【韓国】ボイコットジャパン進行中:目的を見失った「レクサステロ」

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韓国で反日運動が激化しています。騒動の原因は日本政府による韓国への輸出管理厳格化です。

日本ブランドを目の敵にするこの運動は、日本への「報復」であり、その対象は日本を代表するコンビニ『セブンイレブン』や高級車ブランド『レクサス』にまで及んでいるようです。

この記事では、韓国から日本への「報復」について紹介し、こうした事態が引き起こされた背景と、日本経済に与える影響について解説していきます。


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韓国で日本製品の不買運動が激化「ボイコットジャパン」

今、韓国のインターネットで「ボイコットジャパン」と呼ばれる動きが広まっています。世界的に有名な日本ブランドのビールや衣類を購入しないことを呼びかけ、様々なパフォーマンスが行われています。実際にはアピールするだけで、商品が欲しい消費者は購入をやめているわけではないとの情報もありますが、実際の売上にも影響が出始めているとの報道もあります。

まず、韓国での日本製品不買運動の激化についてみていきましょう。

”販売しているだけ”のセブンイレブンも標的に

韓国の「ボイコットジャパン」の動きは、始まりのころは日本製品をその対象としてネットユーザーを中心に標的について情報が広がっていましたが、なんと小売店までもがその対象にされてしまいました。韓国に約1万店存在するセブンイレブンも、日本発祥だからという理由でボイコットの標的となりつつあるようです。

実際には日本商品以外も販売しているはずのコンビニさえも一絡げに「ボイコットジャパン」の対象にするほど、韓国人の日本に対する悪感情が盛り上がっていることがわかります。

標的は韓国人!?目的を見失った「レクサステロ」

セブンイレブンやその他一部商品は「ボイコットジャパン」の対象としてリストに名を挙げられながらも、実際にはまだ購入者や利用者がいるようですが、高級車「レクサス」は、残念なことに現実に攻撃を受けています。

「レクサステロ」と呼ばれる、同ブランド車のタイヤをパンクさせる器物破損行為が複数見られているとのことです。車のオーナーのほとんどは韓国人と考えられ、不買運動の目的である「日本社会への打撃」はもはや達成されるよしもありません。

ボイコットジャパン」から始まった日本製品への攻撃は、当初の「日本への報復」という目的を見失い、もはや単なる犯罪行為となっているようです。車に乗っているというだけで「反逆者」として扱われ、このような犯罪に巻き込まれてしまうというのは、セブンイレブンの例以上に韓国人の日本に対する感情の悪化を感じさせます。

なぜ?不買運動の背景

こうした激烈な不買運動には、どのような背景のもと引き起こされているのでしょうか。

日本による韓国への輸出管理厳格化

ボイコットジャパン」の始まりには、日本政府から韓国への輸出規制の強化があります。7月24日に開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会では、国際世論への働きかけを狙い、韓国は日本政府によるこの措置を議題として提起しますが、国際的な貿易問題を扱うべきWTOの会議では2国間の問題解決への働きかけは起こりませんでした。

日本の輸出規制強化について徴用工問題との関連性を主張する韓国に対し、日本は軍事転用可能な品目であることがその理由だと主張しています。

徴用工問題とは?

朝鮮が日本の植民地だった時代、日本は日中戦争で不足した労働力を補うため、朝鮮の民間人を劣悪な環境下の炭鉱や工場で働かせていました。日韓の国交が正常化した1965年に締結された協定により「完全かつ最終的に解決された」と明記されたものの、元徴用工側はこれに納得せず裁判を起こし続けます。

2012年には韓国の最高裁も解決していないとの判断を下し、2018年10月30日、韓国の最高裁にあたる大法院は韓国人4人へ1人あたり1億ウォン(約1,000万円)の損害賠償を命じる判決を下します。1965年の協定では個人の請求権は消滅していないとの判断に基づきますが、日本政府は日韓関係の「法的基盤を根本から覆すもの」だとして強く反発しています。

韓国市場は年間5,881億円…インバウンド市場への影響は?

日本政府には日本政府のロジックがありますが、実際に韓国人の日本に対する感情は非常に悪くなっているようです。

すでに日本への旅行を取りやめる動きが複数の方面でみられているとの報道もあります。2015年に中国に抜かれるまで、訪日外客数で長らく1位となっていたのが韓国です。その後も今に至るまで、毎年順調に推移し、昨年2018年の訪日韓国人数は約753万人となっています。

2018年の訪日韓国人によるインバウンド消費総額は5,881億円で、このまま旅行の取り消しなどが続けば、日本のインバウンド市場にとっての大きな経済的損失の発生は避けられません。

このほか、インバウンド市場への影響を解説し、韓国人による今回の騒動への味方を紹介します。

大きな影響を受けそうな西日本

九州を訪れる訪日外国人のうち、2018年は約半数が韓国からの旅行客だったというデータがあります。また訪日韓国人観光客全体でも、西日本を訪れる比率が高くなっています。

韓国と九州は地理的に近く、たとえば韓国の釜山から福岡までの距離は200kmほどで、所要時間はフェリー(高速船)を利用しても3時間程度、飛行機では1時間弱で着きます。国土の南北に長い日本で言えば、国内旅行と変わらぬ距離で訪問できる場所です。

訪日韓国人が多く訪れる九州をはじめとする西日本の観光地では、本当に韓国人が日本への旅行を一斉にやめた場合には大きな痛手となるでしょう。今後の国民感情の推移を見守っていくしかない面もありますが、こうした情勢を踏まえた情報発信でかえって観光客の心に強く印象を残すことも可能なはずです。

訪日韓国人観光客の特徴に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

訪日韓国人観光客が訪れる観光地:福岡、大阪人気が特徴的。ベタな東京・京都旅行者は比較的少ない

訪日韓国人観光客は2015年に約400万人で、前年比45%増しています。日本食を食べることや、街歩き、ショッピング、温泉、日本の自然、景勝地観光に期待する人が多くなっています。訪日韓国人観光客に人気の観光地を確認してみましょう。訪日韓国人観光客は西日本からの出入国が多く、訪問先も九州や関西の人気の高いのが特徴です。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?調査・リサーチについてより詳しい資料のダウンロードはこちらインバウンドデータについてより詳...


「政府と個人は別」日本人観光客に対しては冷静な意見も

こうしたニュースを受けて、韓国の市民の認識を伝えようとする日本人のツイートも見られます。

ボイコットジャパンに関するTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:ボイコットジャパンに関する投稿(https://twitter.com/yoox5135/status/1153913669765365760)


引用リツイートされている韓国語のツイートをTwitterで翻訳すると「不買運動をしていた巻い構わないが、少なくとも韓国に対する関心に訪ねてくる人を門前払いする必要はないだろうか。国は果たしてどのような形で存在する必要がありだろう疑問を持つようにする」となり、多少日本語として不正確な部分はあるものの、ツイート主の、日本人一個人に対する感情と、日本政府の韓国への対応への評価を区分しようという主張がはっきりと見えてきます。

この韓国語のツイートには、ツイート主に賛同するリプライが多くついていると見られ、そのことに日本人ユーザーも好意的な感想を書き連ねています。政府間の緊張が高まる両国の関係を認識しつつも、お互いの立場を思いやる韓国人と日本人が存在することが、SNSの発言から確かめられたといえるでしょう。

政府への報復感情よりも、個人間の信頼により行動が決定されるのならば、今後インバウンド経済における韓国市場の回復も夢ではないはずです。今後の展開はインバウンド市場にとっても成長を左右する大きな要因であり、引き続き重要トピックとなっていくでしょう。


<参照>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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