スリーレターコードとは?都市と空港表すアルファベット・インバウンド対応で首都圏の各駅にも

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2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックに向けて「スリーレターコード」が様々な場所でインバウンド対策に取り入れられています。

JR東日本が鉄道各線を運営している首都圏でも徐々に各駅にアルファベットと数字が見られるようになってきました。

この記事では、インバウンド対策には欠かせない多言語対応の一環でもある「スリーレターコード」について解説します。


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スリーレターコードとは?

3レターコード(スリーレターコード)とは、アルファベットの任意の3つの文字の組み合わせを用いた符号や略記法のことです。

都市コードと空港コード

スリーレターコードを活用した代表的な存在が都市コード空港コードです。旅行で航空券やホテルを予約する際によく使用されています。

航空便のチェックインの際、預け荷物には出発地の空港のスリーレターコードの書かれたテープが貼り付けられます。羽田空港はHND、成田空港ではNRTとの文字を見た方もいるのではないでしょうか。これは空港コードを表すもので、各空港ごとに決められています。

例えば以下のようなスリーレターコードがあります。

  • 都市コード:TYO(東京)、NYC(ニューヨーク)、SEL(ソウル)
  • 空港コード:HND(羽田空港)、JFK(J・F・ケネディ空港)、ICN(仁川国際空港)

アルファベットの並びは、国際航空運送協会IATA)により定められています。

航空会社の運賃を検索する際にもこの符号を利用することができます。例えば航空券が予約できるウェブサイトやアプリで航空券情報を検索する際、「TYO」を指定して検索すると、成田空港発着 + 羽田空港発着の便が表示されます。また「NRT」を指定すると、成田空港発着の便が表示されます。

国際航空運送協会(IATA)と国際民間航空機関(ICAO)

上述のように、都市コードと空港コードは国際航空運送協会(IATA)によって定められていますが、航空産業に関連した組織にはこの他に国際民間航空機関(ICAO)というものがあります。2つの機関について説明します。

国際航空運送協会(IATA)とは?

IATAは航空産業の発展、航空安全の促進、環境問題への対策等の政策提言を行うことを目的とし、空港会社によって組織された業界団体です。

1945年4月19日にキューバのハバナで設立されました。現代のIATAの本部はカナダのモントリオールにあります。スイス、ジュネーブにも管理オフィスがあります。

現在会員となっている航空会社は290社、120か国にのぼります。これは定期国際航空輸送の93%を占めます。(2019年4月時点)

同組織の役割は、コストを削減し効率を改善させながら、プロセスを簡素化し、乗客の利便性を高めることによって航空会社を支援することです。

人や物が1つの国の中を1つの航空会社で運送されているかの様にスムーズに移動できることをめざしています。

同時に、世界中の航空会社の利益を擁護するために不合理な規則や料金に異議を申し立て、規制当局や政府に説明を求めることもその任務のうちの一つです。持続可能で環境に優しい航空輸送を可能にするための環境政策の開発に力を入れています。

サスティナブルツーリズムの意味・定義

サスティナブルという言葉は「持続可能な」という意味です。多くは地球環境の持続可能性を指し、環境問題を論じる際に用いられてきました。最近では観光の分野でもこの「サスティナブル」という言葉が見られるようになってきました。本編ではインバウンド市場における「サスティナブル」について解説します。サスティナブルとは?1987年、国連「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」にて、持続可能な開発(sustainable development)という概念が提唱されました。この会議では、それ...


国際民間航空機関(ICAO)とは?

ICAOは1944年に採択された国際民間航空条約(通称シカゴ条約)に基づき設置された国連専門機関です。

193の加盟国があり、本部はカナダのモントリオールにあります。日本は1953年に加盟しています。

国際民間航空が安全かつ整然と発達するように、また、国際航空運送業務が機会均等主義に基づいて健全かつ経済的に運営されるように各国の協力を図ることを目的としています。

この目的のために、国際航空運送業務やハイジャック対策をはじめとするテロ対策等のための条約の作成、国際航空運送の安全・保安等に関する国際標準・勧告方式やガイドラインの作成等を行っています。

また、国際航空分野における気候変動対策を含む環境保護問題についても議論及び対策が進められています。

IATAとICAOの違いは?

IATAは航空会社によって構成される業界団体、ICAOは各国政府によって構成される国際機関です。

両社は航空会社コード空港コードを定めていますが、それぞれ規格が異なります。

3レターコードは空港の名前のスペルを省略したコードの場合が多く、また4レターコードはその空港の位置する場所によって、最初の1桁目が決められています。

航空会社コード

IATAによって定められるIATA航空会社コードは2レターコード

国際民間航空機関 ICAOによって定められるICAO航空会社コードは3レターコード

空港コード

IATAによって定められる空港コードは3レターコード、ICAOによって定められる空港コードは4レターコード

スリーレターコードを活用したインバウンド対策

それではこうしたスリーレターコードは増加するインバウンド客の利便性向上にも役立てています。 

JR首都圏「駅ナンバリング」

JR東日本では2020年の東京オリンピック、パラリンピックの開催に向けて、2016年10月から「駅ナンバリング」を導入しました。

こうしたナバリングには、訪日外国人観光客をはじめとしたすべての乗客に安心して鉄道を利用してもらう目的があります。

2018年11月以降では、神奈川県や静岡県を走る東海道線、伊東線にも導入されました。

主なものは路線記号(アルファベット2文字+駅番号2桁)で表します。これらは路線ごとに設定している路線カラーを用いて表示されます。

また、複数路線が乗り入れている駅では1つの駅に複数の駅ナンバリングが施されています。例えば中央線新宿駅は「JC05」ですが山手線の新宿駅は「JY17」となります。

主要な駅にはスリーレターコード

主要な駅には路線記号とは別に、スリーレターコードも表示されています。

東京TYO、新宿SJK、渋谷SBY、横浜YHM等で、こうした略称は漢字文化になじみのない文化圏のインバウンド客にも認識しやすいといえます。略称で記憶でき、鉄道を利用した移動の際に便利です。

2020年オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けて様々な場所で多言語表記が進められていますが、こうしたスリーレターコードもそのような取り組みの一環といえます。

▲JR東日本によるスリーレターコードの例(右):東日本旅客鉄道株式会社資料より
▲JR東日本によるスリーレターコードの例(右):東日本旅客鉄道株式会社資料より

スリーレターコードを活用しインバウンド客をおもてなし

スリーレターコードは空港や鉄道、ホテルなど、身近なところで利用され、インバウンド客の利便性向上には欠かせないものです。スリーレターコードをうまく活用し、円滑なインバウンド対応を実現しましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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