近年、訪日外国人観光客の観光目的が家電製品などを購入するモノ消費から体験を重視するコト消費へと変化しています。
例えば田舎暮らしを体験するツアーなど、モノから私たち日本人の生活そのものに興味を持っている観光客が増加しています。
この記事ではコト消費の意味だけでなく、モノ消費との違いを3つの事例を参考に解説します。
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コト消費とは?
そもそも「コト消費」とは、商品やサービスによって得られる"体験"を重視した消費傾向のことです。例えばハイキングやラフティングなどのアクティビティや、ゴルフ・スキー・スノーボードなどのスポーツなどが代表的なものです。
以前は訪日中国人の「爆買い」に代表される「モノ消費」が日本のインバウンドの中心でしたが、現在はアジア圏からの訪日客も含め「コト消費」がトレンドになってきています。
モノ消費からコト消費へ|定義と最新傾向「トキ消費」「エモ消費」「イミ消費」
コト消費とは、経験・体験をその価値とする商品やサービスを購入する消費行動です。商品の機能や品質を重視し、購入する消費行動は、コト消費に対し「モノ消費」と呼ばれます。 体験サービスはコト消費の代表的な商品ですが、商品やサービスが提供されるまでの過程に購買意欲をかき立てるような魅力のある商品の購入も、コト消費として定義されます。 日本国内で、また世界的に消費トレンドは「モノ消費」から「コト消費」へとシフトしつつあります。観光体験においても同様です。インバウンド市場を見据えた施策では「体験」...
所有することより「体験」を重視したい人が圧倒的に多い
2017年、マーケティングリサーチ会社のGfKは17カ国22,000名のインターネットユーザーを対象に「お金があるより、時間があるほうが良いと思うか」というヒアリング調査を実施しました。
この結果によると「お金があるより時間がある方が良い」と強く思う人が全体の31%を占めています。
また、「何を所有するかより、何を体験するかの方が大切だ」と強く思っている人は半数近くの44%という結果になりました。
このヒアリング結果からもわかるように、グローバルの消費者は「お金やモノ」よりも、目に見えない時間や体験に価値を見出していることがうかがえます。
コト消費 成功事例3選
コト消費というとスポーツやアクティビティなどがメジャーですが、最近はコト消費も多様化してきています。
トリップアドバイザー体験ツアーランキング1位:マリカー
訴訟問題で一時期話題になった公道カート「マリカー」ですが、トリップアドバイザーの「外国人に人気の日本の体験・ツアー ランキング 2018」では1位にランクインしました。
「マリカー」は東京都内の公道を任天堂のゲームさながらのカートやコスチュームで走れるという体験型コンテンツで、体験した訪日外国人がSNSに投稿したことで一気に人気が出ました。
「恋するバスコン」:東関交通
千葉県成田市のバス会社東関交通では、婚活イベント「恋するバスコン」を開催しています。バスを貸し切って都内を観光しながら、初対面の異性との会話を楽しむことができるというものです。
一緒にイチゴ狩り体験をしたり、神社を参拝したり、「対面でのコミュニケーション」だけでなく「一緒に何かを体験」することで、参加者にイベントの価値を提供できます。
指定された椅子に座って会話を楽しむ通常の婚活イベントとは異なり、体を動かしながら交流できることから、参加者は年々増えているようです。
グルメや街歩き提供「体験博2017」:なんば戎橋筋商店街
「なんば戎橋筋商店街」は、日本人・訪日外国人観光客を対象にグルメや街歩きなどの体験プログラムを提供し、商店街の魅力をアプローチしようという「体験博2017」を開催しました。
すり身の天ぷらを作る体験会をはじめ、絵手紙、道頓堀ウルトラクイズクルーズなど、趣向を凝らしたプログラムが豊富に用意されました。
ニーズの変化を見る:訪日外国人観光客に人気の観光スポットは?
伏見稲荷大社(京都)
京都市にある「伏見稲荷大社」は、世界最大級の旅行口コミサイトの「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」で5年連続1位に輝いた不動の人気観光スポットです。
1300年以上の長い歴史を誇る伏見稲荷大社の一番の見所といえば千本鳥居です。
果てしなく続く朱色の千本鳥居をくぐると「願い事が叶う」と言い伝えられています。
稲荷山の入口に建つ千本鳥居は、神降臨の地ともいわれる神聖な場所です。
人間の世界から神様のいる世界へと繋がる門として、江戸時代から明治時代にかけて参拝者の奉納によって建てられたといいます。
周囲は、鳥のさえずりや風の音しか聞こえないほど、シーンと静まり返って静寂な雰囲気に包まれています。
兼六園(金沢)
石川県金沢市には、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「ひがし茶屋街」や、若者に人気の現代アート美術館「金沢21世紀美術館」など、街を散策しながら楽しめる観光スポットがたくさんあります。
数ある観光スポットのなかで、訪日外国人観光客から人気を集めているのが「兼六園」です。
百万石・前田家の庭園として造られた兼六園は、国の特別名勝に指定されています。サクラやカキツバタ、紅葉、雪吊りなど、日本ならではの四季折々の美しさが楽しめます。
コト消費でリピーター獲得を
日本の文化を体験できる「コト消費」は、「モノ消費」よりも顧客の心を掴みやすく、印象に長く残りやすいという特徴があります。
ただ単にお金を出してモノを買う、消費するのではなく、貴重な思い出として印象付けることで、リピート率アップにもつながります。
インバウンド対策のひとつの方法として、コト消費を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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<参照>
- ZUUOnline:【第1回】 時間とお金の意識調査
- ferret:2017年「コト消費」事例15選!体験型サービスのトレンドを掴もう
- 大阪市中央区オフィシャルサイト:なんば戎橋筋商店街 春の体験博2017
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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