コト消費とは?3つの事例からわかるモノ消費との違い|次に来る「トキ消費」「エモ消費」とは

公開日:2019年07月05日

世界的にも観光消費はモノ消費からコト消費へとシフトしている傾向にあります。そのため国内だけでなくインバウンド対策を行う上でも「体験」を重視するプランが多く見受けられます。

この記事ではコト消費の意味だけでなく、モノ消費との違いを3つの事例を参考に解説します。また今後のトレンドとして「トキ消費」「エモ消費」についてもご紹介します。


コト消費とは?

コト消費とは、コト(体験)を重視した消費傾向のことです。

昨今のインバウンド需要において重要視され始めました。例えば、スポーツや日本文化体験などが訪日旅行におけるコト消費の事例です。

「体験」を重視する「コト消費」が今後のインバウンド需要を支えていくと予想されています。

コト消費とモノ消費の違い

モノ消費はモノ(商品)を所有することに価値を見いだす消費傾向のことです。モノ消費では、商品・サービスそのものの機能に価値を見い出しています。

一方で、コト消費は、商品・サービスそのものの機能ではなく、商品・サービスを通じて得られる体験に価値を見出しているという違いがあります。昨今のインバウンド需要では、「モノからコト」へとトレンドが変化しています。

詳しくは以下の記事も参考にしてください。

モノ消費からコト消費ってなに?変化の理由とインバウンド対策方法を解説

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コト消費の始まり、きっかけは?

モノ消費からコト消費への変化の背景として、消費者のニーズの変化が挙げられます。まずは、日本国内における消費行動の変化を元に説明します。

高度経済成長期の日本では、「三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ)」や「3C(カラーテレビ ・クーラー・自動車)」のような商品が売れていました。なぜなら、これらはこれまでにない商品だったためです。

しかし、現在では上記で挙げた商品は、大半の国民が所有しているでしょう。多くの人が比較的簡単に手に入れられるようになった結果、商品そのものの価値は相対的に弱まりました。つまり、モノ消費需要の減少を意味しています。

また、コト消費需要が高まっている要因として、ネット通販の台頭が挙げられます。ネット通販により、わざわざ店舗で商品を買う必要がなくなりました。

現在、多くの人がAmazonや楽天などのECサイトを通じて、商品を購入しています。ネット上で世界中の商品をいつでもどこでも買えるようになったため、旅先でわざわざ商品を購入する必要がなくなったと考えられます。そのため、旅先でしか得ることのできない「体験」のニーズが高まっていきました。

コト消費ってどんなこと?事例を紹介

インバウンドでのコト消費の重要性について理解できたところで、具体的にコト消費を促進する方法はどういったものがあるか、具体的な事例を紹介します。

1. Airbnbのサービス、「Trips(トリップ)」

Airbnbでは、2016年から「Trips(トリップ)」の提供を開始しました。

Tripは、現地の人が企画したアクティビティと、現地で体験を求める旅行客をマッチングできるサービスです。

サービス開始当初は、東京含む世界12都市でサービスが開始され、すぐに約500種類のアクティビティが掲載されました。アクティビティの内容は、文化体験をはじめ、料理やスポーツからボランティア活動といったものまで、様々なものが登録されています。

東京では、金継きま体験や芸者体験など、日本ならではのアクティビティが掲載されています。Airbnbユーザーは宿泊先の土地ならではの体験を求める人がもともと多い傾向にあるため、Tripsはそんな旅行客のニーズに合ったサービスといえるでしょう。

2. 百貨店もコト消費

2014年、三越日本橋本店に複合型ショップ「はじまりのカフェ」がオープンしました。ここはどこに行ったら買えるのかわからないモノやコトを提供するということがコンセプトのショップです。

はじまりのカフェは、カフェとしてコーヒーや軽食を提供することはもちろん、カフェオープンキッチンを使ったワークショップや、デジタルコンシェルジュによるデジタル機器の操作を試せる場を提供しました。

また、高島屋横浜店では、2018年6月に「ベルサンパティック」をオープンしました。

そこでは、メイクや眉カットやヘアケアなど、70種類の施術メニューを提供しており、気軽に立ち寄れる施術・体験サービスをコンセプトとして従来の百貨店では対応できないサービスを行っています。最短30分から最長120分のメニューがあります。

このように、モノ消費向けのビジネスが主である百貨店業界でもコト消費に向けたサービスが増えてきています。

3. ホテルのナイトプール

ホテルニューオータニの「GARDEN POOL」は、昨今のナイトプールブームの火付け役とも言われています。

泊まるだけでなく、DJによる週末イベントやプールサイドダイニングでのグルメも堪能することができます。光の演出に包まれながら、贅沢な大人のひと時を楽しむことが可能です。

その他にもANAインターコンチネンタルホテルの「東京ガーデンプール」や京王プラザホテルの「スカイプール」など、ナイトプールを楽しめる場所が増えてきました。

単に泳ぐだけの場所としてではなく、新たな大人の遊び場として、「贅沢な体験」のできるナイトプールが注目されています。

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コト消費の次に来る?トキ消費、エモ消費

モノ消費からコト消費へと消費トレンドが変化しつつありますが、コト消費の次に新たな消費傾向が到来すると言われています。

それは、トキ消費やエモ消費といったものです。これからは流行に合わせた消費傾向を把握し、柔軟なインバウンド対策が必要となってきます。

これらは一体どういった消費傾向なのか、それぞれ解説します。

トキ消費とは

「トキ消費」とは、その時・その場でしか味わえない盛り上がりを共有することを楽しむ消費行動のことを言います。

例えば、ハロウィン、フェス、アイドルの総選挙などが挙げられます。

トキ消費には主に3つの要素があります。1つ目は、非再現性・限定性で、同じ経験が二度とできないこと。2つ目は、参加性で参加すること自体が目的となることです。そして、3つ目が貢献性です。具体的には、参加した成果を味わえることです。

Youtubeでアイドルをみるよりもライブ、スマホで音楽聞くよりフェスなど、今このトキにしか味わえない盛り上がりを噛み締めたいというニーズが人々の間で高まっており、このような現象を総称して「トキ消費」と呼ぶようです。

エモ消費とは

「エモ消費」とは、精神的な満足感を重視する消費傾向です。エモは、エモーショナル(感情的)の略です。

エモ消費では、モノやコトではなく、その先にある感情を重視しています。

エモ消費の事例としては、アイドル商法やクラウドファンディング、オンラインサロンなどが挙げられます。アイドル商法でいうと、AKBが代表的でしょう。ファンはCDを買うことで単にモノを得ている訳ではありません。その消費を通じて「自分は役に立っている」という満足感を得ているといいます。

消費者は様々な経験を求めている

時代の経過と共に、求められる消費のかたちは変化しています。従来ニーズのあったモノ消費からコト消費へ移行しています。

訪日外国人は、商品やサービスそのものではなく、「体験」を求めています。消費傾向の変化に伴い、様々な「体験」を提供することで消費者のニーズに応えることができるでしょう。

今後は、体験の提供を中心としたインバウンド対策が必要となってきます。消費傾向の変化に敏感になり、適切な対応を取れるように心がけましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!