訪日上限数「撤廃」きょうから 全国旅行支援も 需要回復の起爆剤なるか

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政府は本日10月11日から、「全国旅行支援」をスタートさせます。

GoToトラベル、都道府県民割、ブロック割に続く新たな旅行支援策である今回の全国旅行支援では、旅行代金の割引とクーポンの付与で観光需要を喚起しています。

また都道府県民割の対象は近隣県の住民となっていましたが、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せ始めたことから、今回の旅行支援では対象地域は全国に広がりました。

国内観光の需要喚起だけでなく、政府は今日から、入国制限の大幅緩和も行います。国内旅行とインバウンドの両面で、一挙に日本の観光産業に活気が戻ることが期待されます。


全国旅行支援、きょうスタート

新型コロナウイルスの流行が始まった2020年以来、政府は大きなダメージを受けた観光業を支援するために、旅行支援策をとってきました。

その第一弾となったのは、2020年7月に開始されたGoToトラベルです。国内旅行の旅行代金の35%が割引となり、さらに旅行代金の15%分の、旅行先で使える地域共通クーポンがもらえました。

しかし2020年の年末から2021年の年始にかけて、新型コロナウイルスの感染状況が悪化し、再び緊急事態宣言が発令されました。それにともない、GoToトラベルは停止となりました。

その後を受けて始まった支援策が、「地域観光事業支援」、いわゆる県民割、ブロック割です。対象は近隣の都道府県の住民となっており、支援の内容については各都道府県に一任されていました。

その県民割は、当初の予定では期間は9月末までとなっていましたが、対象期間は昨日10月10日の宿泊分まで延長され、本日スタートの全国旅行支援に引き継がれた形となりました。

支援の詳細:旅行代金の割引とクーポンの付与

本日スタートする全国旅行支援では、割引の対象は全国に広がりました。期間は本日10月11日から、12月20日までの予定となっています。

期間中は旅行代金の40%が割引となります。一泊当たりの割引額の上限は、鉄道などの交通付旅行商品で8,000円、それ以外の旅行で5,000円となっています。またクーポン券の付与による支援もあり、平日は3,000円分、休日は1,000円分のクーポン券がもらえます。クーポン券は、旅行先の都道府県の対象店舗で利用できます。

本事業における「休日」の定義は、「宿泊日とその翌日が両方とも土・日・祝日である場合」となります。日帰り旅行の場合は、「土・日・祝日」が「休日」扱いとなります。

また割引を受けるための要件として、免許証などの本人確認書類などに加え、3回接種済のワクチン接種証明書、もしくは検査を受けて発行された陰性証明書の提示が必要になります。

県民割との違い:支援の細分化

県民割からの目立った変更点は、主に4点あります。

1つ目は、割引率の低下です。県民割では旅行代金の最大割引率は50%となっていましたが、全国旅行支援では40%に引き下げられました。

このように旅行代金自体の割引率は下がりましたが、以下の2つ目と3つ目の変更点を見てわかる通り、支援の細分化が進んだのが今回の全国旅行支援の特徴ともいえます。

2つ目は、交通付旅行の優遇です。一泊当たりの割引額の上限は交通付旅行が8,000円、それ以外の旅行が5,000円と、交通付旅行の方が高くなっています。交通事業者を支援し、地方の観光を促進する狙いがあります。

3つ目は、平日の利用促進です。クーポン券の付与額は、休日が1,000円であるのに対し、平日は3,000円となっています。従来の旅行支援策では、平日の客室利用率の低さという課題があったため、平日の利用に対してインセンティブを付けた形になっています。

4つ目は、対象地域の拡大です。県民割の対象地域は、開始当初は同一都道府県内の住民に限定されていましたが、隣接都道府県の住民、そして地域ブロック内の住民へと対象が拡大されていきました。

対して今回の全国旅行支援は、開始時から対象は全国となります。パンデミックの影響を脱しつつあることが、ここからもみてとれます。

実際の利用の流れは?

次に、実際に旅行代金の割引を受ける流れを解説します。

まず旅行の予約の段階では、キャンペーンに参加している予約サイトや旅行代理店、宿泊施設などを選んで申し込みをする必要があります。

キャンペーン対象の事業者を通して予約をしたのち、旅行の当日には旅行会社や宿泊施設などで、本人確認書類を提示します。その際、ワクチン3回接種済みの証明書、もしくはPCR検査などの陰性証明書を合わせて提示する必要があります。

これらの必要書類が確認されると、地域クーポンを受け取ることができます。クーポン券は旅行先の都道府県内で利用できるので、有効期限内にぜひ使い切りましょう。

ここまで大まかな流れを紹介しましたが、詳細は都道府県ごとに異なる場合があるので、予約の際には各都道府県の情報を参照する必要があります。

現場の反応は?混乱は必至か

GoToトラベルや県民割の開始当初と同様に、今回の全国旅行支援のスタートにあたっても、懸念されるのは旅行会社をはじめとする現場の混乱です。種々の混乱を招く最大の原因と言われているのが、都道府県ごとにルールが微妙に異なる場合があることです。

GoToトラベルの際は、国の事務局が事業を統括していたため混乱は抑えられていました。しかし県民割では各都道府県の事務局に権限が与えられていたため、「ローカルルール」が生まれることになり、大きな混乱を招きました。

今回、対象地域は全国に広がったものの、権限は引き続き各都道府県の事務局にあります。そのため、再び開始時に混乱が起こるのではないかと予想されています。

例えば、ワクチン接種証明書もしくは陰性証明書を提示できない旅行客を含む団体が割引を利用しようとする場合、「一人でも提示できなければ全員割引はなし」となるか、「提示できない客は割引なし、それ以外の客は割引あり」となるかは、都道府県ごとにルールが異なるといいます。

それ以外にも、クーポンを事前に送付するか当日に配布するかや、キャンペーン期間中の既に予約済みの旅行に割引を適用するかどうかなどは、各都道府県によって「ローカルルール」として決定されているということです。

こうした状況は、利用者にとってわかりにくいだけではなく、各都道府県と契約を結ばなければならない旅行会社にとっても非常に煩雑であるといいます。既に動き出した全国旅行支援ですが、事業者側の船出は慌ただしいものになると見込まれます。

旅行支援・入国緩和を観光復活の起爆剤に

政府は本日10月11日付で、国内の旅行支援をスタートさせるだけではなく、入国制限の緩和も行います。短期滞在者のビザ取得免除が再開し、個人旅行の受け入れもついに再開します。訪日観光客の入国制限はほぼ撤廃されたと言える状況になりました。

感染症の影響による国内での自粛要請、そして対外的な水際対策の実施により、日本の観光はこの2年間苦渋をなめ続けてきました。しかしついに、政府は国内旅行、インバウンドの両面を復活させようと動き始めました。

今日から施行される全国旅行支援、そして入国制限緩和を起爆剤として、日本の観光産業が再び活気を取り戻すことに期待がかかります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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