"公正取引委員会 独禁法違反の疑いでAirbnb(エアービーエヌビー)を立ち入り検査 来年6月の民泊新法施工時の運営事業者登録への影響も

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一般住宅に宿泊者を宿泊させる「民泊」が日本でもポピュラーになってきました。2018年6月には 民泊新法住宅宿泊事業法 の施行の話も出ており、民泊事業者の事前登録の受け入れについても来春を目処に行われるとされています。

そんな中、民泊世界最大手のサービスであるAirbnb(エアービーエヌビー)が、民泊代行業者に、他の民泊仲介サイトと取引をしないよう求めたとして、独占禁止法の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けていた ことが明らかとなりました。

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そもそもAirbnb(エアービーエヌビー)とは

Airbnb(エアービーエヌビー)はそもそもアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで2008年に始まったサービスです。世界中にあるユニークな宿泊施設を、PCやスマートフォンから簡単に検索、予約、宿泊出来る手軽さから、現在では民泊世界最大手のサービスとなっています。Airbnb(エアービーエヌビー)の本社によると、日本で掲載されている民泊がもたらした経済効果は2016年に 9200億円 となり、2015年と比較して8割増だったとする推計をまとめています。日本国内で利用しているのは訪日外国人が多く、この数は370万人強と2015年の2.7倍となったといいます。

Airbnb(エアービーエヌビー)の根底になるのは「シェアリングエコノミー」という考えで、基本的には個人が有する遊休資産を貸し出し、貸主はそこから収入を、借主は所有することなくこうした遊休資産を使用することが出来るというものです。こうした「シェアリングエコノミー」は、カリフォルニアのシリコンバレーのITベンチャーを中心に広まった考え方で、Airbnb(エアービーエヌビー)はこの中でも「シェアリングエコノミー」の考え方をビジネスに取り入れた最初期の企業であったと言えます。

シェアリングエコノミー」の考え方を取り入れたビジネスを展開しているのは、Airbnb(エアービーエヌビー)の他には日本でも知られるようになってきたカーライドシェアサービスサービスである Uber(ウーバー) などが有名でしょう。アメリカにおけるシェリングエコノミーの市場規模は、2013年に約150億ドルの市場規模が 2025年には約3,350億ドル規模 に成長するとする試算もあります。

民泊の仕組みもおさらい

そもそもの民泊の仕組みとしては、

  • 民泊仲介サイトに、民泊のホストが空き部屋や空き家などを民泊可能な物件として登録を行い
  • 民泊仲介サイトから民泊を予約した宿泊者が民泊へと宿泊
  • 宿泊客が民泊仲介サイトに支払った宿泊代金から手数料などが差し引かれた民泊のホストに支払われる

というものです。当初は自宅の空き部屋、空き部屋が埋まらない集合住宅のオーナーなどが民泊オーナーとして、Airbnb(エアービーエヌビー)に代表される民泊仲介サイト の利用を初めたものですが、こうした民泊が世界的に大きな流れになると同時に、ビジネスとして儲かるのではと考えた企業が、民泊のホスト業務の代行を行う形で民泊代行業者 が一気に増加しました。

民泊の代行業者に関しては、業者によって業務内容が若干異なっていますが、基本的には物件を所有している人が民泊ホストを行う上で必要になる予約管理、メッセージなどの対応、物件自体の案内、鍵の受け渡し、清掃などを代行します。業者によっては、ホストが物件を用意した後は、民泊物件として必要な設備としてWiFiの導入、ホームページ作成、鍵交換、ウォーターサーバーなどの導入から請け負っている企業も存在します。国内では数百社が存在し、10数社存在する民泊仲介サイトへの登録その他の業務を請け負っています。

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Airbnb(エアービーエヌビー)が民泊代行業者に、他の民泊仲介サイトとは取引をしないように要求した疑い

色々と前置きが長くなりましたが、今回問題となっている内容としては、Airbnb(エアービーエヌビー)に管理している物件を登録を依頼しようとした民泊代行業者に対し、Airbnb(エアービーエヌビー)側が、Airbnb(エアービーエヌビー)への掲載条件として、Airbnb(エアービーエヌビー)以外の民泊仲介業者には同じ民泊物件の登録を行わないことを求めた という疑いが持たれている、といったものです。こうした競合他社の民泊仲介業者への物件登録を行わないとする旨が記入された契約書にサインをさせた事例もあったとも言われています。

公正取引委員会は、これを受けて「取引先に対して競合他社を利用しないよう強要するのは他社のビジネスの機会を不当に奪う」として、不公正な取引方法の一つにあたる「排他条件付き取引」に該当するとしています。公正取引委員会はAirbnb(エアービーエヌビー)から押収した書類を元に事実関係を調査すると同時に関係者に事情聴取を行っています。

一方Airbnb(エアービーエヌビー)の日本法人は 公正取引委員会の捜査には全面的に協力しており、民泊物件の貸主(ホスト)や民泊代行業者に、Airbnb(エアービーエヌビー)への掲載条件として、他社民泊仲介サイトへの掲載をしないよう求めたことはない としています。しかし、報道によると実際に「Airbnb(エアービーエヌビー)以外のサイトに物件情報を載せてはいけない」とする契約を結んでいた民泊代行業者が存在していたことが明らかになっています。

今後の観光庁への民泊仲介サイトの登録時への影響も

今回の事件の影響として今後考えられるのは、来年6月に施行される民泊新法に合わせて必要になってくる、民泊仲介サイトの運営事業者の登録です。これは、現在 民泊仲介サイトを運営している事業者が、運営事業者として観光庁への登録が必要 となるということで、石井国土交通大臣は17日の閣議のあとの記者会見において「民泊仲介で最大手の事業者であり、民泊のルールを定めた新たな法律が来年6月に控える中、今後の動向を注視したい」「今後、Airbnb(エアービーエヌビー)から申請があった場合は 今回の件 に関する動きも踏まえつつ 公正かつ厳正に審査を行う ことになる」と述べました。民泊仲介サイト最大手であるAirbnb(エアービーエヌビー)の登録が認められないという事はないのではと思われますが、今後の動向に関しては注視が必要と言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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