こんにちは、TUMOCA Expressです。
前回は、「インバウンド訪日客の忘れ物対応に苦心するホテル・旅館」というテーマで、いかにインバウンド訪日客の忘れ物対応が煩雑で、ホテルや旅館の負担となっているかをお話ししました。
意外な社会問題!? インバウンド「忘れ物」の対応がホテル・旅館を圧迫し始めている
こんにちは、TUMOCA Expressです。弊社は、全国各地で発生するインバウンド訪日客の忘れ物を海外のご自宅までお届けしております。今回は、そんなインバウンド訪日客の忘れ物が、ホテルや旅館の大きな負担となりつつある現状についてお話したいと思います。目次ホテルと旅館に立ちはだかる2つの大きな問題① 料金決済の問題② 郵便局や宅配業者が受付できない問題料金についての折衝から口座確認まで。。。ホテルの現場では上記以外にもまだまだすることがたくさん。非常に手間のかかる忘れ物は何?まとめホテルと...
今回は、インバウンド訪日客の忘れ物の国際配送を行う弊社の経験から、少しでも現場のそのような負担軽減のお役に立てればと思い、「インバウンド訪日客の忘れ物受付時において注意すべきポイント」をお話ししたいと思います。
※大前提として、インバウンド訪日客(以下、ゲスト)の忘れ物をホテルや旅館(以下、総称してホテル)が送り主として送るということを想定してお話ししていきます。その際のリスクについては、前回の記事にて記載しておりますのでご参考ください。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)ゲストの忘れ物を送り届ける際に、手間のかかる部分は大きく分けて2つ
まず、ゲストから忘れ物を送ってほしいと依頼された時、手続きを進める中で特に手間のかかるポイントが2つ挙げられます。それは、
① 「そもそも海外に送ることができる物品なのかを確認」する手間
② 「配送料金の決済(海外送金)」に関わる手間
です。
それぞれの項目についての注意すべき点は以下で説明しますが、まずここで気を付けたいのが順番です。必ず①を最初に行うことをオススメします。
というのも、国内郵送であれば、よほどの危険物でない限り、アルコール含有率の高い化粧品であろうとリチウム電池を含む電子機器であろうと、ほとんどの物品を送ることができます(ただしそれらの場合は通常、航空輸送ではなく陸送もしくは船便による輸送に切り替えられます)が、国際郵送の場合、そうはいかないからです。
国際郵送では、内容物によって自動で配送業者が輸送手段を切り替えてくれるなんてことはありません。また、上で述べた化粧品やリチウム電池を含む電子機器などは危険物と疑わしき物品に該当するため、各配送業者の指定する適切な梱包及び申告を行わないと、荷物を受け付けてもらえない場合があります。
①の作業を怠ったがために、ゲストから料金を受け取った後、実は相手国へ忘れ物を送れないことが判明しゲストとトラブルになった、という事例もありますので、この順番にはくれぐれもお気を付けください。
①②それぞれの項目の注意すべきポイント
①「そもそも海外に送ることができる物品なのかを確認」

ゲストの忘れ物の内容は、衣服から始まり、財布、お土産品、携帯など非常に様々です。そしてこのような忘れ物は、前述したとおり、相手国に送ることができるという前提がなければどうしようもありませんので、この確認作業は極めて大事だと言えるでしょう。
この時、確認すべき点は大きく2つあります。爆発物・危険物のような、一般的に配送禁止物品とされているものに該当しないかどうか、そして次に、相手国の禁制品に該当しないかどうか、これらを確認しなければいけません。
後者については、各配送業者に問い合わせることで調べることができます。そして、前者については一見判断が簡単そうに思えますが、実は危険物と疑わしい物品という分類が存在するため注意が必要です。
この記事の中では、それら全てを紹介することはできないので、今回は、弊社でも最近取り扱いする機会が増えつつある「ドラッグストア用品」を取り上げようと思います(せっかく日本で購入されたお土産を、「Duty Free」の袋に入れたままホテルに忘れていくゲストが大変多いです)。
まず、危険物に該当するとして、香水・マニュキュアの除光液、スプレー缶は海外に送ることができません。そして次に、化粧水、整髪料、日焼け止め、身体用の虫よけ等のうち、アルコール含有率が24%を超える製品も実は危険物として送ることができません。
そのため、アルコールが含まれている製品を送ってほしいと依頼された際は、ラベルの成分表示を確認するもしくは各メーカーに直接問い合わせることによって、必ず含有率が24%以下であることを確認し、そのうえで荷物を配送業者に差し出す際もその旨を申告するようにしましょう。
たとえ、アルコール含有率が24%以下の化粧水であっても、何も申告せずに差し出すと出国の際の安全検査で引っかかり返送されてしまいますので、確認するだけではなく申告まで行うことが重要です。
②「配送料金の決済(海外送金)」

料金決済については、ゲストとの間で確認事項や交渉事項が多く、ホテルとしては特に気を遣うものかと思います。その中でも、ゲストに海外送金してもらう際に発生する、銀行手数料負担の問題に苦労するホテルが多いように感じますので、それについて触れたいと思います。
一般的に海外送金の銀行手数料には、国内銀行間の送金時とは異なり、送金手数料、外国為替手数料、中継銀行手数料、受取手数料の4種類があり、費用もそれぞれ数千円かかります。
そして、そのうち中継銀行手数料、受取手数料は基本的に受取人(ホテル)負担となっているため、これらの手数料を送料に上乗せして請求しないと手元に必要なお金が残らず、前回の記事でも述べたように、ホテルが自己負担で送ることになってしまいますので気を付けないといけません。
もしくは、送金元の銀行によっては、中継銀行手数料と受取手数料を送金人の負担とすることが可能なので、ゲストから利用銀行を聞いて確認してみるのもいいかもしれません。
また最近では、銀行から海外送金する根拠を求められることが多くなっているため、ゲストに口座情報を連絡する際に、請求書も同時に作成しておくと手続きがスムーズになります。
まとめ
インバウンド訪日客から忘れ物を送ってほしいと依頼された際には、まずそれを相手国に送ることができるのかを確認し、その中でも特にアルコールを含む製品に注意しましょう。今回紹介した化粧品もそうですが、お酒もアルコール含有率を厳しくチェックされますので送ることが可能かどうかの確認はその都度行ったほうが確実です。
また、普段利用する機会が少ない方にとって、海外送金の手数料というのは複雑に感じられるかと思います。手数料の種類や金額、それぞれ誰が負担するのか、これら全て国内送金時とは異なりますので、それらをきちんと把握したうえで料金を請求し、必要な金額を受け取れるようにしましょう。
最初は、覚えることや調べることが多いかもしれませんが、長期的に見て、負担を減らすためには知識やノウハウを蓄積させていくことが重要です。
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