【フランス】日本の認知度が年々上昇していることを実感/今年で開催40回目を迎えた仏最大の国際旅行見本市「iftm TOP RESA」から見るフランスの国民性とは【現地レポート】

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2018年9月25~28日、国内最大のBtoB業者向け旅行見本市「International French Travel Market Top Resa(IFTM)」がパリ南部にあるポルト・ド・ヴェルサイユ展示場で開催されました。

1979年にドーヴィルで始まった同見本市はパリに場所を変え、今年で40回目を迎えました。フランス全土から1,000社以上の旅行代理店300人以上のビジネスバイヤーが訪れ、2017年の来場者は約32,500人出展社数1,683社と、フランスを代表する大規模なBtoB旅行見本市です。

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▲「iftm TOP RESA」の様子:エントランス 。セキュリティーを抜けるとすぐに受付があり、そのすぐ横に会場入り口及び会場マップなどの案内を取得できる総合案内がある。
▲「iftm TOP RESA」の様子:エントランス 。セキュリティーを抜けるとすぐに受付があり、そのすぐ横に会場入り口及び会場マップなどの案内を取得できる総合案内がある。

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「iftm」節目の年を迎え、更に時代に合わせて進化したプログラム

今年は40周年ということで、エリア別にいくつか新たな試みもありました。

  • MAP Pro
    • 国内旅行の目的地を再発見する為にフランスとそれぞれの地域の美しさに再注目する試み。
  • Tech zone
    • アマデウスとコラボレーションした、最新のテクノロジーとデジタル産業専用ゾーン。
  • Abrand new and bigger 360° conference hall
    • Allianz Travelアリーナと名づけられた主要なイベントが行われる最新のホール。
  • The influencer village
    • 32の有名なインフルエンサーと関心が高まっている出展者がミーティングを行なうエリア。
  • World’s great trains village
    • 世界の象徴的な列車からインスピレーションを得ることを目的としたエリア。
  • The Travel Agence Junior Cup
    • 未来の旅行業界のプロフェッショナルを目指している学生のコンテスト。
  • Country of Honor
    • この見本市の中で勢力をあげて紹介していく国。初めてのこの試みで今年選ばれたのはインドネシア。

特に今年Country of Honorに選ばれたインドネシアは、iftmのロゴと共に国名が書かれていたり、入り口すぐ目の前の大きなスペースにブースが設けられていたりと、かなり印象に残るPRをしていました。同じアジア圏の日本としてもいい影響があったのではないのでしょうか。

「iftm」はエリア毎にブースが分けられ、来場者が周りやすい

会場内に入ると、地域毎にアジア、アメリカ、カリブ、インド洋、中東、ヨーロッパ及び地中海、フランス国内、協賛業者でエリア分けされています。

世界各国から出展者が集まっているだけあり、ブースごとに多様で特徴的な展示方法や各イベントなどが積極的に行われていました。

業者向け見本市ということで、会場内では様々な商談が行われています。その合間で行われている各国のダンスや音楽、名物料理などの披露によって文面、紙面だけではなかなか伝わらない魅力をPRしているのが印象的です。

やはりそこはフランス人、仕事中とはいえ楽しそうな音楽や雰囲気のところに集まることを出展者側も理解しているのでしょう。

▲「iftm TOP RESA」現地の様子:配布されていた資料の一部。一面に写真が張られているというより、デザイン重視。薄い冊子よりも雑誌ほどの厚さや大きさで紙製のパンフレットが多い。
▲「iftm TOP RESA」現地の様子:配布されていた資料の一部。一面に写真が張られているというより、デザイン重視。薄い冊子よりも雑誌ほどの厚さや大きさで紙製のパンフレットが多い。

会場内数箇所では、来場者が自由に資料を手に取れる場所がありました。小さなキャリーケースを持って来場している人もいて、多くの人がかなり沢山の資料を持ち帰っている印象でした。

その影響か、各ブースでも資料持ち帰り用の肩掛けできるコットンバックなどを用意しているところが多かったです。

▲「iftm TOP RESA」の様子:イギリスのブースの展示。オフィスのような配置にしている出展者が多い中、かなりのインパクトがある。
▲「iftm TOP RESA」の様子:イギリスのブースの展示。オフィスのような配置にしている出展者が多い中、かなりのインパクトがある。

「World’s great trains village」エリアの試みの一つとして、イギリスの旅行会社のブースではオリエントエキスプレスの車両模型の展示がありました。車掌まで配置する力の入れようです。

商談スペースをメインにしているブースが多い中、これだけ大胆な展示物があるとかなり目を引きますし、とても印象に残ります。元々興味がなかったとしてもこれだけインパクトがあれば少し話を聞いてみたくなるのではないのでしょうか。

▲「iftm TOP RESA」の様子:セネガルのブース。天井高く掲げられた垂れ幕もセネガルカラーで遠くからでも目に付く。
▲「iftm TOP RESA」の様子:セネガルのブース。天井高く掲げられた垂れ幕もセネガルカラーで遠くからでも目に付く。

