今月9月6日の明け方、北海道で震度7を観測する地震がありました。およそ10日を経て、現地の北海道ではさまざまな場面で日常に戻りつつありますが、秋の観光シーズンを直撃したのが94万人以上と言われる宿泊キャンセルです。その影響は全体で292億円と推定されています。(北海道庁調査より)
北海道ではさらなる風評被害拡大を心配する声があがっています。「北海道はもう元気だよ、と伝えてほしい」との現地からの発信が始まりつつありますが、現状の復興の様子と、SNSで外国人がこの地震にどれぐらい影響を受けているのか調べてみました。
熊本地震に見る訪日外国人への災害対応
2016年(平成28年)4月14日21時26分頃に発生した熊本地震。熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震で、更に4月16日1時25分頃に、同じく熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました。現在も余震が続いており、懸命な救助活動が続いています。4/18現在で死者43名にのぼり、今もなお、約9万4千人が避難している状況です。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆さまには衷心よりお悔やみを申し上げます。ま...
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驚く規模でのキャンセルが続く北海道のインバウンド業界
「北海道のホテルのキャンセル50万件。本当の災害はこれからなのかな」

Twitter:北海道の地震による宿泊キャンセルに関する投稿(https://twitter.com/maleblackswan/status/1040913216166014976)

Twitter:NHK生活・防災の投稿(https://twitter.com/nhk_seikatsu/status/1041046868468195328)

Twitter:産経ニュースの投稿(https://twitter.com/Sankei_news/status/1040931654993293312)
94万人キャンセル・292億円損失のインパクトとは?
94万人キャンセル、292億円の損失とは、北海道のインバウンド業界にどれぐらいのインパクトがあるのでしょうか?
今年平成30年8月に、北海道経済部観光局が発表した「北海道観光入込客数調査報告書 平成29年度」の昨年度の観光入込客数を比較してみると、そのインパクトの大きさがわかります。
昨年度の秋冬の四半期(10~12月期)の3カ月合計の入込客数は901万人です。つまり、今年の秋冬四半期が昨年同時期と同レベルの入込客数を見込んでいたとすると、今年の秋冬(10~12月期)に北海道を訪れるはずだった人の10人に1人はすでにキャンセルをしてしまった計算になります。
訪日外国人は客単価が高く、キャンセルは大きく影響する
「北海道観光入込客数調査報告書 平成29年度」からは、訪日外国人需要の客単価がとびぬけて高く、キャンセルが大きく影響することも示唆しています。
このチャートを見ると、訪日外国人の観光需要のうち、宿泊を伴うケースの1件当たり単価は、日帰り道内観光客の消費単価の実に30倍という金額となっています。宿泊を伴う道外からの日本人観光客と比べても客単価はおよそ2倍です。
訪日外国人はほとんどが宿泊を伴う観光をしますので、訪日客1人のキャンセルはこのチャートの数字上の計算上では、最も客単価の安い道内からの日帰り客30人分、国内旅行で北海道を訪れる道外からの日本人宿泊客2名分の損失を、生む計算となります。
露呈された訪日外国人への災害援助の薄さ
残念ながら、今回の北海道の地震においても日本のインバウンド業界の訪日外国人への災害援助の薄さが露呈されています。
日経新聞2018年9月8日版に掲載されているのは体育館に薄い毛布を敷いただけの避難所で顔を覆って泣く訪日外国人女性の姿です。
今回の一連の災害対応のニュースを見る限り、日本のインバウンド業界が訪日外国人に対して、早急にきちんとした災害援助対応を取れたとは考えにくいものがあります。
災害のたびにこの対応を繰り返していては「日本で被災すると大変ですよ」と世界に発信しているようなものです。
災害時、外国人観光客は真っ先に気にすることは「交通機関への影響」と「旅行をキャンセルするかどうか」/ジャパンガイド編集長が考える日本の災害情
1996年に設立され、月間約180万人のユーザーが閲覧している「ジャパンガイド」では、今回の台風21号、北海道地震に関する情報をリアルタイムで発信しています。今回は訪日観光客向けの災害情報発信をテーマに、情報の受け手であるジャパンガイドのユーザーから災害時に寄せられた質問と、発信者であるジャパンガイド編集長の意見をまとめてみました。目次災害時に訪日観光客が気にすることとは?日本の外国人向け災害情報発信で求められることとは?まとめ災害時に訪日観光客が気にすることとは?以下は今年に入ってからジ...
まとめ:北海道はもう日常に戻りつつあるが、風評被害を払拭するためには情報発信が必要。インバウンド業界の災害対策も充実を
北海道ではコンビニにも物資が戻りつつあり、すでに生活は日常モードに戻っていると言います。しかし、日常にただ戻ってしまっては風評被害は払しょくできません。
今年の北海道の秋冬期に向けて「日常に戻った、北海道は元気だよ」という情報発信を積極的にしていくべきでしょう。また、インバウンド業界として繰り返される「訪日外国人への災害対策不足」を考えていかなければならないのかも知れません。
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<参考>
- 北海道、宿泊キャンセル94万人 影響は推計292億円 朝日新聞デジタル2018年9月15日
- 北海道震度7海外観光客「怖かった」 毎日新聞2018年9月6日
- 北海道震度7外国人観光客 情報不足に困惑 毎日新聞2018年9月7日
- 訪日外国人「早く帰国したい」 北海道地震で被災、困惑 日経新聞2018年9月8日
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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