世界各国で入国条件の撤廃が拡大しており、世界が観光回復に向かって進んでいることがうかがえます。
日本政府も本日の会見で、水際対策について6月1日から入国者の上限を2万人に拡大し、検疫体制を緩和することを発表しています。
その一方で、世界では日本の水際対策の緩和への対応の遅さについて批判的な論調が生まれていることも事実です。
直近で実現した韓国、イスラエル、オーストリアの水際対策への規制撤廃を振り返りつつ、日本政府の対応についても紹介します。
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韓国 観光ビザの発給 6月から再開へ 検査期限の緩和も
韓国法務省は5月19日、観光ビザの発給を6月から再開すると発表しました。
韓国では2020年4月から新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、投資や貿易、人道目的などの訪問客に限ってビザを発給していました。
そうした中、新型コロナウイルスの新規感染者数がピーク時の20分の1まで減少している現状を受け、6月1日から観光などを目的としたビザ発給も再開するということです。
韓国政府は現在、入国者に対して入国から「24時間以内」にPCR検査を受けるように求めていますが、6月からは検査の期限を「入国後3日以内」に緩和します。
イスラエル、観光客の入国要件をすべて撤廃
5月17日、イスラエル保健省は5月21日に入国規定を緩和すると発表しました。
5月21日より、ワクチン接種の有無にかかわらずすべての旅行者がワクチン接種、検査、検疫の証明書を提示することなくイスラエルに入国できるようになりました。
ただしパンデミック前と同様に、渡航者は渡航の48時間前に旅客所在確認書を記入する必要があります。
したがってイスラエルは、2019年以前のパンデミック前の通常の状態に戻っているといえます。
オーストリア、入国条件をすべて撤廃し、観光を全面的に再開
オーストリアは新型コロナウイルス関連の入国条件をすべて撤廃し、旅行者はパンデミック前と同じように入国できるようになりました。
5月16日より旅行者は、ワクチン接種証明書などの提示が不要になり、すべての検査条件も解除されました。
中央ヨーロッパの南部に位置するオーストリアは、新型コロナウイルスの流行期間中、旅行者にとって入国が最も困難なヨーロッパの目的地の一つでした。
オーストリアもイスラエルと同様に、パンデミック前の通常の状態に戻っています。
IATAウォルシュ事務総長、日中の対応遅れを批判
5月18日、航空会社の業界団体、国際航空運送協会(IATA)のウォルシュ事務総長はシンガポールで開かれたチャンギ航空サミットに出席し、日本に対して新型コロナウイルス対策の入国規制をさらに緩和するよう要請しました。
日本の入国規制は、感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を続ける中国と並び、アジア太平洋地域の航空需要回復への悪影響になっていると批判しました。
日本の対応は
5月20日の会見で日本政府は、新型コロナウイルスの水際対策について6月1日から入国者の上限を2万に拡大し、国や地域の陽性率に応じて空港の検疫体制を緩和すると表明しました。
松野官房長官によると、4月10日から1日あたり1万人としていた入国者の上限を、6月1日から2万人に拡大し、空港検疫の体制も緩和されます。
入国時に行っている検査の陽性率ごとに国や地域を3つのグループに分類し、陽性率が最も低いグループからの入国は、ワクチン接種の有無に関わらず検査や待機を免除されます。
次に低いグループは、3回目接種を終えていれば免除となり、残るグループは、検査や待機措置を継続するということです。
それぞれの内訳については、条件なしで検査などが免除される国はアメリカやイギリスなどおよそ100か国です。
次のグループがおよそ100か国、検査や待機が継続される国は4か国になるということです。
上記のように日本政府は水際規制を段階的に緩和していますが、他国に比べると「非常に慎重な」ペースに写るようです。
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