本当に「ナイトライフ」はインバウンドで求められているのか?2万件のスレッドから見えてくる”外国人目線”のナイトタイムエコノミーのニーズとは

本当に「ナイトライフ」はインバウンドで求められているのか?2万件のスレッドから見えてくる”外国人目線”のナイトタイムエコノミーのニーズとは

1996年に設立され、現在、月間約180万人のユーザー*が閲覧している「ジャパンガイド(japan-guide.com)」は、英語圏からのアクセスが上位を占めている訪日観光客向けの情報ポータルサイトです。

今回は、昨今頻繁に事例が紹介されている 「ナイトライフ」「ナイトタイムエコノミー」 について、外国人旅行者側の視点にて、外国人から実際にどのようなニーズが寄せられているのか、ジャパンガイド内の口コミ掲示板や東京の「ナイトライフ」を紹介しているページ等を参照しながら言及していきます。

口コミ掲示板「Forum」ではどのようなことが話題になっているのか?

コメントが頻出しているのは新宿、渋谷、六本木などのメジャースポット

累計約2万のスレッドが作成されており、毎月約4,000件のコメントが発生している口コミ掲示板「Forum」内でも、"Nightlife"に関しては、多くの質問・コメントがされています。下記に実際に投稿されていたコメント・ディスカッションの中で代表的なものをいくつか記載させていただきました。

(以下は簡単な日本語訳)

スレッドタイトル:Best area in Tokyo for night life

Q : 東京においてベストのナイトライフは何ですか?
A : 定義にもよりますが、たとえば、新宿には多くのバーがあり、渋谷には多くのクラブがあり、六本木はより西洋化が進んでおり、クラブもあります その他、国内の人々は西麻布や代官山にも足を運びます。

スレッドタイトル:Nightlife solo traveller

Q : 私は20代後半のベルギー人で、現在2週間新宿に滞在しています。私は飲みに出かけ、ナイトライフを体験し、ローカルの人々と交流をしたいのです。どこか"solo traveller"におすすめの場所はありますか?
A : 新宿のゴールデン街や思い出横丁は夕方から朝まで営業しています。これらのレストランは概して外国人観光客に対して友好的ですが、すべてではありませんので行動には注意してください。

キーワードとして頻出するのは 新宿、渋谷、六本木等のメジャースポット です。新宿においては、具体的にゴールデン街、思い出横丁などの具体的なスポットに関するコメントも多くあがっていました。また、あまり外国人観光客が足を運ばない西麻布、代官山などをおすすめするコメントも見られました。

一方で六本木を避けたいというコメントも

スレッドタイトル:Nightlife in Tokyo while avoiding Roppongi

Q : 検索をして結果が出なかったのですが、六本木を避けて楽しい夜を過ごすことができる最善の選択はなんでしょうか?私は六本木の騒々しい雰囲気が好きではありません。ナイトライフを楽しむために外国人にとって良いオプションがあれば教えてください。
A : 私も六本木を避けています。日本に住んでおり、東京に行くときにはワインバー、メキシコ料理屋によく足を運びます。その中で新宿は幅広い価格帯の居酒屋、アイリッシュパブ、西洋スタイルのバー等があるので、何かを見つけるのに最適な場所です。また、平日であれば容易に"静かな"場所を見つけることができるかもしれませんが、週末はすぐに混雑します。もしあなたが週末に"静かな"バーに行きたいなら、さらに遠くに行くか、高級店に行く必要があります。

「ナイトライフ」と聞いて普段イメージするのは先に出たような六本木、渋谷等の賑やかなエリアですが、外国人観光客のなかにもこれらのエリアを避けたいという人は少なからずいる ようです。

その他 「ナイトライフ」にフォーカスしたツアーを探すコメントや地方での「ナイトライフ」に関するスレッド も多く立ち上げられていました。これらのコメントから、ひとえにナイトライフといっても、単身で楽しめる場所を探している人や静かな雰囲気が好きな人など、さまざまなニーズがあることがわかります。

