なぜ外国人は「オンラインアキバツアー」に夢中になるのか?大人気ガイドが語る3つのポイント

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オンライン宿泊、オンラインバスツアーガイド、オンライン酒造見学など、ここ最近でオンラインを媒体としたサービスが幅広く知られるようになりました。

既存のツアーガイドにおける新規事業として注目される一方で、「自分のサービスとは相性が悪い」「始めてみたけど思う様に楽しんでもらえない」といった声を聞きます。

今回はオンラインツアーを実施する中で、ゲストをより良くおもてなしするために注意すべきポイントをまとめます。


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オンラインツアー実施時に心がけるべきポイント

「観光地の良さ」「観光コンテンツの魅力」をオンラインで伝え、また参加者の満足を得るためには、「伝え方」が重要になってきます。

1. 情報提供よりもゲストと打ち解けることを優先

オンラインツアーでは、ただ観光スポットやアピールしたいポイントのみに触れて進行すると参加者と打ち解けることがとても難しくなります。

というのも、実地のツアーでは、観光スポット以外にも移動時間やちょっとしたスキマ時間にゲストとのコミュニケーションが生まれ、そこで打ち解けることが多々あるからです。

一方のオンラインツアーでは効率のみを重視しようとするとなぜか楽しんでもらえない、、というのはここの違いが原因です。

そのため、型にハマった内容をなぞる前に、まずはしっかりと時間をとって参加者との雑談を楽しむことをオススメします。

「今日はどんな国から参加しているのか」「どうしてこの体験に参加したのか」「日本に来たことはあるか」「やってみたいこと・興味のあることはないか」

なんでも構いません、雑談を繰り返すことでゲストの知られざる要望や特徴が見えてくることでしょう。

2. 一方的に話すのではなく、会話のキャッチボールを

ゲストの五感全てに対して魅力をアピールできるオフラインツアーと異なり、オンラインツアーにおいてはあなたが画面越しに紹介する内容だけが頼りです。

そのため、いくら価値のある情報が詰まったツアーだとしても、ホストがただ一方的に話し続けていたのでは彼らの興味はすぐに失われてしまうことでしょう。

次から次へと話し続けるのではなく、話題を変える都度ゲストへ質問を投げかけたり、「ここまでで分からないことはありますか?」と進捗を確認する姿勢を見せて興味を維持することが重要です。

3. 「次は実際に観光したい」と思わせる:オンラインツアーは「代わり」

オンラインツアーに参加するゲストは「実際に観光地へ行けないから仕方なくオンラインツアーに参加する」という気持ちで参加するのがほとんどです。

体験紹介ページで「この体験を通して得られるもの」を明示することはもちろんですが、それだけでなく「この体験に参加したお陰で思いも寄らない収穫が得られた」とお得感を感じてもらえるようなお土産(モノではなくデータや情報など)を準備する意識も必要です。

たとえば「現地に暮らすガイドが勧める飲食店」「現地の宿泊所やショップで使えるクーポン」などを提供することができれば、ゲストに思いがけない収穫を得たと感じてもらうことができ、お得感演出につながります。

実際に、1時間のオンラインツアーで提供している内容を初紹介

以上のポイントを踏まえ、私のオンライン秋葉原ツアーで紹介している大まかな流れが以下になります。

1. アイスブレイク(10-15分)

Zoomの画面に、アキバオンラインツアーガイドと参加者が並んでいる様子
▲[オンラインツアーでのアイスブレイクの様子]:筆者提供


前述の通り、オンラインルームに入室してもらってもすぐには本題へ移さずに自己紹介や近況についての情報交換をする時間を長めに取っています。

ちなみにZoom会議をする前にアンケートフォームの回答をお願いしているので、主催者である自分はゲストについてのある程度の情報(出身・年齢・趣味や興味のあること)を知ったうえで、雑談のための準備ができます。

2.秋葉原の歴史や文化紹介(10分)

アイスブレイクが終わったところで本題のアキバ紹介へ。事前の雑談が弾むほど、ゲストは興味を持って聞き入ってくれます。

3.アニメ分野のクイズ出題(10分)

Zoomを用いて秋葉原やアニメに関するクイズを、海外のゲストに提供する様子
▲[オンラインツアー内のクイズパートの様子]:筆者提供

前のパートで少し長めに話をしたので、ここでゲストの興味を引き出すためにアニメのクイズを出題します。若年層のゲストほどこれが効果的で、積極的に回答や質問がされます。

オンラインツアー体験により没頭してもらえる効果があります。

4.秋葉原での観光tips紹介(10分)

興味維持をしたところで再び秋葉原に関する情報提供に移ります。

交流→情報提供→交流→情報提供と小刻みに繰り返すことで飽きなく聞いてもらえる土壌を作ります。

5.まとめ、質疑応答、雑談(10分)

最後に今回のオンラインツアー体験への感想吸い上げや、してほしいことが無いかを確認することで満足度の底上げを図ります。
Zoomで海外のゲストと日本にいるホストが記念撮影をする様子
▲[オンラインツアー終了時ゲストとの記念撮影風景]:筆者提供

まとめ:重要なのは「雑談力」

以上が私のツアーの基本的な流れですが、場合によっては情報提供よりも雑談がメインになることも多々あります。

だからといって評価が下がることはなく、むしろゲストの要望に応じた話題や話をして楽しませられる分高評価を頂く傾向が強いです。

冒頭で詳細に述べましたが、以下の3点が、オンラインで提供する体験コンテンツに対する、参加者からの評価を左右します。

  1. 雑談を重視しいち早くゲストと打ち解けて
  2. 自分本位の話をしすぎないよう、会話のキャッチボールを心がける
  3. そして観光地とホストに興味を持ってもらい、実際に訪れてみたいと思わせる

オンラインコンテンツ提供の際は、この観点を外さなければ、満足度アップやリピーターの獲得といった結果につながるはずです。


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この記事の筆者

市原佑樹

市原佑樹

“サブカル特化型”個人ツアーガイド。カナダ留学後、広告代理店勤務を経て個人ツアーガイドとして独立。「Private Otaku Tour in Akihabara」をAirbnb上で実施。約1年半のガイドで500人以上のアニメファンをホスト。2019年「Community Contributor」としてAirbnbから受賞。2020年4月に開始した新サービス「オンライン体験」において「Get Inside Tokyo Anime & Subcultures」を実施。5月22日現在の予約件数は100件を超え、平均レビュー4.98/5.00を記録。

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