ついに訪日外国人3000万人時代へ | JNTO、2018年の訪日外客数を発表 欧米豪市場が過去最高に 【グラフで見るインバウンド】

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2019年1月16日に、日本政府観光局が訪日外客数の2018年12月および年間推計値を発表しました。12月は前年同月比4.4%増の263万2千人を記録し、2017年12月の252万1千人を約11万人以上上回り過去最高となりました。2018年の訪日外客数は、前年比8.7%増の3,119万2千人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降最多の数値です。市場ごとの特徴をふまえ、2018年の訪日外客数の動向を見ていきましょう。

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▲出典:「日本政府観光局(JNTO)」

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東アジアは自然災害の影響あるも前年比を上回り回復

東アジア市場では、2018年夏以降に頻発した地震や台風などの自然災害の影響で、前年同月を下回る月が続く市場もありましたが、インフルエンサーなどのメディアを活用した観光復興の取り組みや的確な情報発信による訪日プロモーションに効果があり、年末には前年同月を上回る数値まで回復しました。

全体的に東アジアでは、個人旅行客のリピーターへのプロモーションに注目し、オンライン広告やウェブサイトのコンテンツ拡充、SNSでの情報発信に力を入れたことで、韓国・中国・台湾において、過去最高の訪日旅行者数を獲得しています。

東南アジアは新規就航路線や現地旅行博でのPRに手応え

東南アジア市場では、タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナム・インドの全ての国で訪日旅行者数が過去最高を記録しました。特に訪日タイ人観光客の数は、113万2千100人となっており、東南アジア市場で初めて年計100万人を突破しています。東南アジアからの大幅な訪日客数の増加の要因としては、主に3つ考えられます。

1つ目は、航空路線の新規就航です。フィリピンでは3月にジェットスターのクラーク-関西線、12月のフィリピン航空のマニラ-新千歳線、2017年にシンガポール-広島線、タイでも新規就航や増便が相次いだことにより、訪日旅行の利便性が格段に向上しました。

2つ目は、現地旅行博でのプロモーションです。マレーシアでは1月のJapan Travel Fair、3月と9月に開催されたMATTA Fair、7月のMITM Fairなど複数の旅行博で、訪日旅行のPRや訪日旅行商品の販売促進を実施しました。インドネシアでも、ジャカルタ市内の商業施設にて訪日旅行に特化した旅行博「Japan Travel Fair2018」を開催し、ムスリム層の訪日意欲喚起にも取り組んでいます。

3つ目は、オンライン上でのプロモーションです。特にシンガポールでは個人旅行者の需要が高いため、OTAと連携したプロモーションに力を入れた傾向にあります。インフルエンサーやメディアの招聘や各言語に対応したFacebookなどのSNS上で訪日旅行の魅力を発信しました。

欧米豪は富裕層へのPRを強化し過去最高を記録

欧米豪市場では、訪日オーストラリア人観光客が55万2千400人と過去最高を記録し、初めて年計で50万人を超えました。訪日フランス人観光客も30万4千900人と初めて年計で30万人を突破し、7月から開催された大型日本文化紹介イベント「ジャポニスム2018」をはじめとする近年の日本への興味拡大の様子が伺えます。

全体的にイースター休暇の日程変動等の影響により前年同月を下回る月もありましたが、現地の航空会社や旅行会社との連携やメディア招聘によるプロモーションにより、調査対象全ての国において、訪日旅行客数は過去最高となりました。

アメリカやイギリスなどでは、富裕層の向けの旅行会社との商談会や旅行博への参加、メディアへの出稿を実施し、アジア圏より滞在日数が多い傾向にある欧米豪の富裕層に対する訪日旅行のプロモーションにも力を入れる傾向が見られました。

まとめ:2018年の訪日客数は過去最高記録多数/4000万人突破に向けて弾み

2018年は度重なる自然災害の影響もある中で、復興への取り組みの正しい情報発信などが効果を発揮し、訪日外国人客数が過去最高を記録した国が多数、12月18日時点では3,000万人を突破しました。「2020年までに4,000万人突破」という目標に向け、アジア市場ではリピーターの獲得、欧米豪市場では富裕層を中心とした訪日旅行の魅力の認知拡大が期待されるでしょう。

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<参考>

JNTO:プレスリリース(2019年1月16日)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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