続いて、ジャパンガイドのサイトで「ナイトライフ」をどのように取り上げているのかについて言及します。

訪日メディア(ジャパンガイド)ではどのように紹介されているか

図表1はGoogle英語版にて(キャッシュをクリアにした状態で)"tokyo night guide"と検索をかけた時のキャプチャです。約630万件の表示結果が表示される中で、ジャパンガイド内の「Tokyo Night Guide」のページが2番目 に表示されています。

図表1
図表1

Tokyo Nightlifeページでは、「Night views(夜景)」「Food(食)」「Museum and Theme Parks(博物館とテーマパーク)」「Nightlife Districts(繁華街)」「Night Walk」「Onsen」「Other Entertainment」「Shopping」「Winter Illimination」の9つのカテゴリに分けてそれぞれ概要や具体的なスポットを紹介しています。

図表2
図表2

あらゆるニーズを想定した情報発信の必要性

たとえば「Food」のカテゴリでは、エリア別に次のように記載しています。

  • 浅草
    • 本物の、伝統的な日本の雰囲気を持つ昔ながらの居酒屋が多い
  • 新宿、汐留、東京駅
    • 最上階にレストランがある高層ビルが数多くあり、食事を楽しむのに最適な場所であり、同時に夜の風景に耽ることができる
  • 有楽町
    • JR山手線の高架下のレンガのアーチの下に活気があるレストラン街がある

新宿、汐留、東京駅などはあまり一般的ではない区分けのようにも感じられますが、あくまで外国人旅行者を想定して発信するとしたら有効なジャンル分けとなり得ます。

先述の外国人ユーザーからのコメントにも「検索しても結果が出てこなかった」といった記載がされていた例などがありましたので、現地目線で編集されたこのような情報がまだまだ不足している 状態にあるのかもしれません。

夜の散歩(Night Walk)も立派な「ナイトライフ」?

次に「Night Walk」のカテゴリを見ていきます。ここではクラブやパブにあまり関心がないユーザーに向けて、新宿や銀座のネオン街、浅草寺等のライトアップがされる観光地、またお台場で海辺を散歩するといった選択肢が提示されています。

特に 欧米豪圏からの旅行者は、自らの足でその街を歩き、ローカルな雰囲気を味わいたいというニーズを持つ方がアジア圏と比較し多く存在 します。図表3のDBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成29年版)を見ても、繁華街歩きに対する特に欧米豪圏からの高いニーズが見て取れます。

図表3
図表3

DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成29年版)参照

「ナイトライフ」に限ったことではないですが、日常的な風景こそを求める旅行者が、特に欧米豪圏には多く存在しています。身の回りの外国人にヒアリングを行う、また、現在だとSNS等のハッシュタグを利用して検索を行うことで容易に彼らの目線を垣間見ることができるので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • ひとえに「ナイトライフ」といっても、外国人観光客のニーズはクラブ、パブ、飲み屋街、ローカルな居酒屋、街歩きなど多岐に渡り、なかには喧噪を避け、静かな雰囲気を味わいたいというニーズまで存在している
  • "現地目線"にて、自らが関わっているコンテンツの棚卸しを行うことがまずは大切
  • 棚卸し行うには、実際に外国人にヒアリングを行う以外に、SNSや訪日メディアにアップされている写真を参考にすることも有効な手段の一つ

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この記事の筆者

エクスポート・ジャパン株式会社

エクスポート・ジャパン株式会社

2002年より訪日観光客向けポータルサイト「ジャパンガイド」のパートナー企業としての業務を開始。「ジャパンガイド」への広告出稿管理、各種お問い合わせや、編集長への取材等の窓口を担当。欧米圏からのアクセスが多くを占める「ジャパンガイド」のデータをもとに、訪日観光客の動向をご紹介していきます。