訪日ノルウェー人観光客市場は、インバウンド市場の中ではまだまだ小さい市場ではありますが、その数は、新型コロナウイルスの感染拡大以前まで順調に増加していました。
さらに2020年度より、ノルウェーは北欧地域として「ビジット・ジャパン準重点市場」に追加され、今後のインバウンドの成長市場として期待されています。
本記事では、訪日ノルウェー人観光客を受け入れる上で知っておきたいノルウェーの基本的な情報や、訪日ノルウェー人観光客の基礎情報について紹介します。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
ノルウェーが準重点市場に追加
日本政府観光局(JNTO)および観光庁の発表によると、2020年度から訪日プロモーション事業の実施対象となるビジット・ジャパン重点市場に中東地域とメキシコ、準重点市場に北欧地域とブラジルが新たに追加されることとなりました。
-
重点市場
中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、メキシコ、中東地域(サウジアラビア・UAE・バーレーン・オマーン・カタール・クウェート・トルコ・イスラエル) -
準重点市場
オランダ、スイス、ニュージーランド、北欧地域(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク)、ブラジル
今回追加された国と地域は、2019年に過去最高の訪日観光客数を記録しており、本記事で紹介するノルウェーを含む北欧地域からの訪日外国人観光客数は、141,004人と前年比では6.3%増加しています。
これらの地域へのプロモーションの強化を通して、さらなる訪日外国人観光客の市場や消費額の拡大につなげたい考えです。
ノルウェーに向けてのプロモーション事業において、JNTOは2021年1月にオスロで開催予定の観光見本市「Reiselivsmessen」への出展を予定しており、重点市場化に向けた市場調査やプロモーションを行っていくとしています。
来場者4万人以上 ノルウェーを代表する国際旅行見本市「Reiselivsmessen Oslo
Reiselivsmessen Oslo 2018はノルウェー国内で開催される、旅行業界と旅行好きを結ぶイベントの1つで2002年から毎年開催されています。これまでにベルゲン、スタヴァンガー、ベストフォードなど60の地域で開催されています。2016年の来場者は40,000人、2017年には42,000人を超え、ノルウェーを代表する大規模なイベントへと成長しつつあります。毎回世界各国から出展者が集まり、会場内はノルウェー国内、クルーズ、スパなどの28のカテゴリーに分かれ、120もの国々がイベ...
ノルウェーの基本情報
ノルウェーはスカンジナビア半島の西側に位置している国で、面積は日本とほぼ同じ38.6万平方キロメートルです。首都はオスロで、ノルウェーの人口は2020年11月現在、543.3万人とされており、公用語にはノルウェー語が使用されています。
宗教は、カトリック福音ルーテル派に属する人が人口の大多数を占めています。通貨は、ノルウェークローネ(NOK)が使用されています。
日本との時差は-8時間、サマータイム期間は-7時間です。ノルウェーから日本へ行くための飛行時間は、約12〜15時間程かかります。
ノルウェーの経済レベルはどれくらい?
IMFの統計によると、2019年度のノルウェーのGDPは4,033億米ドルで、一人あたりのGDPは、75,2941米ドルです。
日本における2019年のGDPは5兆80億米ドルでしたが、一人あたりのGDPは40,256米ドルとなっています。
このことから、ノルウェーはGDPの総額は日本よりも少ないですが、一人あたりのGDPが日本を上回っていることがわかります。
また、物価も日本と比べて高めです。
各国の物価水準を比較するThe EconomistのThe Big Mac indexをみてみると、ノルウェーではビッグマックの値段は5.55米ドルであるのに対し、日本は3.64米ドルとなっています。
ノルウェー市場の訪日旅行(インバウンド)データ
ここでは、訪日ノルウェー人観光客の数、来訪時期、情報収集手段について紹介していきます。
訪日ノルウェー人観光客は過去どれくらい増えている?