元フランス植民地ということでフランス人にとって身近な国セネガルは、カラフルな伝統衣装をまとった女性が来場者の対応をしています。

日本のように特別な衣装ではなく、現地では現在も日常的に着ている衣服をまとい、現地の雰囲気を表現しているのでしょう。イメージ通りのカラーの垂れ幕で、遠くからも人の目を引くシンプルなPR方法もフランス人の性に合うのかも知れません。

▲「iftm TOP RESA」の様子:メキシコブースのパフォーマンス。本格的な音楽隊の演奏が周囲の人々の視線を集める。
▲「iftm TOP RESA」の様子:メキシコブースのパフォーマンス。本格的な音楽隊の演奏が周囲の人々の視線を集める。

メキシコのブースでは、衣装を着た音楽隊が伝統音楽を披露しながら練り歩いていました。陽気な音楽と本格的な衣装で来場者の注目を集めていて、たくさんの人が動画や写真を撮っていました。

業者向けという事で、おとなしめのパフォーマンスが多い中、このように楽しげで大きな音楽がかかると来場者も笑顔で続々と集まって来ていました

「iftm」アジアセクション内にある日本ブースの様子

▲「iftm TOP RESA」の様子:アジアセクション。日本は今回、ベトナム、中国、韓国と隣合った位置にありました。
▲「iftm TOP RESA」の様子:アジアセクション。日本は今回、ベトナム、中国、韓国と隣合った位置にありました。

地域別になっているので、日本のブースは韓国や中国などのアジア諸国と並んだ場所にありました。同じアジアとはいえ、各国それぞれブースの作り方がちがい、個性が出ていると感じました。

▲「iftm TOP RESA」の様子:日本ブース。日本のイメージを前面に押し出している。
▲「iftm TOP RESA」の様子:日本ブース。日本のイメージを前面に押し出している。

「JAPAN」と大きく書かれた暖色の垂れ幕を使用したブースで、遠くからでも見つけやすく存在感があります

今回日本部門ではANAやJTBなど合計14の企業と地域が参加しました。垂れ幕を囲むように各社が商談できるるように区切られたスペースを設置していて、JAPANの文字を目印に来てぐるっと一周すればすべてを見られるようになっています。来場者にとって、とてもわかりやすい配置です。

諸外国のブースと比べると、ブース自体のインパクトは少なめだったので、ブースを目立つようにするなどの工夫を加えると、また一目置かれるのでは?と思いました。

会場では日本酒の試飲、日本楽器のコンサートや各講演会が積極的に行われていました。

▲「iftm TOP RESA」の様子:質問をする来場者。漠然と興味を持った来場者はこちらのJNTOのカウンターに立ち寄る。
▲「iftm TOP RESA」の様子:質問をする来場者。漠然と興味を持った来場者はこちらのJNTOのカウンターに立ち寄る。
▲「iftm TOP RESA」の様子:日本ブースの資料の一部。東京、大阪、京都などの王道ルートを中心に様々な資料が用意されている。
▲「iftm TOP RESA」の様子:日本ブースの資料の一部。東京、大阪、京都などの王道ルートを中心に様々な資料が用意されている。

JNTOの担当者の方に今回の来場者の質問、興味の傾向を尋ねてみましたが、見事にバラバラだったそうです。東京、大阪、京都という王道ルートはもちろんですが、資料の用意もない、日本人でも思いつかない場所の情報を聞きに来る方も多いとのことでした。

有難いことにフランスでの日本の認識度は年々上がってきていると思います。だからこそ、定番以外の情報が必要とされているのでしょう。

まとめ:個性を大切にする旅行好きなフランス人、「iftm」でのニーズも多種多様

テレビやインターネットなどのメディアを通して、各々が興味のある分野からインスピレーションを得られる時代、個性を大切にするフランスらしく、有名度に関係なく様々な情報を知りたがっているのだろう、という印象をうけました。

実際、日本を訪れたことがあるフランス人も、都会や観光地よりも、日本人からすると何もない田舎の風景の方が味があって感銘を受けたとの声もありました。旅行好きで旅行慣れしている人も多く、王道のパッケージよりもカスタマイズできるスタイルが合っているのかもしれません。

俗にバカンスのために働いていると言われることもあるほど、フランス人にとってバカンスは大切なものです。毎年1ヶ月以上の休みを取る人もかなり多く、夏のバカンスが終われば冬、冬のバカンスが終われば次の夏の事を計画し始めると言われます。

旅行の機会が多く期間も長い、流行よりも個性を大切にする国民性から、今までの常識にとらわれない情報に需要があると思います。

外国人にはこれがいいだろうという先入観ではなく、マニアックでディープな、普通のガイドには載っていないような切り口から入ると今までと違う層を惹き付ける機会になるのではないのでしょうか。

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International French Travel Market Top Resa(IFTM)イベント情報

イベント名
International French Travel Market Top Resa(IFTM)

開催国・都市

フランス・パリ
開催日
2018年9月25~28日

会場

PARIS PORTE DE VERSAILLES PAVILLON 7

対象

業界関係者

来場者数

約32500人(2017年実績)
参考
www.iftm.fr

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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