2月20日、北京五輪が閉会しました。
新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の流行、さらに人権問題におけるボイコットなどの問題もありましたが、日本でも日本人選手がメダルを獲得するたびに注目されるなど、大きな話題を呼びました。
しかし、北京五輪の費用面の問題は未だに残っています。
アメリカ・ウォールストリートジャーナル紙(WSJ)によると、北京五輪の誘致当時予算は30億ドル(約3,450億円)あまりだとしていたものの、実際には130億ドル(1兆4,950億円)超の間接費を含む計160億ドル(1兆8,400億円)が投じられたとしています。
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北京五輪、実予算は1兆越えか 海外紙報道
中国は、北京五輪について「”低コスト・高効率”を掲げて大会を運営する」としていました。しかし、実態は高コストになっていた模様です。
WSJは、本来の予算は30億ドル(約3,450億円)だとしていたものの、政府調達の公告や建築記録、関連省庁と地方政府の公開文書などを総合的に分析した結果、中国政府が今回の五輪で少なくとも160億ドル(約1兆8,400億円)を使ったことが推定されると報じました。
北京冬季五輪は、2008年に開催された北京夏季五輪の施設を再活用するという点や、低コスト面が評価されカザフスタンを抑えて誘致が決定されたという背景があります。
高コストになった要因として、北京夏季五輪の施設以外にも新たに建設した施設があったこと、また間接費が予算には含まれていなかったことがあげられます。
北京冬季五輪では、北京夏季五輪の施設を5施設再活用しましたが、少なくとも10か所施設が新たに建設されたということです。国際オリンピック委員会公式サイトの表記によると、北京以外の北京冬季五輪の開催地である延慶ゾーンと、張家口ゾーンにおいてはほとんどが新しく建設されたものとみられます。
この追加建設費用として、8億ドル(約920億円)が少なくともかかっているとみられます。
また、予算に当初含まれていなかった間接費として、施設の改修費と、北京と選手村がある張家口をつなぐ高速道路、高速鉄道建設費をあげました。
まず施設の新築費・改修費として、実際には中国の民間建設会社に23億ドル(約2,650億円)が払われていました。
また試合会場や開閉会式が行われた国家体育場がある北京と、選手村がある張家口を結ぶ高速道路や高速鉄道建設のために、約120億ドル(約1兆3,800億円)がかかっていると同紙は指摘しています。
張家口は、国際オリンピック委員会公式サイトによると、ビジネスエリアとして生まれ変わる予定で、インフラを整備したと考えられます。
最後に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う防疫措置で少なくとも6,800万ドル(約78億円)が発生したとしています。
これらのコスト増加に加え、北京五輪では開催直前にチケットの一般販売が中止されました。約1億ドル(120億円)ともいわれるチケット収入がなくなったことも、費用面の負担を大きくしたと考えられます。
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<参照>
WSJ:北京冬季五輪の開催費用、計算は離れ業
Wow Korea:北京冬季五輪でかかった費用160億ドル...中国の計画より5倍も差がある理由は?
国際オリンピック委員会公式サイト:北京2022 競技会場
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