近年、インバウンド業界では「コト消費」が注目されています。コト消費とは、コト(体験)に価値を見出す消費を指します。具体的には、着物の着付け体験や伝統文化の鑑賞などです。
これだけをみるとインバウンドにおけるコト消費はその文化を体験することに感じられますが、自然環境を活かしたスポーツ体験も重要なジャンルといえます。
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マリンスポーツに関するガイドラインを公表
観光庁は6月3日、訪日外国人旅行客がスキューバダイビング、スノーケリングを安心して体験できる受入体制を整えるための、「訪日外国人等に対する体験ダイビング及びスノーケリングの提供に関するガイドライン」を公表しました。
このガイドラインは、世界と日本のの水中アクティビティ市場規模が2016年から2023年にかけて約3倍に伸びるとされていることを踏まえ、策定されています。
2019年に観光庁から発表された「ビーチの観光資源としての活性化に向けたナレッジ集-参考資料-」によれば、陸上アクティビティ、水中アクティビティ、空中アクティビティの3つの市場規模についてまとめられています。これによれば、海外の水中アクティビティ市場は、2026年には世界では約55兆7,989億円(5,211億6,000万ドル)、日本は1兆3,976億円(130億5,400万ドル)にまで成長すると予測されています。
また、観光庁が2018年に20の国・地域を対象に実施したウェブアンケートの結果によれば、今後海外旅行で体験したいアクティビティについて「海のアクティビティ(海上・海中)」は「山のアクティビティ」に次いで票を集めました。
日本のインバウンド市場で重要な位置を占める中国を考えた場合にも、海沿いの地域は一部であり、今後経済成長も相まって内陸部からの訪日客が増えていくと考えられます。こうしたエリアの居住者は海に対するあこがれを持っている場合も少なくありません。今後の日本の水中アクティビティ、特に海のアクティビティの存在感は増していく可能性も高いでしょう。
ガイドラインの対象範囲は?
ガイドラインは、訪日外国人観光客に対して、スキューバダイビング及びスノーケリングに関するサービスを提供する事業者を対象としたものです。
対象とするコースの範囲は、スキューバダイビングでは体験ダイビングが、スノーケリングでは指定団体が定めたプログラムを提供するコースとなっています。この対象範囲は、多くの訪日外国人観光客が初心者であること、そして初心者は安全性確保等に関する知識を十分に有していないことから策定されました。
スキューバダイビングとスノーケリングの違いは?
スキューバダイビングとは、水中でも呼吸ができる装備を身に付けて海の中を楽しむマリンスポーツです。ダイバーになるためにはトレーニングを受け、Cカードと呼ばれるライセンスの取得が必要ですが、体験ダイビングの場合はその必要がありません。
一方スノーケリング(シュノーケリング)は、水中メガネやフィンを身に付けて水面から水中を覗き込むものです。ライセンス取得の必要はないので誰でも手軽に楽しむことができます。
インバウンド対応するインストラクターに求められる知識は?
ガイドラインに示されているインストラクターに求められる人物像は、スキューバダイビングに関するガイドのスキル以外にも「言語」「文化」「地域固有の観光資源」に関する知識が必要とされています。
ただし言語対応に関しては、他の2点と比べて習得は容易とはいえません。こうした実情を踏まえてか、「参加者の人数や特性に合わせた形で、担当するインストラクターを割り当てること。また、訪日外国人には、可能な限り参加者が使用する言語に対応が可能なインストラクターを割り当てること。」というように、語学の習得は義務づけられているわけではありません。
水中アクティビティの現場では、ポケトークのような翻訳機の活用によって対応が進められていくと考えられます。
傾向の理解が重要
旅行者にとっての「コト消費」には、文化の体験だけでなく自然環境を活かしたスポーツも含まれます。体を動かすだけでなく日本固有の自然環境を体験できる点は、訪日外国人にとっても大きな魅力となります。
海外旅行市場が全世界で停滞している今、コロナ後の市場回復に向けて、こうしたコト消費はどのようなプラットフォームでどのタイミングで予約されているのかについて着目し研究することは有意義といえるでしょう。
また、日常と異なる風景は旅行を動機付ける一つの大きな要因となります。水中アクティビティに限らず、自然環境を前提としたアクティビティについて、インバウンド市場のどの国からどの点に魅力を感じられているのか、ターゲット市場ごとの傾向を理解することも重要です。
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<参照>
・国土交通省観光庁:「訪日外国人等に対する体験ダイビング及びスノーケリングの提供に関するガイドライン」の公表
・国土交通省観光庁:訪日外国人等に対する体験ダイビング及びスノーケリングの提供に関するガイドライン
・国土交通省:ビーチの観光資源としての活性化に向けたナレッジ集-参考資料-
・特定非営利活動法人 パパラギ"海と自然の教室“:シュノーケリングをするなら絶対知っておきたい|インストラクターが徹底解説
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