日本政府観光局(JNTO)は5月15日、2024年4月の訪日外客数推計値を発表しました。これによると4月の訪日外客数は304万2,900人で、引き続きコロナ前を超える高水準となっています。
なかでもこれまで回復が遅れていた中国が、台湾を抜き2位に躍り出た点は特筆すべきだといえるでしょう。
そこで今回は、本データへの見解について、日本政府観光局(JNTO)北京事務所長 茶谷 晋太郎氏に取材しました。
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中国インバウンドの回復について:やはり「桜」は大きな訪日のきっかけ
訪日ラボ編集部:先日発表された、訪日外客統計4月分データについての所感をお聞かせください。
JNTO 北京事務所長 茶谷氏:2024年4月の中国からの訪日客数は約53.4万人(2019年同月比では約74%)となり、韓国(約66万人)に次ぐ第2位となりました。
前月からは約8万人増、2019年同月比では前月の約65%から10ポイント近く伸びるなど、より一段と回復が進みました。観光庁の試算によると、個人客に限って言えば約9割の水準まで回復しています。

日中間の航空便が継続的に復増便していることを背景に、4月初めに清明節の3連休があったことや、中国人にも人気の桜シーズンということもあり、各地に多くの中国人観光客の方が訪れたのではないかと考えています。
2023年度含め例年JNTO公式SNSでも桜関連の投稿がアクセス数上位となっていますし、中国の旅行会社からもお花見ツアーは好調だったと伺っていますので、やはり桜は大きな訪日のきっかけになっていると感じています。
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「来月○○に遊びに行くつもり」「夏祭りのスケジュールを教えてほしい」SNSでは訪日旅行へ向けたポジティブな書き込みが増えている
訪日ラボ編集部:例年7,8月ごろがピークとなる中国市場においては、今後さらなる盛り上がりが予想されるかと思います。夏に向けた市場の期待感についてはいかがでしょうか。
JNTO 北京事務所長 茶谷氏:中国の訪日旅行を取り扱っている旅行会社からは、訪日旅行の回復を実感する声や今後の伸びに期待する声を伺っていますし、JNTO公式SNSにも「日本の○○に行って素晴らしかった」、「来月○○に遊びに行くつもり」、「夏祭りのスケジュールを教えてほしい」など具体的かつポジティブな書き込みが目立って多くなっていると感じています。
例年、7月・8月の夏休みシーズンは訪日中国人が一番多くなる時期となっており、現在の回復基調を維持することができれば、ますます中国人観光客の増加が期待できると考えています。
課題は地方誘客、JNTOのマーケティング戦略も確認を
訪日ラボ編集部:期待感が高まる中、観光事業者としてどういったことを考慮して受け入れ準備を進めるべきでしょうか。
JNTO 北京事務所長 茶谷氏:現在、関東・関西で中国人宿泊数の約7割強を占める状況となっており、地方部での中国人観光客の回復が少々遅れているなどの課題があります。
JNTOとしては、昨年策定した訪日誘客のための市場別マーケティング戦略に基づいて、20~40代の訪日経験があるカップルや親子連れの訪日意欲を喚起し、特に地方へ足を伸ばしてもらえるような地方の魅力に関するプロモーションを強化していきます。
中国に限らずインバウンド誘客をお考えの観光事業者は、JNTOのマーケティング戦略を一度ご覧になって、インバウンド誘客のための取組を進めていただければと考えています。
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