大手ホテルコマースプラットフォームSiteMinderのWorld Hotel Indexから収集されたデータによると、スペインのホテル予約数は2年前と同じレベルに戻っています。
スペインで5月初旬にレジャー目的での旅行が禁止されていた非常事態宣言が終了した後、ホテルの予約は急速に回復しました。
ホテルの予約率は、2019年の同じ時期と比較すると5月1日の57%と半分程度だったものの、6月1日の87%まで回復し、ほとんどコロナ前と同じ水準にまで戻ってきています。
6月28日の時点で、スペインのホテル全体の予約数は2019年同時期よりも多い予約を受け付けており、特に小都市において最も強い需要があります。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)スペイン、ホテル予約が「コロナ前」の水準に
SiteMinderによると、マラガとバレンシアは最も早く跳ね返った都市の1つであり、コロナ禍以前の2019年と比較してもホテル予約数がそれぞれ111%、105%となっています。
セビーリャ、バルセロナ、マドリッドなどの大都市は、世界的に主要大都市圏以外で休暇を取るという旅行者の傾向が続いていることを反映して、コロナ禍以前よりも予約は抑えられており、それぞれ2019年比94%、80%、69%でした。
しかし、世界平均で見るとホテル予約数は2019年度比67%となっています。
このことを加味するとスペインではかなり早くから大規模都市においても旅行需要が回復していることが分かります。
また同社のデータはスペインにおいて海外旅行が復活しているという前向きな兆候を示しています。
今年の3月以降、スペインの国内訪問者と比較した海外訪問者の割合は一貫して増加しています。
3月には、海外旅行者がスペインに到着するすべてのホテルの28%を占め、4月には31%、5月には35%に増加しました。
海外旅行者の割合は、9月までにホテル全体の60%を超えるとも予想されています。
ヨーロッパ、国によってホテル予約数回復にずれも
このようにスペインにおいて国境を超えた往来も含む旅行需要が回復しているという兆候がありますが、ヨーロッパすべての国がスペインと同じ速度で回復しているわけではありません。ポルトガルにおいて、5月当初はスペインを追い抜く形で旅行需要が回復したものの、現在では2019年度比76%となっています。
また同様に早くからホテル需要の回復が見られたアイルランドとイギリスでも、2019年比91%と74%になっています。
しかし国によって差は生まれるものの、ヨーロッパでは旅行需要回復が徐々に進んでいます。
一方日本では、観光庁の宿泊旅行統計調査によると、緊急事態宣言の影響もあり5月時点で2019年度比49.9%までの回復にとどまっており、世界平均よりも低い水準にあります。
さらに外国人延べ宿泊者数でみると、2019年度比2.5%とほぼ壊滅状態になっています。
世界においては徐々に旅行需要が回復し、ホテルの予約率も回復していることから日本においても早急に対策を行うことが求められるでしょう。
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<参照>
観光庁:宿泊旅行統計調査
TravelDailyNews:Spanish hotel bookings bounce back to pre-pandemic levels, leading industry recovery ahead of major European markets
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