイス)活用の重要性は高い
冒頭でもご紹介したように、MICE(マイス)に関連して日本を訪れる訪日外国人の旅行支出は、平均的な訪日外国人の旅行支出を大きく上回っています。 MICE(マイス)を誘致することは、市町村にとっても町の整備に繋がり、地方誘致・地方創生に貢献するという側面もあり、今後も引き続きMICE(マイス)の重要性は高まっていくでしょう。
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