訪日ノルウェー人観光客の数は、2015年の時点では18,597人でしたが、2019年には24,838人となり、約1.3倍に増加しています。
過去5年間の平均伸び率は約10.5%で、特に2015年には前年からの伸び率22.1%と急激な増加を見せています。
訪日ノルウェー人観光客の増加の背景として、ノルウェーにおいて日本文化への関心が高まっていることが挙げられます。
国際交流基金が実施する「海外日本語教育機関調査」によると、1990年にはノルウェーにおける日本語学習者数は12人しかありませんでしたが、2018年は640人と53倍増加しています。
中でもポップ・カルチャーに関心を持つ若年層を中心に日本への興味が高まっており、日本の文学やマンガ、アニメの愛好者が増加傾向にあります。
オスロで開催された大規模なマンガ・アニメフェスティバルに、ノルウェー各地から数千人規模の参加者が集まったこともあります。
またノルウェーでは、2006年から「desucon」というコスプレ大会が開催されており、来場者のほぼ全員がアニメキャラクターなどに変装し、会場では日本などから輸入されたアニメ・漫画のキャラクターグッズなども販売しています。
この「desucon」は年に3〜4回開催されており、それほどノルウェーでは日本のポップ・カルチャーへの関心度が高いことが伺えます。
訪日ノルウェー人観光客は何月に日本にやってくる?
2015年から2019年の月別の訪日ノルウェー人観光客の推移をみてみると、そのピークは、3月と4月の春のシーズンと、夏のシーズンの7月であることがわかります。
2019年に訪日ノルウェー人観光客がもっとも訪れた月は4月で3,736人、次いで7月の3,320人、3月の2,335人となっています。
3月から4月にかけて訪日ノルウェー人観光客が増加する背景としては、キリスト教において最も重要な祝日といわれる「イースター(復活祭)」があることがあげられます。
イースターとは、イエス・キリストが十字架にかけられて処刑されたのちに復活したことを記念し祝福する日です。
ノルウェーではイースターを祝う習慣があり、また厳しい冬を乗り越えた春の訪れを祝う時期でもあるため、イースター前後の休暇を使って家族でバカンスに行くノルウェー人が多いようです。
イースターは毎年3~4月頃で日付が変わっており、2019年のイースターは4月21日であったため、4月には最も訪日ノルウェー人観光客が増加したと考えられます。
また、ノルウェーの夏休みは6月後半から8月ごろまでとなっており、多くのノルウェー人が休暇を取って旅行に出かけます。
7月に訪日ノルウェー人観光客が増加したのにはこのような背景があると考えられます。
訪日ノルウェー人観光客の情報収集スタイル
Digital2020によると、ノルウェーでソーシャルメディアを利用しているユーザーは、およそ380万人ほどと言われており、国民の70%ほどがSNSを利用している計算になります。
またSNSは、2019年4月から2020年1月までで11万4,000人増加しており、訪日に関する情報収集はSNSが主流になってくるとの見方もされています。
また、StatCounterの発表によると、2020年11月現在、Facobookがノルウェーでもっとも人気なSNSとなっており、そのシェア率は全体の60%近くを占めています。
次いで人気なSNSとしてPinterest、Twitterが挙げられます。
SNSにおいて訪日ノルウェー人観光客に向けて情報発信やプロモーションを検討する際に、Facobook、Pinterest、Twitterが有効なプラットフォームとして考えられるでしょう。
日本文化の人気がある訪日ノルウェー人観光客市場
ノルウェーは中国、台湾、香港などと比べると、まだ小さい市場ですが、日本文化への関心が高く、訪日観光客数では着実な成長を見せています。
最も多くの訪日ノルウェー人観光客が日本に訪れた時期は3月と4月で、そのほか、7月も人気な月です。
情報収集手段として、Facebookが多く使用されています。
上記のノルウェーに関する基礎知識を押さえておくことは、インバウンド対策にも役立つでしょう。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参考>
We are social:DIGITAL 2020: NORWAY
StatCounter:Social Media Stats Norway
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!