来場者4万人以上 ノルウェーを代表する国際旅行見本市「Reiselivsmessen Oslo 2018」から見える北欧の観光ニーズとは?【現地レポート】

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Reiselivsmessen Oslo 2018はノルウェー国内で開催される、旅行業界と旅行好きを結ぶイベントの1つで2002年から毎年開催されています。これまでにベルゲン、スタヴァンガー、ベストフォードなど60の地域で開催されています。2016年の来場者は40,000人、2017年には42,000人を超え、ノルウェーを代表する大規模なイベントへと成長しつつあります。

毎回世界各国から出展者が集まり、会場内はノルウェー国内、クルーズ、スパなどの28のカテゴリーに分かれ、120もの国々がイベントのために趣向を凝らしたプロモーションを展開しています。

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「Reiselivsmessen Oslo 2018」には日本の旅行代理店も参加

その中には日本の旅行業界も参加しており、MIKI TRAVEL、 JAPAN NATIONAL TOURISM ORGANIZATION (JNTO (日本政府観光局))、 JAPANSPESIALISTEN/JTB NORWAYの3社がブースを出展していました。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:3社合同のブース

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:3社合同のブース

日本のブースは他国のブースより高く掲げられたJAPANのフラッグが目を引き、常にたくさんの来場者でブースが賑わっていました。遠く離れた日本に興味を持っている人がたくさんいることに嬉しくなります。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:高く掲げられたJAPANの文字

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:高く掲げられたJAPANの文字

会場全体のブースでプロモーションしている商品は、旅行商品以外にもあり、現地の名産品や食べ物、民族衣装の着付け体験、伝統舞踊、歌など様々な形で展開されています。日本のブースの担当者に話を聞いたところ、日本の自然や文化に関する質問を多く頂いているとのことでした。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」で配布されていた日本国内で人気のある都市を紹介するパンフレット

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」で配布されていた日本国内で人気のある都市を紹介するパンフレット

パンフレットには日本の歴史や文化を紹介するものや、福岡や大阪などの都市を紹介するものなど多岐に渡っていました。中でも日本の交通網を記した地図が人気でした。

また、熱心にパンフレットを見ていた若いカップルに、日本について知っていること、興味が有ることを聞いてみたところ、書道や着物など日本独特の文化・風習を体験してみたいと話してくれました。

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近年では観光地を周る旅行だけでなく、自身で体験しながら旅行するというのがコンセプトになって来ているようです。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」で紹介されていた日本独特の文化の一つ、生花

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」で紹介されていた日本独特の文化の一つ、生花

「Reiselivsmessen Oslo 2018」の出展で見られた工夫:体験型展示で来場者の心をつかむ

他国のブースはエンターテインメント型のブースも多く見受けられました。イタリアのブースではイタリア製品で作ったパスタを来場者に振る舞ったり、カナダのブースでは本物のオオカミの毛皮に触ることができたり、モロッコのブースは宮殿をイメージした特徴的な造りでつい入りたくなりました。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:本場イタリアの素材を使用したできたてパスタ

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:本場イタリアの素材を使用したできたてパスタ

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:印象的なモロッコのブース

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:印象的なモロッコのブース

アメリカのブースはラグジュアリーな長距離バスの展示・見学など多様なプロモーションで来場者を引き付けていました。このような体験型のプロモーションは、実際に体験した人がSNSやブログを通じて発信することで、年々来場者が増えるきっかけになっているそうです。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:ラグジュアリーな高級バス

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:ラグジュアリーな高級バス

会場内では出展者による歌や踊りなども随時行われ、常に多くの人々で賑わっています。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:出展者によるライブパフォーマンス

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:出展者によるライブパフォーマンス

会場の中央ではアメリカのブースによる楽器と歌によるジャズの生ライブが開催されました。素敵な歌声と音楽が会場に響き、ゆったりとした雰囲気に包まれました。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:インドネシアブースによるダンスパフォーマンス

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:インドネシアブースによるダンスパフォーマンス

初めて見るインドネシア舞踊はとても幻想的で、インドネシアまで本場の舞踊を見に行きたくさせます。

「Reiselivsmessen Oslo」の来場者の傾向とは?

来場者の多くは、疑問に思うことはスタッフに質問するなど、出展者と来場者とでコミュニケーションを多く取っている印象でした。

また、ノルウェーは家族との時間を大切にする文化があるため、気に入った商品を見つけてもその場で決定せずに、パンフレットを家に持ち帰り家族と話し合ってから決めるケースが多いです。このような傾向からノルウェーの旅行パンフレットには写真が多く使われています。

(一方、台湾を始めとしたアジア圏では対照的にすぐ捨てられてしまう傾向が)

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▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:誰でも参加可能なルーレット抽選会に並ぶ人々。特賞はクルーズ旅行券

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「Reiselivsmessen Oslo」の来場者の目的は旅行だけではない

Reiselivsmessenは、旅行をテーマにしたイベントですが、中には交流するために訪れる人も多いそうです。会場近くに住んでいるという来場者に話を聞いたところ「ノルウェーの冬は寒く暗い時間が長く、多くの人が家にこもりがちになる。だから、今回のような大きなイベントには積極的に足を運び、沈みがちな気分を盛り上げている。」とのこと。

他にも「たくさんの人が集まる場所で交流を深め、旅行というワクワクするイベントを考えるだけで楽しくなる。そして来年のバカンスの予定も立てられるから一石二鳥なの。」という声もありました。

無料のコーヒーや休憩できるスペースも完備されているため長く滞在でき、会場の隅々まで見て回れる環境が整っています。

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:会場にはフリーコーヒーと休憩スペースが設けられている

▲「Reiselivsmessen Oslo 2018」の様子:会場にはフリーコーヒーと休憩スペースが設けられている

まとめ:ノルウェーから見た日本や世界の魅力を知るために

ノルウェーは多数の国から人々が集まるインターナショナルな国です。出展だけでなく来場者として参加することで、様々な文化が融合したノルウェーの人々に対するPR方法を探すヒントが見つかるかもしれません。

そしてあえて冬に開催するのもメリットがあります。ノルウェー人の多くは、夏に長期休暇をとり旅行に行く人が多く、夏の開催では人が集まりづらいです。しかし暗く寒い冬だからこそ、上述したように人が集まりやすくそこから新たな交流が生まれるなど明確なメリットがあるのです。

今後インバウンドで成功を収めるには、すでにレッド・オーシャンとなりつつある東アジアや東南アジアだけでなく、ノルウェーのような未開拓市場に目を向け先行投資していくことも重要になるかもしれません。

「Reiselivsmessen Oslo 2018」イベント情報

イベント名 Reiselivsmessen Oslo
開催国・都市 ノルウェー・オスロ
開催日 2018年1月12日~14日
会場 Telenor Arena
対象 一般消費者、業界関係者
来場者数 4.1万人(2017年実績)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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