インバウンド×ファッションの可能性 実は訪日客の3人に1人が購入し満足度が最も高い「衣服類」:アパレル業界がインバウンド市場を狙う上で知っておくべき5つのこと

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観光庁の2018年1月16日の発表によると、2017年の訪日外国人全体の旅行消費額は4兆4,161億円と推計され、2016年の3兆7,476億円と比較すると17.8%の増加を記録しました。インバウンド市場はいまや莫大なものとなっており、日本国内では訪日外国人観光客をターゲットに多くの企業がインバウンド対策に乗り出しています。

訪日外国人観光客が訪日旅行中によく購入するものとして、食料品・化粧品・電化製品・医薬品などが挙げられますが。衣類もその中の1つとして挙げれられるでしょう。では、アパレル店舗などが訪日外国人観光客を集客したい場合、どのようなポイントに注目するべきなのでしょうか。 観光庁が発表する「平成29年10月-12月期 訪日外国人消費動向調査」をもとに見ていきましょう。

*本記事における「服」「衣服類」は、衣服、スポーツ用衣服、下着・寝着類、帽子、毛皮製衣服、ネクタイ、スカーフ、ハンカチーフ、手袋、ベルト、腕時計用革バンド、かばん、ハンドバッグ、リュック、ランドセル、財布、靴・履物、スポーツ用靴(登山靴、スケート靴、ゴルフ靴など)、スリッパ、サンダルを指します。和服や着物は含みません。

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①訪日外国人のうち何パーセントが訪日旅行中に服を買っている?→訪日外国人の3人に1人が衣服類を購入

費目 購入率 購入者単価
菓子類 67.4% 8,426円
食品類・飲料・お酒・たばこ 64.4% 10,068円
カメラ・時計 7.4% 43,543円
電気製品 14.0% 28,444円
化粧品・香水 46.1% 32,363円
医薬品・健康グッズ・トイレタリー 53.5% 16,110円
和服・着物・民芸品 9.8% 12,836円
37.2% 28,233円
漫画・アニメ関連のもの 11.5% 8,782円
本・絵葉書・CD・DVD 9.3% 6,891円

2017年10月から12月の間に訪日した外国人観光客のうち、37.2%が旅行中に衣服を購入 しています。約3人に1人の訪日外国人観光客が、衣服を購入 している計算になります。費目別の購入率で見ると、5番目と若干低めの印象は受けますが、購入単価は一人当たり28,233円と「電気製品」並みの高さとなっており、訪日外国人観光客は衣服類の購入に比較的多くのお金を落としている ということが言えるでしょう。

②訪日旅行中によく服を買うのはどこ出身の訪日外国人?→中華圏出身のインバウンドが大きなターゲットに

国籍 購入率 購入者単価
韓国 21.5% 16,528円
台湾 44.8% 19,577円
香港 54.0% 20,983円
中国 44.6% 49,357円
アメリカ 18.9% 25,749円

上記の表は、訪日主要5か国(韓国・台湾・香港・中国・アメリカ)の国籍別に衣服類の購入率・購入単価をあらわしたものです。訪日香港人観光客がもっとも衣服類の購入にお金を使っていることが把握できます(54.0%が衣服を購入)。 その後は訪日台湾人観光客(44.8%)、訪日中国人観光客(44.6%)と続きます。中華圏出身の訪日外国人観光客の約2人に1人のが訪日旅行時に衣服類を購入しているといえるでしょう。特筆すべき点は、訪日中国人観光客の購入者単価が突出して高い点。 訪日中国人観光客は一度の訪日旅行で 約5万円を衣服類の購入に充てています。 訪日中国人観光客の一人当たりの平均旅行支出は227,849円なので、4分の1を衣服類の購入に使っている ことがわかります。アパレル店舗などが訪日外国人観光客を集客したいのであれば、訪日中国人観光客を中心とした中華圏に的を絞るのが良い かもしれません。

