明日の日本を支える観光ビジョンとは?わかりにくい政府や観光庁の取り組みの構造をまとめました

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政府は観光先進国への新たな国づくりに向け、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議を行い「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。

しかしその取り組みについてわかりづらくなっています。

そこでこの記事では、政府の取り組みの全体像についてわかりやすく解説します。

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観光立国に向けた政府の取り組み、団体などの相関図

インバウンド関連政府取り組み相関図
インバウンド関連政府取り組み相関図

日本のインバウンド政策や「観光立国」という目標は、『改革なくして成長なし』で有名であった小泉内閣が打ち出した、いわゆる「骨太の方針」からスタートします。

当時首相であった小泉首相は、「骨太の方針」の第2段として、2002年、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」を閣議決定します。これにて、2003年から訪日旅行を促進すべし、と決定されたことが日本のインバウンドの原点と言え、ビジット・ジャパンキャンペーンをはじめとした様々な取り組みが開始されます。

そのなかでも重要となるものを解説していきましょう。

インバウンドに関わる政府方針・決定・法律

「ビジット・ジャパンキャンペーン」

ビジット・ジャパンキャンペーンの概要:観光庁より引用

ビジット・ジャパンキャンペーンの概要:観光庁より引用

ビジット・ジャパンキャンペーン」は、前述の経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002にもとづき、2003年から始まる訪日外国人旅行客の促進活動です。国土交通大臣が実施本部長となり、関係省庁および民間団体・企業が参加・協力をしています。

「観光立国推進基本法」

観光立国推進基本法の概要:観光庁より引用

観光立国推進基本法の概要:観光庁より引用

観光立国推進基本法」は、1963年制定の観光基本法を全部改定する形で、2006年に閣議決定、2007年より施行された観光立国実現のための基本理念を定めた法律です。この法律により、後述する観光立国推進基本計画を定めることが決められています。

「観光立国推進基本計画」

観光立国推進基本計画で定められた目標:観光庁より引用

観光立国推進基本計画で定められた目標:観光庁より引用

観光立国推進基本計画」は、前述の観光立国推進基本法にもとづき、観光立国の実現に関する基本的な計画として閣議決定された方針です。2007年に決定し、その後2012年に現状にあわせる形で改定されています。

2012年の決定でのインバウンドに関わる主要なものは、

  • 2016年までに訪日外国人観光客を1,800万人にする
  • 2016年までに、訪日外国人消費動向調査で、「大変満足」と回答する割合を45%、「必ず再訪したい」と回答する割合を60%とする
  • 2016年までに、国際会議の開催件数を、当時の5割増加させる
  • 2016年までに日本人による国内旅行、訪日旅行での国内旅行消費額を、30兆円にする

などが目標として定められました。

「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」(2016年以降「観光ビジョン実現プログラム(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム)」)

2016年からより具体的になった「観光ビジョン実現プログラム(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム)」:観光庁より引用

2016年からより具体的になった「観光ビジョン実現プログラム(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム)」:観光庁より引用

観光立国実現に向けたアクション・プログラム」は、内閣総理大臣が主宰する観光立国推進閣僚会議によって策定される指針です。観光立国推進閣僚会議は、観光立国の実現に向けた施策をとりまとめ、観光立国実現に向けた施策について、関係行政機関の綿密な連携を確保し、その効果的な推進を図ることを目的としています。

観光立国実現に向けたアクション・プログラム」は、2013年以来毎年策定されており、主要な取り決めは

  • 2020年までに訪日旅行者数2000万人(2013)
  • ビザ緩和政策(2013,2014,2015)
  • 東京五輪に向けた施策(2014)
  • 免税制度拡大、地方創生促進(2015)

となっています。

また、2016年からは「観光ビジョン実現プログラム2016(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2016)」と名称変更しており、後述の明日の日本を支える観光ビジョンを実現するための短期的な行動計画という位置づけに変わっています。

「明日の日本を支える観光ビジョン」

明日の日本を支える観光ビジョンで定められた新たな目標:観光庁

明日の日本を支える観光ビジョンで定められた新たな目標:観光庁

明日の日本を支える観光ビジョン」は『観光先進国』への新たな国づくりに向けて政府が策定するものです。昨今のインバウンド市場の急激な成長を踏まえ、新たな施策・目標を取り決めています。ここで決められた新たな目標は、

  • 訪日旅行者を2020年までに4000万人、2030年までに6000万人に
  • 訪日外国人旅行消費額を2020年までに8兆円、2030年までに15兆円に

といったものです。

「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」に見るインバウンドビジネスの動向:2016~2020年

平成28年3月30日、第2回となる「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」が行われました。訪日外国人旅行者2000万人という目標が達成できる見通しであることを踏まえ、内閣の面々が有識者とともに新たな目標、必要な対応の検討を行うものです。まだ案の段階ではあるものの、ここで発表されている資料には2016~2020年までの展望が示されており、インバウンドビジネスに取り組むうえでの参考になります。今回は「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を要点に絞って解説していきます。目次目標は大幅に前倒...

まとめ:日本政府のインバウンド施策の全体像を把握しよう

以上のように、政府は「観光立国推進基本法」をもとにして、目標設定、施策・計画の決定・実行をしています。これらによる訪日旅行促進キャンペーンの全体像を「ビジット・ジャパンキャンペーン」と呼び、その企画を主に観光庁や閣議、そしてプロモーションの実行をJNTOや関連民間団体が担っている、という格好です。これらの全体像を把握することで、政府関連のインバウンドニュースの理解促進に役立てていただければと思います。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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