「メタバース」とは、オンライン上の仮想空間のことで、近年観光分野における活用が注目されています。
本記事では、メタバースとは何か、そしてメタバースが観光業にもたらす影響について解説します。
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メタバースとは何か?
メタバースとは「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、オンライン上の仮想空間やそのサービスを指します。
3Dによる仮想空間上で現実の社会同様世界中から参加者が集い、一人一人がアバターとしての人格を持ち、社会活動や経済活動を行うことが可能な空間を意味しています。
最近ではFacebookが社名を「メタ」に変更し、メタバースの世界を積極的にアピールしたことで、次世代のテクノロジーとして注目が集まっています。
観光業界では、デジタルマーケティングの手段としての活用が期待される
メタバースは観光業界の文脈では、次世代のデジタルマーケティングの手段としての活用が想定されます。
例えばメタバース空間で京都の紅葉を見て楽しんでもらい、その次は実際に京都の紅葉を体験してもらうといった流れが想定できます。
その他にも、メタバース空間での旅行代理店を使ったツアーオペレーターなどが誕生することも考えられます。
メタバースの観光分野における活用事例
ここからはメタバースが観光分野において実際にどのような方法で活用されているのか、現時点での活用事例を紹介します。
【国内】沖縄発のメタバース「バーチャルOKINAWA」に首里城の復元
「株式会社あしびかんぱにー」は、2019年10月31日に発生した火災で焼損した首里城を、沖縄発のメタバース「バーチャルOKINAWA」上で復元すると発表しました。
同社は、沖縄発のメタバース参画企業として、「バーチャルOKINAWA」内でアフターコロナを見据えた沖縄観光地と仮想空間が提携した沖縄体験を展開しています。
沖縄美ら島財団監修のもとで復元する首里城エリアは、2022年春ごろに公開される予定で、現在は「バーチャル国際通り」の制作に着手しており、クラウドファンディングが開催されています。
【海外】韓国を訪れる前に新しい旅行体験
韓国では、メタバース・プラットフォームを利用した新キャンペーン「Come Play with Korea, K-VIBE FESTA」が開始されました。
メタバースを用いて、韓国観光公社(KTO)が各地域の特徴や魅力を世界中のユーザーに紹介するもので、人々は実際に韓国を訪れる前に、新しい旅行体験を試すことができます。
一緒に韓国旅行をしたいアーティストと、そのアーティストと行きたい場所を選べる「Fan Letter Event」も、キャンペーンページで開催されます。
韓国の人気観光地をバーチャルで巡る新しい旅の体験に、期待が高まります。
観光関連事業者はメタバースにどう備えればよいか?
注目が高まるメタバースに対し、観光関連事業者はどのように備えればよいのでしょうか。
イギリスのデジタル観光・旅行分野のニュースメディア「DestinationCTO」によれば、新たな市場であるメタバースを迎えるにあたり、マーケットにおけるポジショニングにズレが生じるのは当然のことであり、その調整が欠かせないと考察しています。
ビジネスをどう切り開いていくべきか、急成長企業や既存大手企業などそれぞれの立場で解が異なるとしても、ズレの調整は共通して必要になるとしています。
デジタルマーケティングのソリューションを提供している場合、環境が一変する可能性も
OTAなどの集客・マーケティングに関わるサービスを提供している事業者や、デジタル領域におけるマーケティングのコンサルティングを生業としている事業者にとっては、メタバースの今後の動向によっては自社のビジネスそのものを見直す必要に迫られる可能性があります。
環境の急激な変化に対応できなかった場合、その事業からの撤退も余儀なくされるでしょう。
今後起きる市場の変化を注視しつつ、どんな変化にも対応できるような備えをしておく必要があります。
観光施設やコンテンツを持つ事業者は、しばらくは静観が吉
いっぽうホテル、観光アトラクション施設、アクティビティの提供事業者など、プロダクトそのものに変化が起きるのではなく、マーケティングの見直し(デジタル領域における集客の見直し)が必要な事業者は、しばらくは静観しておいてよいでしょう。
メタバース業界でのプラットフォーマー争いは大手企業同士でしばらく続くことになることが予想されます。観光関連事業者は、乱立するサービスが淘汰されることを待って、自身のビジネスにとって最も有益なメリットを享受できるものを選べばよいと考えられます。最低限、業界の動向は定期的にチェックしておきましょう。
コロナ禍で高まるメタバースへの注目
メタバースはまだその可能性について未知数な部分が多く、果たして本当に市場環境を一変する存在となるのか、まだ確実なことはいえません。
しかし有力な企業や投資家がそのポテンシャルに注目し、すでに大規模な投資や事業開発が行われていることは事実です。
コロナ禍によってそれ以前までのマーケティングのあり方が通用しなくなっている現在、メタバースに限らず新しい概念や手法は生まれ続け、それがもたらす変化は加速しています。
観光分野においてどのような変化が起きうるのか、少なくとも今後の動向を注視しておいて損はありません。
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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