4連休の人出は?国内観光がGoToトラベルで混雑するなか都市圏では人出減少も

公開日:2020年07月29日

2020年7月23日から26日にかけての4連休は、政府の観光キャンペーン「Go Toトラベル」が開始されて最初の連休ということもあり、国内で人の動きが注目されました。

日本全国各地の人の動きと、宿泊業界の状況、交通機関の混雑状況について解説します。

《注目ポイント》

  1. 4連休は遠出する人微増
  2. 満室状態となったホテルも、特に高級旅館の需要回復か
  3. 東京など都市圏では人出減少の動きも

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「Go To」開始後の4連休、人出は微増

7月23日から26日にかけての4連休は、政府の観光キャンペーン「Go Toトラベル」が始まってから最初の連休となりました。

NTTドコモが携帯電話の基地局の情報を基に算出した全国の人出のデータによると、連休3日目となる25日の人出は、1週間前の18日に比べ羽田空港第1ターミナルで7ポイント、北海道の新千歳空港で5.2ポイント、沖縄県の那覇空港で5.7ポイント増加し、遠出する人が増えたことがうかがえます。

地方観光地の25日の人出については、KDDIの調査によると18日に比べ愛媛県の道後温泉で8.2%、長崎県の観光通りで9.2%、大分県の由布院で18%と増加し、昨年と比較しても1割から4割程度増加しました。

連休2日目の24日、4月以降で最も多い来場者が訪れた長野県松本市の国宝・松本城は、天守への入場待ちが最大で1時間半におよび、周辺の道路も混雑しました。

一方、都市圏を中心に人出が減少する地域も

遠出をする人が増えた一方で、全国の多くの地域では、25日の人出は1週間前に比べて減少しました。

NTTドコモのデータによると、東京都では新宿駅周辺で去年の同時期に比べ46.9%減少し、44.9%の減少だった18日よりもさらに2ポイント減少しました。渋谷センター街付近でも去年同時期に比べ37.8%の減少となり、18日よりもさらに2.6ポイント減少しています。

新型コロナウイルスの新たな感染拡大に伴い、東京都は「Go To トラベル」の割引対象から除外され、不要不急の外出自粛が呼びかけられていることが影響していると考えられます。

東京都以外の地方都市の25日の人出も昨年同時期を軸にし比較すると、18日に比べ札幌駅周辺が1.3ポイント、名古屋駅周辺が12.7ポイント、大阪・梅田周辺が7.4ポイント、福岡・天神周辺が7.9ポイントと、各地で減少しました。

リサーチ会社のクロス・マーケティングが7月中旬に全国1,100人を対象に行った調査によると、居住地に関係なく約6割の人が4連休について「外出する予定は無い」と回答していました。

東京都のみならず全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が報じられていることもあり、今回の4連休に関しては「Go To トラベル」キャンペーンによる国内旅行支援が十分に機能したとは言い難いようです。

東京除外で「Go To トラベル」需要4割減か

「Go To トラベル」は新型コロナウイルスの感染拡大状況を受け、東京都民の旅行や、東京都を目的地とする旅行が割引対象から除外されました。

全国的な感染拡大の懸念もあり、当初1兆円程度と見込まれていた需要の押し上げ額は、6,000億円程度にまで減るという試算も見られます。

宿泊業界は

新型コロナウイルスの流行以来、苦境が続いていたものの、地方各地ではこの4連休で久しぶりに満室状態となったホテルもあったようです。京都府京都市の「京都プラザホテル京都駅南」や、北海道洞爺湖町の老舗ホテル「洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラス」では4連休中ほぼ満室となりました。

ホテルでは、利用客の検温を行ったり、利用する部屋数を通常より減らし3密を防いだり、大浴場やレストランの混雑状況を確認できるようにするなど、様々な感染予防対策が行われています。

一方で、直近の全国的な感染拡大や、「Go To トラベル」の詳細に不明点が多いことなどから、複雑な心境を抱える業者も少なくありません。

京都嵐山の土産物店の店主は、首都圏を中心とした感染拡大が報じられる最中に「Go To トラベル」が開始したため、もろ手を挙げて観光客を迎え入れられない複雑な胸中をのぞかせました。

「Go To トラベル」キャンペーン開始日が直前の7月10日に発表されたこともあり、詳細が判明してから宿泊を予約しようとする旅行客の動きが見られます。そのため、今後どのように「Go To トラベル」キャンペーンが影響してくるのか、8月以降の稼働状況が見通せないと頭を悩ませる宿泊施設もあるようです。

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高級旅館の需要回復も

4連休で一時的に稼働率が上昇するも、今後の見通しに不安を隠せない宿泊業者も多い中、高級ホテルや高級旅館では需要回復の兆しが見え始めています。

高級ホテル・高級旅館専門予約サイト「一休.com」では、他の宿泊客との接触を避けやすい「露天風呂付き・部屋食」プランを提供する宿の予約が増えているということです。

さらに「バケレン(バケーションレンタル)」と呼ばれる貸別荘タイプの宿は、家族水入らずで過ごせることから人気が高まっており、高級貸別荘は過去最高の予約数を記録しています。

バーベキューの食材があらかじめ冷蔵庫内に用意されているなど充実したサービスを実施する施設も多く、好評を博しているようです。

交通機関の混雑状況は

4連休の各地の交通機関は久しぶりに混雑し、23日の羽田空港の国内線出発ロビーは、観光や帰省などで地方に出かける多くの人達でにぎわいました。

一方で全日空の担当者は、沖縄便や北海道便が一部満席となったものの、「Go To キャンペーンで大幅に客足が伸びたとの印象はない」と話しており、再びの感染拡大が影響している可能性がありそうです。

連休最終日となる26日の新千歳空港でも、満席便は少なくロビーに大行列といった混雑もみられず、帰省や観光で訪れた旅行客からは、感染が拡大している都市部へ戻ることへの不安の声も聞かれました。

感染拡大を抑制し、徹底した新型コロナウイルス対策をPRすることが、今後の国内観光回復のカギとなりそうです。

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<参照>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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