新型コロナウイルスの感染拡大により、全国各地の観光地では人出の大幅な減少が顕著でしたが、4連休となったシルバーウィーク期間中は、多くの人出が戻りました。
GoTo トラベルキャンペーンの影響もあり、今年のゴールデンウィークを大幅に超える人出となった地域や、客室稼働率が90%を超えた宿泊施設も見受けられました。一方で、いまだインバウンドの激減による集客難に苦しむ施設も少なくありません。
今回は、4連休のシルバーウィークにおける全国の観光地の様子を紹介し、旅行宿泊業界のいまと今後の展望について解説します。
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4連休に賑わう各地
2020年9月19日〜22日まで、4連休となったシルバーウィーク期間中は、全国の観光地で人出が大幅に回復し、多くの観光客で賑わいました。
沖縄に観光客続々 ホテルでは稼働率90%超も
沖縄の玄関口である那覇空港には、連休開始の前日から多くの観光客の姿が見受けられ、コロナ禍により観光客が激減していた沖縄に活気が戻る様子がうかがえました。
連休中のホテルの客室稼働率は90%を超えるところもあったとしています。
沖縄県が発令していた独自の緊急事態宣言により、全日本空輸が運行する沖縄路線の8月までの予約率は、前年比で約3割にとどまっていました。しかし、9月5日に緊急事態宣言が解除されて迎えた4連休では、予約率が前年比の6割弱まで回復しています。
日本トランスオーシャン航空でも、予約率が前年比2〜3割に低迷していましたが、4連休は7割ほどまで持ち直しました。
沖縄では、観光業の再興から経済活動の活発化が期待される一方で、人の移動の増加による感染拡大も懸念されています。沖縄観光コンベンションビューローは、那覇空港の到着ロビーで観光客にマスクを配布したり、体温測定を行ったりと、「3密」を避け感染予防をしながら滞在を楽しむよう呼びかけました。
京都 嵐山、「GWの3.4倍」の人出に
日本の一大観光地である京都の嵐山も、4連休に大幅な人出の回復を見せました。位置情報ビッグデータを活用した事業を行うAgoopが発表したデータによると、9月19日と20日の人出の平均値は、緊急事態宣言下にあったゴールデンウィークと比べると3.4倍になり、大幅な増加がみられました。
京都中心部の錦市場も、多くの観光客で賑わいました。近隣の大阪からGoTo トラベルを利用して訪れた観光客も多かったとしています。錦市場の店舗では、4連休前に比べると2倍以上の人出となり、観光客の回復に喜びの声が上がりました。
長崎や松本・金沢でも人出が大幅回復
長崎県長崎市のグラバー園には、世界文化遺産の「旧グラバー住宅」などをお目当てにした多くの観光客で賑わいました。9月19日〜21日までの3日間で9,200人ほどが訪れ、前年同時期よりも約3,000人増加しています。
園内では、マスクの着用を促したり検温を行ったりといった、感染防止対策の徹底により、来場者からも安心して楽しめるとの声が上がりました。
長野県松本市の松本城では連休中日の9月21日、入場まで最長2時間40分を要する長蛇の列ができ、3,300人の観光客が訪れました。感染予防対策として人数制限をしたほか、混雑回避のためにホームページに待ち時間を掲載するなど、工夫する様子が見受けられました。
石川県の金沢でも4連休中、北陸新幹線を利用し多くの観光客が訪れていました。日本三名園として有名な兼六園や、金沢の人気観光スポットのひがし茶屋街は、連日多くの観光客で賑わいました。
輪島朝市では、21日の人出が昨年とほぼ同規模の約3,000人であったとしています。2020年6月にオープンしたばかりの新名所である金沢港クルーズターミナルは、家族連れを中心に賑わいを見せ、20日時点では1日の来場者数が7,000人と、オープン以来最多を更新しました。
「消えたインバウンド」の爪痕深く 集客苦しむところも
4連休は全国各地の観光地で人出の回復がみられた一方で、インバウンドの激減により依然として集客に苦しむ施設も少なくありません。
成田空港周辺に位置する入浴施設『ラディソン成田 湯楽城』では、これまで成田空港を利用していた多くのインバウンド客がコロナ禍により激減したことで、4連休も客足の大幅な回復にはいたりませんでした。
同施設はインバウンド需要の取り込みを狙い、2019年に7月にオープンしましたが、その後千葉を襲った台風19号から始まりコロナ禍にも見舞われ、集客に大きな打撃を受けてきました。
GoToトラベルキャンペーンなどにより客足は少しずつ回復していますが、やはりインバウンド需要の取り込みが必要不可欠であるとしています。現在は、入浴料の大幅な割引などを実施し、国内旅行客の集客に注力しています。
国内旅行客の集客と感染予防対策の徹底求められる
4連休となったシルバーウィークでは、新型コロナウイルスの感染拡大以降、最も多くの人出を記録した地域もあるなど、国内旅行需要の大幅な回復がみられました。一方で、インバウンドは依然として激減している状況のため、引き続き集客に苦しむ施設があることも事実です。
現在日本は、159の国と地域からの外国人の入国を拒否しています。来月にも、全世界のビジネス目的または中長期の在留資格を持つ外国人を対象にした、入国制限の緩和を検討しているとの報道もありますが、訪日外国人観光客の受け入れ再開はいまだ見通しが立たない状況です。
国内の旅行宿泊施設では、引き続き国内旅行客の集客促進と、旅行客が安心して訪れられるような徹底した感染予防対策の実施が求められるでしょう。
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