新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により多くの企業が業績悪化に苦しむなか、コロナ禍をチャンスに変えようとする動きもあります。
日本のスタートアップ企業 ドーナッツ ロボティクス株式会社が、ロボット技術を応用しスマートフォンと接続できる「スマートマスク」を発表しました。
マスクにITの力を取り入れて新たな需要を掘り起こすスマートマスクの事例を通して、新型コロナウイルス感染拡大のピンチをチャンスに変える方法を考察します。
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日本のスタートアップが開発「スマートマスク」
日本のスタートアップ企業であるドーナッツロボティクス株式会社が開発したのは、スマートフォンとの接続が可能なスマートマスク「C-Face」です。
コロナ時代に役立つ商品として、同社が長年手掛けてきたロボット開発の技術を応用して開発されました。
通常の布製マスクの上から装着して、スマートフォンとBluetoothで接続することができるもので、「声を文字にする」「議事録を作成する」「8か国語翻訳する」などの機能が搭載されています。
相手のスマートフォンをスピーカーにして、10m離れた相手にも声を届けることができ、ソーシャルディスタンスの確保に役立つ次世代型コミュニケーションデバイスとして期待されます。
医療従事者が患者とより離れて診察したり、大人数の会議で、マスクをしたまま確実に全員に声を届けるなど、医療現場やビジネスシーンなどでの活用が想定されています。
現在は音と文字のみに留まるものの、将来の2号機はARやVRなどの画像系に発展させる計画だということです。
C-Faceは7月下旬からクラウドファンディング「Makuake」で予約販売が開始され、価格は3,980円~6980円(税抜)と見込まれています。
インバウンド業界が大きな影響を受ける中、すでに海外からの問い合わせもあるようです。
海外の反応
日本で開発されたスマートマスクに、海外からも注目が集まっており、多くのメディアやSNSで紹介されています。世界最大の電子掲示板(BBS)である「reddit」では、スマートマスクに関するスレッドが立てられていました。
以下、スレッドに寄せられたコメントの一部をご紹介します。(2020年7月15日 編集部確認、翻訳)
「世界が1420年で止まっている間に、日本は2120年の世界を生きているね。」
「ダースベイダーマスクと呼ぼう!」
「コロナの前から多くの日本人がマスクを着用していたことを考えると、それほど驚かない。」
「新鮮な空気を取り入れられる、小さな扇風機が付いたマスクが欲しいな。」
「すごく日本らしい商品だね」参照:reddit
日本の先進的な取り組みを評価する声が聞かれ、もともとマスクをする習慣のある日本ならではの商品だと感じる人も多いようです。
またマスクの外観から、人気の映画「スターウォーズ」シリーズに登場するキャラクターである、ダースベイダーを連想する人も見受けられました。
さらに、通風性に優れたマスクなど、多機能なマスクを期待する声も聞かれています。
コロナをビジネスチャンスに
コロナショックによりインバウンド業界は大きな影響を受けており、需要回復の見込みもまだ見通しがついていません。
苦しい状況が続く一方、ドーナッツ ロボティクス株式会社のようなスタートアップが斬新な商品やサービス、ビジネスモデルを構築し新しい需要を生み出しています。
今回紹介したスマートマスクの場合は、「マスクをしていると会議中に声が聞こえにくい」、「診察の際に医療従事者の感染リスクが心配だ」といった課題解決だけではなく、翻訳機能がついていることにより国を越えて利用シーンを拡大させています。
このように、新型コロナウイルスによってもたらされた困りごとを解決できる商品やサービスを考案することで、ビジネスチャンスを見出すことができるでしょう。
また新しい技術やサービスを積極的に取り入れることで、業務の効率化や感染予防対策を強化することもできるでしょう。
さらに事業者側の観光客受け入れ準備に関わるさまざまな努力をうまくPRすることで、安心して旅行ができる環境だということを伝えることができます。
苦難の多いコロナ禍において、柔軟な発想でピンチをチャンスに変えることができるかが、コロナの時代を生き抜くカギとなるでしょう。
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<参照>
Forbes:コロナ後の世界が注目の「スマートマスク」、日本企業が開発
HYPEBEAST:スマホと接続できる世界初の“スマートマスク”が誕生
ドーナッツロボティクス:C-FACE
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