新型コロナウイルスの影響を受け各国が出入国制限を設けている中、日本とベトナムは6月19日に制限を相互に緩和する方針で合意しました。ベトナムから日本への入国制限もまもなく緩和される見通しで、6月25日から27日にかけては合意後初となる日本からベトナムへの臨時便が運航しました。
JNTOの調査によると、新型コロナウイルスの流行前までの訪日ベトナム人観光客数は、2019年までの5年間で約2.7倍となりました。こういった状況を踏まえ、訪日ベトナム人市場はアフターコロナにおいて早期回復・成長が期待できるといえるでしょう。
この記事では、海外市場専門のマーケティング会社であるインフィニティ・コミュニケーションズがベトナム人を対象に行った海外旅行に関する意識調査をもとに、アフターコロナに向けた訪日ベトナム人市場の展望を解説します。
《注目ポイント》
- 海外旅行再開時期「ワクチンができたら」が最多
- コロナ収束後の海外旅行先「日本」が1位に
- 現在の日本は「危険と感じる」9割超
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海外旅行再開時期「ワクチンができたらすぐ」が最多
同調査の「どんな状況になったら海外へ行きたいか」という質問では、「ワクチンができたらすぐ」が40.5%で最多となりました。旅行中の安全が確保されるかどうかが重視されているといえます。
また、「入国制限が解除されたらすぐ」と回答した人も35.1%いましたが、ベトナムから日本への入国制限が緩和された後も当面の間はビジネス関係者のみが対象であるため、実際にベトナム人が観光目的で訪日できるのはまだ先になる見通しです。
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コロナ収束後の海外旅行先「日本」が1位に
「新型コロナウイルスの収束後、海外旅行に行ける状況になったら、行きたい国・地域はどこか」という質問に対し、「日本」と回答したベトナム人の割合は46.2%で、1位にランクインしました。
2位の韓国に大きく差をつけていることからも、新型コロナウイルス収束後の訪日ベトナム人市場には期待がもてます。
実際に訪日ができるようになる時期まで「日本に行きたい」という気持ちを持ち続けてもらえるよう、今から訪日旅行についての情報発信やプロモーションを継続的にしていくことが必要でしょう。
順位 | 行きたい国・地域 | 割合 |
1位 | 日本 | 46.2% |
2位 | 韓国 | 26.9% |
3位 | 台湾 | 25.1% |
4位 | アメリカ、ヨーロッパ | 22.9% |
5位 | タイ | 21.1% |
一方、現在の日本を「危険と感じる」9割超
現在の日本に対するイメージは「コロナ流行中で危険」「流行は抑えられているが危険」「流行中でかなり危険」を合わせると93.8%と、ほとんどのベトナム人が現在の日本を「危険」と感じていることがわかります。
日本では東京を中心にここ1週間ほど感染者が増加傾向にありますが、一方でベトナムでは国内感染者が約3か月間おらず、また新型コロナウイルスによる死亡者は出ていません。
仮にベトナムから日本への入国制限が緩和されたとしても、自国より感染状況の深刻な地域に行くことはハードルが高いと考えられます。そのため、日本での流行が収まり次第、日本の安全性をアピールをしていくことが重要だといえるでしょう。
アフターコロナにチャンスあり/今から継続的な情報発信を
ベトナム人の「新型コロナウイルス収束後に行きたい国」で日本が1位に選ばれたことから、アフターコロナの訪日ベトナム人市場には期待がもてるといえます。
ただし訪日時期については、ワクチンがいつ実用化されるのか、また観光客に対する入国制限がいつ緩和されるかにもよるため、まだ先になる見通しです。現在の高い訪日需要を取り逃がさないために、今から継続的なプロモーションや情報発信を仕掛けることが重要です。
また、新型コロナウイルスの流行が収まり、再び観光客を受け入れる体制が整った際には、感染対策の取り組みをアピールすることが必要になります。
日本の新型コロナウイルス対策について周知することで、海外から「日本は安全」と認識してもらうことが、アフターコロナのインバウンド回復の第一歩となるでしょう。
アフターコロナの観光・インバウンド市場、訪日意欲とこれから重視すべきポイント解説
コロナウイルス感染第2波への懸念は拭えないものの、日本を含め各国で新型コロナウイルス感染者もピーク時を境に減少傾向にあり、各国で段階的に経済活動を再開する動きが見られています。日本では6月19日より県をまたぐ移動が全面的に解除となった他、入国制限措置の緩和策第1弾としてビジネス関係者に限り、6月下旬よりベトナムとの間で往来を再開させる方針で最終調整に入っています。また、中国やアジア各国では秋以降の訪日旅行に意欲的な姿勢を見せており、インバウンド需要回復に向けアフターコロナの新習慣として、3...
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