③訪日旅行中に購入した衣類の満足度はどれくらい?→インバウンドから日本の衣服類は軒並み高評価

費目 韓国 台湾 香港 中国 アメリカ
菓子類 19.0% 9.1% 8.0% 5.8% 10.2%
お酒 5.2% 2.0% 0.7% 0.8% 4.5%
食品類・飲料 7.3% 1.3% 5.8% 0.9% 6.4%
たばこ 0.8% 0.9% 0.0% 0.8% 0.4%
カメラ・ビデオカメラ 0.5% 0.4% 1.5% 3.3% 0.4%
時計 0.7% 1.1% 2.2% 7.1% 1.5%
電気製品 2.0% 13.2% 7.3% 11.9% 3.0%
化粧品・香水 9.6% 11.5% 13.1% 32.3% 3.4%
医薬品・健康グッズ・トイレタリー 21.4% 23.2% 10.2% 9.2% 0.4%
和服・着物・民芸品 1.0% 2.4% 1.5% 0.9% 17.8%
16.3% 20.8% 38.7% 14.8% 17.4%
漫画・アニメ関連のもの 5.9% 2.8% 3.6% 2.8% 9.5%
本・絵葉書・CD・DVD 1.2% 1.7% 0.0% 0.5% 3.0%

上記の図は訪日旅行中に購入した費目に対して「満足した」と回答した人の割合を訪日主要5か国の国籍別に表したものです。訪日旅行中に購入したものの満足度は、多くの費目において1桁のパーセンテージとなっていますが、衣服類に対する満足度は軒並み二桁の数値を記録。 特に 訪日台湾人観光客訪日香港人観光客の間では、衣服類はもっとも満足度の高い費目 であったようです。また、訪日アメリカ人観光客の間では、和服や着物に対する満足度が高い結果になりました。訪日外国人観光客は、訪日旅行中にあらゆるものを購入しますが、日本で販売されている衣服類は訪日外国人観光客から高い評価を受けている ことが把握できます。

④インバウンドは日本の衣服類のどこに満足?→「デザイン性」「値段」がキーポイントに

順位 満足した理由 回答率
1位 デザインがいい・かわいい・きれい 33.4%
2位 価格が手ごろ・自国よりも安い 29.2%
3位 品質が良いから 15.9%
4位 自国で入手できないから 6.2%
5位 好きなブランド・商品だから 4.9%

訪日旅行中に衣服類を購入した訪日外国人観光客は、日本の衣服類のどこに満足しているのでしょうか。もっとも多かった回答は 「デザインがいい・かわいい・きれい」 との回答。衣服類を購入した訪日外国人観光客のうち、33.4% が同選択肢を回答しました。日本の衣服類のデザイン性は、訪日外国人観光客に高い評価を得ているようです。また、「価格が手ごろ・自国よりも安い」 との回答は 29.2% を占めました。訪日旅行中に服を買いだめする訪日外国人観光客も一定数存在しているのかもしれません。「デザイン性」「値段」 といった要素は、インバウンド向けに衣服類を売り込むのであれば、キーポイントになってくるでしょう。

⑤衣服類を購入したインバウンドのうち何%が免税を実施した?→免税実施率は20%という結果に

費目 購入率 免税購入率
菓子類 67.4% 19.3%
食品類・飲料・お酒・たばこ 64.4% 15.6%
カメラ・時計 7.4% 4.2%
電気製品 14.0% 8.9%
化粧品・香水 46.1% 29.6%
医薬品・健康グッズ・トイレタリー 53.5% 33.1%
和服・着物・民芸品 9.8% 1.7%
37.2% 20.0%
漫画・アニメ関連のもの 11.5% 1.7%
本・絵葉書・CD・DVD 9.3% 0.6%

上記の図は訪日外国人観光客が旅行中に購入した費目の購入率とその費目に対する免税手続きの実施度をまとめたものです。先述の通り、2017年10月から12月の間に訪日した外国人観光客のうち、37.2%が旅行中に衣服を購入しています。そのうち購入した衣服類に対して免税手続きを行った訪日外国人観光客は20.0% にとどまります。購入者単価が28,233円と比較的高い「衣服類」は免税購入率も比例して高くなっているようです。

まとめ:アパレル・ファッション店舗においてインバウンドを集客するなら上記5つの特徴を参考に

今回は、観光庁の「平成29年10月-12月期 訪日外国人消費動向調査」をもとに、訪日外国人観光客の衣服類のショッピング動向に関してご紹介してきました。ファッション業界やアパレル店舗などでインバウンド集客を狙う場合には、上記の5つのポイントを参考にすると良いでしょう。次回の記事では、これらのデータを参考に、アパレル店舗でするべきインバウンド対策に関して解説していきます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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