※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。
2021年の東京オリンピックでは、サーフィンが初めて種目に追加されることが決定しており、参加国では、オリンピックデビューの年にメダル獲得すべく、機運が高まっています。開催国の日本は男女ともに出場できるため、代表選手の活躍が期待されています。
この記事では、サーフィンのルール、会場、スケジュール、注目選手を紹介します。
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サーフィンとは
サーフィンは、サーフボードを使用して波に乗る競技で、それぞれのライディングごとに得点が付けられます。選手たちは、各試合の中で、最も得点の高かった2本のライディングの合計点を競います。
以下では、サーフィンのルールと採点基準を解説します。
サーフィンはテクニックを競う競技
サーフィンは、サーフボードと呼ばれる板を使用して波に乗り、テクニックを競う競技で、ハワイやタヒチに住む古代ポリネシア人が始めたスポーツといわれています。自然を相手にした競技のため、サーファー達は自然に生み出される波の状況を見極める必要があります。
オリンピックのサーフィン競技で行われる種目は、ショートボードです。ショートボードでは、6フィート(約183センチメートル)前後で先端がとがっているボードを使用します。細かいターンがしやすく、ダイナミックな技を成功させやすい点が特徴です。
サーフィンのルール
サーフィンの試合の組み合わせは、ヒートと呼ばれます。オリンピックの予選ラウンドでは、4〜5人の選手が各ヒートを競い、勝ち抜き方式で本戦へ進みます。
本戦は、ヒートごとに2人の選手が競い合い、トーナメント方式で展開されます。1ヒートあたりの競技時間は、当日の自然環境や波の状態を見てテクニカルディレクターが決定しますが、30分に設定されることが多いようです。
各選手は時間内に25本までライディングでき、その中で点数の高い2本の合計点で競います。複数人が同時に競技に臨みますが、無数に存在する波の中で、1つの波に乗れるのは1選手のみです。
また、どの選手がどの波に乗るのかは選手の位置によって決められており、ピーク(波が崩れる直前の頂上)に最も近い選手が波に乗る権利「優先権」を得られるようになっています。
そのため、選手たちは海のコンディションを見極める必要があり、いい波に乗れる位置を確保できるかどうかも得点に大きく影響します。
優先権を持つ選手が波に乗れなかった場合には権利を失いますが、優先権を持たない選手が邪魔をしたり、波に乗ろうとしたりすると、減点のペナルティがあります。
採点の要素
採点基準は、技の難易度、積極性、バリエーション、演技の流れやスピードなどで、ライディングのクオリティを総合的に判断されます。最も点数の高い2本の合計が勝負を左右するため、選手たちは波が来るたびにチャレンジするのではなく、クオリティの高い演技を実現できるよう、慎重にタイミングを探ります。
同じ波は2度と来ない中で、どの波に乗るかは選手の判断力が問われる場面です。
また、点数は技ごとに決められておらず、同じ技でも完成度によって得点が異なります。ただ難しい技を成功させるのではなく、1本のライディングにどのような要素を詰め込むかが勝敗を分けます。
東京2021オリンピックがオリンピックデビュー
サーフィンは、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」が提案してオリンピック種目に追加されました。東京大会では、オリンピックで初めてサーフィンが行われます。
以下では、競技日程や会場、注目国、日本人の注目選手を紹介します。
※以下、東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定される前の情報です。
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サーフィンの競技日程、会場
サーフィンは、2020年7月26日(日)〜8月2日(日)の間に4日間行われる予定でした。
波のコンディションによって試合の開催可否が決まるため、競技日数に対して長い期間が設定されています。千葉県の釣ヶ崎海岸サーフィンビーチが競技会場となる予定です。
強豪国はアメリカ、オーストラリア、ブラジル
それぞれの出場国が、サーフィンのオリンピックデビューとなる東京大会で、メダルの獲得を目指しています。特に、注目されているのはアメリカ、オーストラリア、ブラジルの3か国です。
アメリカはサーフィン発祥の地であるハワイをはじめ、サーフィンがスポーツとして国民に広く親しまれており、出場国の中でも長い歴史を持っています。
また、オーストラリアは、世界のトップサーファーを数多く輩出しており、国際大会のランキングでも上位に入賞しています。
そして、ブラジルは、近年急激な成長をみせています。国内では、サーフィンがサッカーに次いで人気のスポーツとなっており、「ブラジリアンストーム」と呼ばれる世代が中南米のサーフ界を盛り上げています。
日本の注目選手は
2019年、日本サーフィン連盟は、プロサーフィン連盟、World Surf League Japanと協議したうえで、75名の強化指定選手を選出しました。
彼らは、ランキングや大会での実績をもとに「A指定」、「B指定」、「C指定」、「ジュニア指定」に分けられています。次の世界大会で4位以内に入賞する可能性が高いA指定には、8名の男子選手、6名の女子選手が選抜されています。
男子選手では、2018年の世界選手権で2位入賞の五十嵐カノア(いがらしかのあ)、同大会4位の村上舜(むらかみしゅん)、小柄ながらダイナミックな技に定評のある大原洋人(おおはらひろと)、世界選手権で入賞経験のある稲葉玲王(いなばれお)などが期待されています。
また、女子選手では、世界選手権での優勝経験を持つ大村奈央(おおむらなお)、ハワイ出身の前田マヒナ(まえだまひな)、世界的に活躍している脇田紗良(わきたさら)、プロサーファー高校生として活動する松田詩野(まつだしの)などが注目されています。
サーフィンをきっかけに観光客を誘致する例
競技会場の周辺では、オリンピックをきっかけとする観光客の誘致が注目されています。サーフィンの場合は、サーフィンフェスティバルやパワースポットを活かした集客ができるでしょう。
以下では、それぞれの例を紹介します。
サーフィンフェスティバルの開催
東京オリンピックでは、サーフィンの競技期間に合わせて、サーフィンフェスティバルが開催されます。サーフィンの国際大会では、会場の近隣で屋台を出したり、ライブを開催したりして、集客に役立てており、東京大会でも同様の試みが予定されています。
特に、大規模な大会が少なく、サーフィン文化が浸透していない日本では、会場を訪れる観客を増やすうえで大きな効果を発揮するでしょう。
また、波のコンディションが悪く、競技の開催が見送られた場合もフェスティバルは実施されるため、足を運んだ人々が退屈してしまうこともありません。
参加するにはチケットが必要で、料金は競技の有無に関わらず、1日につき3,000円です。内容の詳細は、後日発表となっており、2019年時点では音楽イベントなどが予定されています。
1,200年以上の歴史を持つ、玉前神社
競技会場の釣ヶ崎海岸は、腕利きのサーファーが集う聖地としてだけでなく、浜辺に神社があるパワースポットとしても有名です。
これは、JR外房線の上総一ノ宮駅からほど近くに位置する玉前神社です。同神社は、神武天皇の母にあたる玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀っており、1,200年以上の歴史を持っています。
パワースポットの存在を活かして集客につなげられれば、サーフィン競技がさらに盛り上がるでしょう。
東京オリンピックをサーフィンで盛り上げよう
サーフィンは、2021年の東京オリンピックで初めて競技種目に追加されます。
自然の波を利用して競うため、当日のコンディションによっては競技を開催できないこともあり、余裕をもったスケジュールが設定されています。
競技期間中、会場周辺ではサーフィンフェスティバルが開催されており、観客は試合の観戦だけでなく、音楽イベントに参加するなど、多様な楽しみ方ができます。
また、釣ヶ崎海岸は、浜辺に鳥居があるパワースポットとしても知られており、プロモーションに活かせれば、さらなる盛り上がりが期待できそうです。
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