訪日外国人観光客が日本に与える経済効果は数千億円にのぼると言われており、少子高齢化が進み消費率が下がっている日本にとって貴重な存在です。政府も日本政府観光局を世界各地に設置するなどしてインバウンド誘致に力を入れています。
そのためには、訪日外国人観光客の動向を把握しておかなければなりません。今回は、観光庁の調査をもとに訪日外国人観光客の平均滞在日数をまとめてみました。
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訪日外国人の平均滞在日数は9.1日
観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」のデータを見てみると、2017年に日本を訪れた訪日外国人観光の平均滞在日数は9.1日という結果が出ています。国・地域別に多少のばらつきはあるものの、ベトナム、インド、ロシアでは、長期滞在者の割合が他の国や地域に比べて多いようです。
訪日外国人はどこに泊まる?
1. ビジネスホテル
駅や空港、観光スポットの周辺に多いビジネスホテルは、訪日外国人観光客からも人気の宿泊施設です。市街地への移動が楽なことに加え、宿泊料金もリーズナブルであることがその理由のようです。
平成29年のビジネスホテルの客室稼働率は、最高値の75.4%を記録しました。約8割近くの訪日外国人観光客が洋室中心のホテルに滞在しています。連泊が続くと宿泊費用も高くなるため、手事な価格で駅や空港へのアクセスがよいビジネスホテルは、訪日外国人観光客からの人気が集中しやすいようです。
2. リゾートホテル
リゾートホテルの客室稼働率は57.8%でした。ビジネスホテルと同様に、日頃の生活スタイルにもっとも近い洋室が多いリゾートホテルが宿泊先候補として上がるようです。
3. 旅館
周辺観光や買い物はもちろん、旅館でのおもてなしや温泉も旅の醍醐味のひとつです。奥ゆかしい日本の風情あふれる佇まいの旅館は、富裕層の訪日外国人観光客から人気を集めています。
旅館は静かな山あいや駅から離れた場所にあることが多く、1泊あたりの料金もビジネスホテルやリゾートホテルに比べて高めの金額設定です。そのため、観光や買い物というよりも、旅館でただのんびりくつろぎたいと考える富裕層から人気があります。ちなみに旅館の稼働率は19.2%と、ビジネスホテルやリゾートホテルと比べるやや低めの結果が出ています。
滞在日数と消費はどう関係する?
1. 滞在日数が短いとインバウンド消費は少なくなる
滞在日数が短い訪日外国人観光客が訪れる都市は、東京や大阪・京都などの主要都市に集中しています。主な理由に、主要空港からのアクセスが良く、有名な観光地が集中していることが考えられます。また、1泊あたりの宿泊料金がリーズナブルなビジネスホテルを利用する傾向が強いため、滞在日数が少なくなると、滞在中の旅行消費額も減ってしまいます。
2. 滞在日数が長いと消費活動は活発に
滞在日数が長い訪日外国人観光客は、大都市だけでなく地方都市を跨いで日本観光をするという特徴があります。時間にもお金にも余裕があるので、移動に時間がかかったとしてもアクセスしづらい小さな田舎町で「日本ならではの体験」をしたいと考えています。滞在日数と移動時間もともに増えることで、食費や宿泊による消費活動も活発になります。
訪日外国人の滞在日数を伸ばす一番の近道は「過ごしやすさ」
1. フリーWi-Fiの導入
1人でも多くの訪日外国人観光客の滞在日数を伸ばすためには、フリーWi-Fiの導入はマストです。ネット接続ができる環境は、宿泊先に着いてから仕事のメールを返したり、友達や家族とオンライン通話を楽しんだり、滞在中に訪れた場所をSNSにアップしたり、訪日外国人観光客の満足度をあげるツールです。
2. 多言語・多言語表記対策
訪日外国人観光客が日本を旅行する際に困るのが、言葉の壁です。地方都市の飲食店やホテル、商業施設では言語対応が追いついていないことから、「コミュニケーションが取れない」ことに不満を持つ訪日外国人観光客は多くいます。
英語が不慣れな店舗では、タブレット型の通訳案内サービスの導入や英語や中国語で書かれたパンフレットを配置するなどして、コミュニーションがスムーズに取れる環境を整えていきましょう。
まとめ
訪日外国人観光客の滞在日数が伸びれば、消費活動が促進されるだけでなく、地方創生にもつながります。日本を訪れた多くの訪日外国人観光客にストレスなく日本旅行を楽しんでもらうためにも、フリーWi-Fiや翻訳サービスを導入して居心地の良い環境作りが必要です。
敬語ほどではありませんが、英語にもカジュアル、フォーマルの差が存在します。接客業は特におもてなしの心を表現する場でもあるため、訪日外国人観光客にこちらの想いや気持ちが伝わる言い回しを覚えておきましょう。
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<参照>
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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